[読む漫才] ラグビー(当て書き:ギャロップ)
#オチを予想してお楽しみください (8文字)
しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる
●漫才における「相槌」はそのときの雰囲気で自然に入れるものなので通常漫才台本には書きませんが,本格的な掛け合いのしゃべくり漫才をイメージできるようあえて細かい「相槌」を書き込んでいます。それが「読む漫才」です。
毛利:昨日ね
林:はいはい
毛:ラグビーを観ましてね
林:やってました?ラグビーの試合
毛:ワールドカップですよ
林:ワールドカップ?
毛:そう
林:いつの?
毛:2019に決まってるじゃないですか
林:日本で開催されたやつね
毛:ついに昨日観まして
林:どういうことやねん
毛:録画してたんですけどね
林:1年前くらいのやろ?
毛:なかなか観れなくてね
林:昨日やっと観たの?
毛:そういうこと
林:だいぶ遅いよ
毛:めちゃめちゃ盛り上がってましたよ
林:昨日のことのようにしゃべるな
毛:ええやん別に。僕は昨日初めて観たんやから
林:ワールドカップ観るの初めてなん?
毛:というよりね
林:何?
毛:ラグビーを観るのが初めてでね
林:そうなん?
毛:そうなんですよ
林:なんでこのタイミングで?
毛:録画したビデオをいつ見るのかは自由やん
林:「なんで今?」て思うやん
毛:そうやけど
林:ほんでどうやった?
毛:何が?
林:初めて観たラクビーの感想や
毛:頑張ってた
林:え?
毛:頑張ってましたよ
林:誰が?
毛:選手がや
林:あたりまえやそんなもん
毛:あたりまえなん?
林:ラグビーというのは
毛:うん
林:頑張るもんやねん
毛:そんなもんなんやね
林:「そんなもん」て言うな
毛:どう思う?
林:何が?
毛:次の試合
林:次の試合って何?
毛:初戦ロシア戦の次の試合や
林:はぁはぁ
毛:頑張ると思う?
林:あたりまえやないか
毛:あたりまえなん?
林:何を言うてんねんお前は
毛:何が
林:ラグビーで「頑張らない」という選択肢はないねん
毛:ないの?
林:あるわけないやろ
毛:日本の選手だけやろ?
林:何が?
毛:頑張んの
林:みんな頑張んねん
毛:そうなん?
林:一人残らず頑張んねんラグビーは
毛:ほんなら日本優勝でけへんやろ
林:日本は優勝でけへんねん
毛:それ言うてええの?
林:何が?
毛:ネタバレやん
林:1年前のスポーツの結果を「ネタバレ」とは言わんやろ
毛:まだ観てない人もいますからね
林:お前だけや
毛:おるやろ他にも観てない人
林:観てない人もみんな知ってんねん結果を
毛:「結果を知らない」というていで話してもらえませんか?
林:なんでやねん。めんどくさい
毛:ここから日本が優勝するためにね
林:「無理や」言うてんねん
毛:どう頑張ったらええの?
林:なんやねん「どう頑張る」て
毛:この国が要注意とかね
林:うん
毛:いろいろあるやん
林:何が?
毛:より試合を楽しく観るための前情報とか
林:「前情報」ていつの話してんねん
毛:どこの国が強いの?
林:もうあの〜「なんちゃらランド」というのがとにかく強いんですよ
毛:なんちゃらランド?
林:そう
毛:そんな国出てた?
林:ニュージーランドとか
毛:ほうほう
林:イングランドとか
毛:後ろに「ランド」とつく国ね
林:それからアイルランド
毛:スコットさんもおったんちゃう?
林:「スコットさん」て誰やねん
毛:スコットランドや
林:スコットランドも強いですよ
毛:その「なんちゃらランド」って
林:うん
毛:みんな一緒ちゃうの?
林:何が?
毛:イングランドも
林:うん
毛:アイルランドも
林:はぁはぁ
毛:スコットランドも
林:はいはい
毛:みんなイギリスですよねぇ
林:「イギリス」というのはね
毛:「イギリス」というのは?
林:「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」と言いましてね
毛:本名長いなぁ
林:4つの国でできている連合国家ですからね
毛:ラグビーのチームは別なんですか?
林:まぁまぁそうなんですよ
毛:なんで?
林:いろいろありましてね
毛:言われへんの?
林:あの国の歴史は複雑ですからね
毛:日本も連合国家スタイルにしてもええの?
林:どういうこと?
毛:連合国家スタイルやったら
林:うん
毛:日本に存在する別の国も
林:別の国?
毛:別のチームとしてワールドカップに出場できるんやろ?
林:「日本にある別の国」ってなんやねん
毛:ピューロランドとかもね
林:ピューロランド?
毛:そう
林:サンリオの?
毛:一つのチーム作れるやん
林:何言うてんの?
毛:「なんちゃらランドは強い」言うてたから
林:「ランド」つけたら強くなるシステムちゃうねん
毛:ちゃうの?
林:あたりまえやろ。そんなんで強くなるか
毛:でも一応「ランド」はつけたほうが安心やん
林:なんの安心感やねん
毛:験担ぎみたいな
林:ほんなら「日本ランド」でええやん
毛:うさん臭い遊園地やないか
林:何が?
毛:「日本ランド」て
林:だいたいピューロランドのメンバーは
毛:何?
林:ラグビー向いてないやろ
毛:なんで分かんねん
林:見たら分かるやん
毛:やってみな分からんやろ
林:ラグビーを?
毛:サンリオピューロランドのメンバーでや
林:ほんならな
毛:何?
林:スクラムハーフは
毛:スクラムハーフ?
林:誰がやんねん
毛:「スクラムハーフ」って何?
林:ラグビーって
毛:はぁ
林:ボールの周りに人が集まるやん
毛:ようたむろしてはる
林:「たむろ」って言うな
毛:あれは何してんねん
林:そこからボールを取ってやなぁ
毛:ほう
林:ヒュッて投げる人おったやろ?
毛:おったおった
林:あれがスクラムハーフや
毛:キティちゃんやな
林:キティちゃん?
毛:あのポジションはキティちゃんや
林:なんで?
毛:絶えずボールに絡む人やろ?
林:そうですよ
毛:一番テレビに映るやん
林:そういうのはキティちゃんの仕事か
毛:サンリオの顔ですからね
林:ほんなら
毛:何?
林:ウィングは?
毛:え?
林:ウィングはどうする?
毛:つけたほうがええの?
林:何が?
毛:頭守るためなんかな?
林:頭?
毛:カツラのことやろ?
林:ウィッグやそれは!
毛:ウィッグちゃうの?
林:あんな薄っすらとしたカツラで頭守れるか
毛:ないよりましやろ
林:ウ・ィ・ン・グ!
毛:ウィング?
林:そう
毛:何をする人?
林:ざっくり言うと
毛:ざっくり言うと?
林:トライする人や
毛:何に?
林:え?
毛:何に挑戦すんの?
林:そのトライちゃうわ
毛:ウィッグにもトライしてみたらええと思うけどねぇ
林:何してんねん試合中に
毛:あっこれお前のか
林:俺にかぶせるな!
毛:トライって何?
林:トライも知らんの?
毛:知らん
林:こうやってボール抱えて
毛:はぁはぁ
林:ベンってやってたやろ
毛:ベンって何?
林:地面にベンって
毛:あ〜やってた
林:あれや
毛:そのあとなぜかみんなで大喜びしてはって
林:あれが得点やねん
毛:あんなんで点数入んの
林:あれで5点
毛:5点も!?
林:入んねん
毛:点数あげすぎちゃう?
林:そこに行くまでが大変なんやから
毛:あんなん僕でもできますけどね〜
林:ベンっだけやったらできるけど
毛:簡単ですよね〜
林:その前に走ってたやろ?
毛:結構本気で走ってたなぁ
林:「結構」ちゃうわ
毛:何が?
林:めちゃめちゃ本気で走ってんねん
毛:大変な仕事やないか
林:足速くないとあかんねん
毛:ほんならウィングは
林:ほう
毛:おさるのもんきち
林:あいつはやりおるな
毛:あいつは日頃から
林:日頃から?
毛:細長いラグビーボール持ち歩いてますからね
林:あれはバナナや!
毛:あとは?
林:問題は
毛:問題?
林:誰がスクラムを組むかやな
毛:スクラムって何?
林:みんなで肩組んで
毛:肩組んで
林:なんかやってるやつや
毛:あれこそ何してんねん
林:それは言うたらあかん
毛:あかんの?
林:お約束や
毛:いじったらあかんやつか
林:あれはあれで見ごたえあるんですけどね〜
毛:パワーある人がやるんやろ?
林:おる?
毛:何が?
林:ピューロランドに
毛:ピューロランドに?
林:パワーある人なんて
毛:いますよ
林:誰?
毛:ダニエルくん
林:誰やねん
毛:キティちゃんのツレ
林:「ツレ」って。ボーイフレンドやろ?
毛:結局ツレやん
林:あいつパワーあんの?
毛:知らんけど
林:知らんのかい
毛:イギリス人やし
林:猫ちゃうの?
毛:ロンドン出身ですけどねぇ
林:そうなん?
毛:そうなんですよ
林:ロンドンやったら
毛:何?
林:ラグビーやってた可能性ありますよ
毛:ロンドン出身でも
林:うん
毛:日本に3年以上住んだら日本代表にも入れるんやろ?
林:それは知ってんの⁉︎
毛:ほんで一度日本代表に入ったら
林:はいはい
毛:出身国の代表にはなれないらしいですね
林:そういうルールがあるんですよ
毛:よう日本代表に入ってくれたよね
林:外国人選手のみなさんやろ?
毛:ピューロランド代表辞退して
林:ピューロランド代表?
毛:日本代表選んでくれて
林:誰のこと言うてんの?
毛:キャプテンやってるやん
林:キャプテン?
毛:リーチ◯◯◯◯
林:リーチ◯◯◯◯や。もうええわ
あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】