ノヴェンバー・ステップス
武満徹さんが作曲したオーケストラに尺八と琵琶がでてくるノヴェンバー・ステップス
という曲を聴いた。音と沈黙が同じ重みで測られているような今まで聴いたことのない
ような前衛的な曲であった。高い緊張感をこちらの聴衆にここまで強いられる曲も珍し
いのではなかろうか。自然の竹藪にすーっと風が入ってくるような音や尺八のかすんだ音までもみごとに表現しているので腰を抜かしておどろいた。
油断していると次にどんな音が聴こえてくるかわからないワクワクドキドキ感がたっぷりと曲のなかに濃密で高純度で詰まっているのである。
ぼくはいま、ジャーナリストの立花隆さんの書いた『武満徹 音楽創造への旅』
を青い付箋をペタペタ貼り付けて読んでいる。
武満徹さんははおなじ作曲家の黛敏郎さんにピアノを買ってもらうまで、紙の自作の鍵盤使用していたり、勝手に見ず知らずの家に「ピアノを触らせてくれませんか」と言ってピアノを借りたりしていた苦労人というにはすさまじいエピソードをもった方である。
みなさんもぜひ、ノヴェンバー・ステップスを聴いていただけるとさいわいです。
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