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アレクサンダーテクニークで奏法を変える

長い楽器人生では、奏法を変えたいタイミングが大なり小なりやってきます。大きいものは数年〜数十年に1度ですが、小さなものは毎日のように。

新しい奏法に苦労なく移行できればいいのですが、そうもいかないのが人間です。

人間には安全を確保するために変化を嫌う機能(ホメオスタシス機能)が備わっているからです。変える気満々なのに身体は今にとどまりたい、そんな現象が付き纏います。だから奏法を変えるのは難しいのですが・・・でもこれもやり方次第です。

今日は奏法を変えるための基本の手順を紹介します。アレクサンダーテクニークでは定番のやり方です。

手順は3つ。

  1. 〇〇をする、と決める

  2. これまでの習慣を一時停止

  3. 新しい動きを選んで動く


例えば、思い通りの音を出したい、という時なら

  1. こういう音を出したい、と決める(例:頭の中に出したい音を鳴らす)

  2. いつもの「無意識で構えて音を出す動き」を一時停止

  3. 新しい動きを選択し、動く(例:構え方の手順や息の出し方を変える)


無意識でやっている動きを意識に上げ整理し、その動きをやめてみる、そして代わりに身体の作りに沿った新しい動きをやる、という手順です。(「2」の一時停止をしないでいきなり「3」をするやり方もあります。一時停止で身体が固まる方にはこのアプローチがよく使われます)

これらの手法はアレクサンダーテクニークの創始者、F.M.アレクサンダーさんが発見したものです。彼は実際にこの手法で、医者にも見放された舞台での発声不全を改善しました。

「無意識の動きを意識に上げる」
「その動きをする原因を探究する」
「身体の作りに沿った新しい動きを探究する」

こういうことをアレクサンダーテクニークのレッスンではお手伝いしています。

一人ではたどり着けないところに行くお手伝いをするのがアレクサンダー教師の役目かもしれません。一人でやるのに限界を感じたら、ぜひレッスンを受けてみてください。


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