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抗体検査の結果に衝撃を受けました

私は、人口の5%くらいはかかっているんじゃ無いかと思っていたんです。

この記事で書いたように、慶應のPCRの結果とか、海外の事例を踏まえると、まあ、そんなものだろうと。

抗体検査の結果は0.1%=1000人に一人くらい

ところが、厚労省の抗体検査結果が出ましたが、0.1パーセントですか。

 厚生労働省は6月16日、3都府県で計7950人を対象に実施した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗体検査の結果を発表した。抗体陽性率は東京都で0.10%、大阪府で0.17%、宮城県で0.03%だった。

記事を書いた時には、4月中にもやりそうな話だったけど、実際には、6月までかかったわけですね。そういうところがなあ。

新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査について、厚生労働省が月内にも実施する方向で準備を進めていることが22日、分かった。同ウイルスは感染者の約8割が無症状か軽症とされ、抗体保有率を調べることで感染者全体の推計や流行状況の把握につなげる。

この抗体検査については、サンプリングに問題があるのでは無いかという声もありました。東京で無作為抽出とありますが、練馬区とかあまり感染者が出ていない区が選ばれていて、世田谷とか新宿じゃ無いというあたりとか。23区全体からの無作為では無いことが疑念を持つ人を生むわけです。

それと、陽性の判断が厳密で、数字が上がりにくいというのもあります。

使用した測定機器は、異なる免疫測定法を用いた3種類の装置。陽性の判定をより正確に行うためとして、米国Abbott社(化学発光免疫測定法[CLIA法])およびスイスRoche社(電気化学発光免疫測定法[ECLIA法])の両方の検査試薬・装置で陽性が確認された場合のみ、陽性(抗体保有)と判定している。米国Mokobio Biotechnology社(蛍光免疫測定法[FIA法])の試薬・装置での結果は参考値とした。

詳しくは、こちらをご覧ください(PDF

試薬によっても差があるし、両方で陽性じゃないと認められないし。

今回の調査では、いずれの自治体での結果においても、検査方法によって陽性判定された人数に幅がある。例えば東京都では、Abbott社の試薬では6人(0.30%)、Roche社の試薬では4人(0.20%)が陽性と判定され、両方で陽性となったのが2人(0.10%)となっている。参考値となっているMokobio Biotechnology社の試薬では、3都府県とも1%以上が陽性と判定されている。

それでも十分に少ないですけどね。せいぜいが1%ですから。

ソフトバンクの結果は500人に一人

民間では、孫正義社長が自社及び医療従事者で抗体検査を実施しています。

 ソフトバンクグループは6月9日、同グループ社員や医療従事者など約4万4000人を対象に実施した、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗体検査の結果を発表した(外部リンク:動画発表資料)。全体の抗体陽性率は0.43%で、このうち医療従事者約5800人については、抗体陽性率は1.79%だった。

ソフトバンクだけならば、0.23%ですから、厚労省の結果とそれほど変わりません。医療従事者が多いのは、それだけ曝されていたという証拠ですね。その中での医療行為の継続には、本当に頭が下がります。

医療従事者も、お医者さん以上に、受付の人が抗体を持っている率が高いというのが、事実はすごいなと思わされました。一番多くの人と対面するのは、お医者さんや看護師さんより受付なのかもしれませんね。

ソフトバンクでいえば、店頭ですね。ところが、店頭スタッフは意外に陽性率が低く0.04%。店舗を閉めたとか、対応が早かったためでしょうか。

そういうことが見えるという点では、抗体検査に意味があるかもしれません。

抗体検査はどこまで信じられるのか

でも、抗体検査は、お墨付きではないようです。

抗体検査を一般企業が行うことは、3文字でいえば、無意味だ。

この記事でも取り上げた峰宗太郎医師のコメントです。

抗体検査では、どの時点での感染であるかが全くわからない。抗体検査で陽性の場合、改めてPCR検査が必要になる。陰性なら感染していない証明にはなりえるが、この瞬間からまた感染の可能性がある。つまり、結果を何にも生かせないことから、企業が実施する意味はない。

抗体検査の結果は、感染したことがあることがわかるだけなので、時間的な分解能はないし、今後のために、免疫となっているかもわからないのです。

1度感染すると2度と感染しないことが確実なら、感染を証明できる「免疫パスポート」のために抗体検査を行いたい気持ちも分かる。ただ、新型コロナウイルスは、免疫が続く期間が短くなる可能性が高い。これも抗体検査を行う必要がない理由といえるだろう。

ワクチンについても、まだわからないことだらけです。

現時点では、どのくらい効果があるものができるのか、全くわかっていない。風疹や麻疹のように、ほぼ一生免疫のつくワクチンか、インフルエンザのように毎年打たなければならないワクチンになるのか、予想がつかない。

特効薬もない、ワクチンもまだかかりそう。

ただ、重症化した場合に対症療法として、ノウハウは溜まってきた。そういう状況だと峰医師はいいます。

重症時の治療薬の探索が進んでいる。新型コロナウイルスは当初、肺炎を起こすといわれていたが、それよりも深刻なのは血栓症という血が固まってしまう症状だ。これを避ける薬や、炎症が激しくなる症状を止める薬も検討されている。つまり、重症時の対症療法に効く薬は、効果が認められてきている状態だ。

まだまだわからないことばかりの新型コロナウイルスなので、下火になってきたとはいえ、感染を避けるために、手洗いとマスク生活を続け、三密を避け、飛沫感染しない程度に不要不急の活動を行っていくしかなさそうです。


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fujita244
サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。