永い眠りに落ちた不夜城
今日は仕事ついでに兵庫県朝来市の神子畑選鋼場跡に行ってみた。不夜城と言われた東洋一の選鋼場として最盛期には3000人が働いていたらしい。
斜面に残ったおびただしいコンクリート基礎の跡、平地にあるシックナーと言われる巨大なろ過装置。急な斜面の輸送を可能にしたインクライン。なかなかの異形だったけれど、とりわけ感動したわけでも無かった。
その奥に名物の大イチョウの木と神子畑小学校跡があった。橋のたもとにしっかりと生える大イチョウ、大イチョウの下で寄り添いあうお地蔵さん。かつて子供の声が響き渡っていたであろう小学校跡の体育館とジャングルジム。そこには生活の香りが残っていて、僕にかつての賑わいを感じさせてくれる何かがあった。はしゃぎまわる子供たちを想像すれば想像するほど、今の神子畑の静けさが僕をセンチメンタルにし、また秋の晴れの日に大イチョウに会いに行こうと心に誓った。
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