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【ネタバレ】映画「はたらく細胞」感想

 こちらの投稿は、2024.12.23時点で上映中の映画「はたらく細胞」の感想になります。
 結末までのネタバレが多分に含まれますので、ご注意ください。












 いやぁ、面白かったなぁ。

 一人の人間の体の中で、細胞がどんな働きをしているのかを追いかけながら、持ち主の人間に起こるドラマも描いている。
 1本で2本分のストーリーが楽しめる!お得!

 ニコちゃんとお父さんが出た瞬間「マルモ」を思い出してちょっと感動すらしてしまった。
 何であんなに作業服と無精ひげが似合うかね、阿部サダヲさんは。
 ダメな生活習慣ではあるが、娘ちゃんが大好きで、亡くなった奥さんのことも大好きな愛に溢れたお父さん。
 いやほんとに……良かった。

 そんなお父さんを支える娘・ニコちゃんの体内で活躍するのが赤血球ちゃんと白血球さんですね。
 やっぱりちょっとだけ白塗り気になるなぁと思ってたんですけど、特撮感のある始まりで、ウイルスたちが豪華キャストなのにびっくりしてるうちにすげぇアクションも始まって気が付けば白塗りは気にならなくなっていた。
 方向音痴だけど前向きな赤血球ちゃんと、強くて勤勉、でも不愛想でコミュ障気味の白血球さん。掛け合いが面白かった。「どういたしまして!」ってちゃんと言う度笑った。
 レセプターもどうにかならんのか、って思う程ピコンピコン言ってて反応する度笑ってしまった。

 肺炎球菌とかインフルエンザ菌とか、くしゃみの仕組みとか、映像で出てくるから分かりやすかったなぁ。
 ヘルパーT細胞とキラーT細胞の関係とか。……あ!ヘルパー「T(ティー)」細胞だからずっと紅茶飲んでたのか!今書いてて気づいた笑
 単純に司令官としてのキャラ付けかなんかだと思ってた……。
 キラーT細胞は原作で見たキラーT細胞さんだった。NK細胞さんとの戦友感も良かった。

 しかもお父さんの体の中のはたらく細胞たちも出てくる。
 原作で言えば「Black」の方の話なんだけど、主人公の子めちゃめちゃ似てた。
 お父さんの体内、昭和感の下町感すごい。
 私もこっち寄りの体内だし当然ブラックだよ……すまんな細胞たち。

 人間パートは甘酸っぱい恋模様に久々にニコニコしちゃったなぁ。
 何の障害もなく(この時点では)二人がお付き合いを始めるモダモダが可愛らしくてねぇ。
 先輩も真面目だしニコちゃんのこと好きだし、微笑ましすぎた。
 恋してドキドキすると、体内ではサンバカーニバルが行われる笑
 DJKOOのステージが始まるんだぜ。
 恋に浮足立つ心の表現がサンバカーニバルで、制御不能!って言いながらヘルパーT細胞さんが躍り出すのがいい。理性では止められないって感じ。

 すっかりニコちゃんと彼氏くんの恋を応援する気持ちになっちゃってたから、この先の不穏になってくパートでほんとにハラハラしたんだよなぁ。
 だって付き合ってすぐに彼女が病気になっちゃうのはさぁ、やっぱり辛いし、彼氏としては「重い」よなぁ。
 しかもニコちゃんのお父さんにも「一緒に励ましてやってくれ」なんて言われちゃってるし……。
 正直彼氏くんがいつ逃げ出しちゃうかってヒヤヒヤしてたんだよね。

 だがしかし!さすがニコちゃんの惚れた男!よ!元こども店長!
 彼はお父さんと一緒になってニコちゃんを笑顔で励まし続けてました!

 お父さんもさぁ、「なんで(病気になるのが)俺じゃなかったんだ」なんて言ってて、あぁ~……泣ってなったよね。
 母親が亡くなる時の恐怖や悲しさ、それをもう一回、その時よりももっと大きなそれを抱きながら、そうはならないって思いながら娘を励ますのは大変だったと思う。
 お医者さんに頭下げて「助けてやってください」って言うのとか、娘には「大丈夫だよ」って色々隠して笑って言うのとか。

 もうね、ド直球ど真ん中の表現だからこそ泣いちゃう。
 使い古されたとか、ありきたりだとかじゃないの、変に捻っても小手先の狙った小狡さみたいなのを感じて冷めるだけだ。
 使い古された物だったり、ありきたりだったりするから響くのもあると思う。
 それは幼い頃自分が貰った物だったり、どうしても欲しかった物だったりするだろうから。

 そんなこんなで体内の方でもいろいろ起きてました。
 白血球くんが突然変異して病気になっちゃって、すぐ内出血するし、しても血小板ちゃんが少なくなって治りにくくなるし……。
 外からの治療が体内にどんな影響を及ぼすのかっていうのも分かりやすく描かれてた。
 そうだよね……。抗がん剤とかミサイルレベルの強い薬だよなぁ。そりゃがん細胞にだけ効くってわけには行かないよなぁって。
 普段何気なく飲んでる薬も、そんな風に望んだ効果以外の副作用があるんですよね。一長一短。

 どんどん追い詰められていく細胞たちと、その体の持ち主のニコちゃん。
 そして一度は窮地に陥りそして復活した白血球さんと、突然変異した白血球くんが最終決戦です。
 お兄ちゃん、と白血球さんを慕う白血球くんであった「モノ」と闘う決意をした白血球さん。
 けれども、ニコちゃんの体は病に蝕まれて弱っていきます。

  結末は見てのお楽しみ、と言うことでこれ以上は書きませんが、とても興味深く楽しめた作品でした。
 漫画・アニメを実写化するにはどうしても難しい所がありますが、役者さんの演技、雰囲気作りや描き方で割とうまく溶け込ませていたと思います。
 ライトな感じで気軽に構えてみていたら、グイグイ引き込まれてしまう、そんな映画でした。

 それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。
 ふじすけでした。

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