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印刷のゲーム化とブランディング〜みんなゲーム化プロジェクト5〜

みんなゲームプロジェクトはゲーム制作の手法を応用して、会社のすべてを楽しくデザインするプロジェクトです。そしてこれまでは主に会社のしくみを工夫して、楽しいモノを生み出せる環境づくりをしてきました。

しかし私たちは印刷会社です。いよいよ「印刷のゲーム化」に取り組む時が来ました。今回のnoteでは、ようやくはじまった「印刷のゲーム化」を事業として成立させるためのブランディングについて書きたいと思います。

ブランディングのスタート地点に立つ

私たちはBtoBのオーダーメイドの印刷を主力としているので、今まで卸売が出来る商品を制作したり、ブランディングについて考えることは全くありませんでした。

しかし印刷自体の需要が年々減少するなか、新しいコンセプトの商品を開発し、事業としてブランド化することは急務となってるため、県が主催するブランディング講座で半年間学びながら、商品開発を進めていくことにしました。

このブランディング講座は、和雑貨で有名な中川政七商店が全国で行っているもので、会社に必要な売上を算出して、経営者が情熱を感じるモノやコトを起点に、ブランドコンセプトや商品コンセプトをブラッシュアップいくという内容でした。

しかし、なかなかプロトタイプの制作には入りません。そして毎月の課題をこなしてあるうちに半年が経ち、プロトタイプもカタチにならないまま最終成果発表となりました。

そこで他社の発表を聴いて、恥ずかしながらようやく気づいたのは、通常のブランディングは「製品やラインナップを新しい切り口で再構築してトータルデザインすること」で、「一からの新しいコンセプトの商品開発を行い、それをブランドとして展開していくこと」はブランディングではないということです。

ブランディングの3つの視点

こうして成果発表は失敗に終わり、しばらくして出会ったのがMinimalチョコレートの山下さんのnoteでした。

ブランド創りの「2階建て理論」というnoteは、まさにそのとき求めていた記事でした。

このブランド創りの「2階建て理論」から、ブランドのコミュニケーションに当たる、広報的で目立つ2階部分を活かすためには、1階部分のブランドの基礎となる商品の品質や裏付けをしっかり築き上げることが重要という大切な要素に気づかせていただけました。

そしてようやく分かったのは、「ブランディングの3つの視点」です。

一つ目は「企業」の視点。つまり会社として何をして、どのように社会の役に立つかという対外的な宣言です。これはこの後の2つのブランディングの背骨にあたる要素と言えます。この宣言に全ての整合性が求められます。

二つ目は「商品」の視点。つまり私たちが全ての力を注ぎ込んで創り続けられるモノやコトは何か?ということです。企業は大小あっても、メーカーならチームでモノづくりをします。そこでみんなが次々にプロトタイプを生み出し続けられるテーマを見つけることが、ブランディングの最も大切な入り口だと思います。

三つ目は「伝え方」の視点。これは上記二つをどのようにわかりやすく伝えるかという視点です。特に私はこれが苦手で、つい手抜きをした伝え方をしがちでした。しかし、今まで上記の二つにどんなに努力をしてきても、「伝え方」で失敗するとすべて水の泡になります。

それでも、三つ目の「伝え方」が最も大切なのだと勘違いしてはいけません。あくまでも「伝え方」は、「企業」として一本筋の通った、品質的にも情熱的にも他にはない「モノやコト」を、その過程も含めた独自のストーリーとして、出来るだけ多くの人に届けるための工夫のことです。

商品あってのブランディング。まずは強い火を起こさないと、遠くから見える煙にはなりません。

これからのこと〜印刷のゲーム化とブランディング〜

今回紆余曲折を経ながらブランディングについて学ばせていただいて、改めて「印刷のゲーム化」について考えたとき、目指すゴールに対していきなりチームとして挑むのは性急すぎると感じました。

会社として取り組んでいる、「みんなゲーム化プロジェクト」の最終ゴールは、「あそぶように学べる紙文具」を世界に広めることで、そのために「Beyond usability. +narrative! +gamify!」(Bung ブング)というコンセプトを掲げています。

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しかし、「ストーリー性とゲーム性があって、あそぶように学べてアウトプット出来るワークブック」を作ろう!と言っても、なかなかそのイメージをチームで共有することは困難です。

そこでまずは商品の視点で、構成要素を出来るところから一つずつカタチにしてみることにしました。

それは私たちがこれまで1年取り組んできたアナログゲーム制作の手法や、アナログゲームの楽しい部分を応用して、私たちがすぐ作れる印刷物にゲームの要素を加えてみるということです。

先日チームでアイデアミーティングをしてみましたが、シールで全体の達成度が分かるノートや、めくるだけで眠くなる単語帳など、すぐ実現できそうなアイデアが次々出てきました。

これからは定期的に印刷のゲーム化アイデアをカタチにしていき、そのアイデアから小さいジャンプを繰り返して、目指すゴールまで跳び続けていきたいと思っています。

そしてそのストーリーも含めた新たな「みんなゲーム化プロジェクト」を、これからも試行錯誤しながら発信しつづけていきます。

これが今考える私たちのブランディングであり、その積み上げが進むべき道だと考えています。

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藤井 聡📖発想力で紙モノづくり
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