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N響定期公演「ブルックナー 交響曲 第7番」を聴いてきました
少し前の話となりますが「N響定期」を聴いてきました。
公演:第2008回 N響定期公演 Cプログラム
日時:2024年4月19日(金)19時半
場所:NHKホール
指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
演奏:NHK交響楽団
曲目:ブルックナー(1824-1896)作曲
交響曲第7番 ホ長調
(ブルックナー59才の作品)
ブルックナーは12才で父を亡くし、それからは修道院で寄宿舎生活しながら協会で音楽を学び、教師を経て音楽家となりますが、作曲した交響曲が演奏される機会は少なく、聴衆からも理解されずに、それでも作曲を続け、
この交響曲 第7番で「複雑な形式的要素」と「わかりやすい歌謡的要素」をバランス良く取り入れた曲調として大成功を収めます。
ようやく大成功を収めたブルックナーは60歳、遅咲きです。
というこの曲を84才のエッシェンバッハが指揮をします。エッシェンバッハは舞台袖からゆっくりとした足取りで登場し、ほぼ直立不動で無駄な動きのない落ち着いた所作の指揮でした。
N響の演奏を聴いてみて「複雑な」ことはともかく、「わかりやすく」繰り返される主題とか、ホール全体に響き渡るロングトーンの分厚い和音とか、とても心地よく、期待どおりのどこまでも真面目な、極めて品行方正なステージでした。
そんなブルックナーの交響曲 第7番にあやかり、ここからは「複雑」なことと「わかりやすい」ことをバランス良く続けてみます。
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まず「複雑」なことから、
「エントロピー」・・・「ふぅー」(ため息)
「エントロピー」とは熱力学とか統計力学とか情報理論などの分野で使われる状態量のことで「あいまいさ」「乱雑さ」「無秩序さ」とか、それこそ「複雑さ」を表す指標です。
この「エントロピー」を使って、気体や液体や個体が温度、圧力によってどのように変化するのか分子レベルで計算できるようにしたのがウィーン大学のボルツマン(1844-1906)という物理学者。
そして、ウィーン生まれウィーン育ちのボルツマンの趣味は音楽、ピアノを弾くのが得意でした。というのも、子供の頃にブルックナーにピアノを教わっていたからです。
ボルツマンは日本との繋がりもあります。長岡半太郎(1865-1950)という日本の物理学者が1893年から3年間ボルツマンの元で学び、長岡は原子は土星のような構造になっているということを予想しました。
その長岡半太郎は東京の湯島小学校出身で、同じ小学校に3学年下で通っていたのが横山大観(1868-1958)という日本画家です。
この絵は富士山の周りを鶴が飛ぶ「富士飛鶴」という日本画。
そして、日本画の巨匠といえば伊藤若冲 (1716-1800) 、
白い鶴も、黒の雄鶏も素晴らしい。
ブルックナー ⇒ ボルツマン ⇒ 長岡半太郎 ⇒ 横山大観 ⇒ 伊藤若冲 と繋げてみました。
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次に「わかりやすい」ことをひとつ、
ブルックナー 交響曲 第7番、第3楽章のトランペットによる冒頭主題を15秒ほど聴いていただいて、(ブルックナーに詳しい方にとっては有名なエピソードかもしれませんが、知らない方はぜひ)想像してみてください、どうしてこの主題となったのか・・・
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夜明けの、
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雄鶏の、
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鳴き声(コケコッコー!)でした。
読んでいただき、ありがとうございます。