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スロベニア紀行 Vol.20 ~いよいよ初めてのワールドカップレース~

レース当日の朝とその時の心境

明けて、レース当日。

僕が泊まっていたのはスタート地点の目の前なので慌てずに準備。

スタートは9時なのでそれに合わせて朝食や散歩、ウォームアップを。

スタート地点の標高は600m。
朝晩や日陰だと結構寒い。

日本に観光に来る欧米の人を見ていると冬でも半袖なのを見かけるけど、彼らは寒さに強い。別にそれを悲観するとかそういうことでなく、それぞれみんな得て不得手があると思っている。

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スタート前のアップにて。妻が撮ってくれた写真がいくつかあったけど、どれも顔が固い。そして、僕だけ寒そう。

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整列前に1枚。
でもやはり顔が固い。今見返して苦笑してしまう。
そういうのひっくるめて懐かしい。

未知の世界に飛び込むって、
手が震えたり、
お腹が痛くなったり、
心臓が飛び出しそうになったり、
逃げ出したくなるけど、
でもそれと同時にワクワクしている。

その緊張とワクワクがシーソーのように
交互に訪れてきて、
最終的にレースの時間で逃げ出せなくなったときに
よし、やるぞ!
ってなる、その一連の流れが実はすごく楽しい。

僕の場合は、どちらかと言うと、レース前に盛り上がっている時よりも不安でどうしようどうしようってなりながら過ごした方が、レース当日の成績は良い傾向にある。あとは旅にトラブルがたくさん続いて余計なことを考えることができない時。

やるっきゃない!!

って、心境になるとここ1番の力が出せていたように思う。

スタート

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9時ちょうど、山小屋の前に建てられたスタートゲートからスタート。

参加者は250名ほど。

こう言うときに困るのがスタート前の説明や合図。

このレースもそうだったのだけど、諸注意もカウントダウンもスロベニア語。

なんとなく見当はつくけど、
やはり自分だけ何か聞き逃していたらどうしよう。
昨日の説明にないことが言われていたらどうしよう。
なんて思っているのだけど、その事も周りに伝える事ができないので
周りに合わせて走るのみ。

レースは山小屋を起点にほぼ登りっぱなしで9.6kmで約2000m登った先にある山頂でフィニッシュ。通常の登山なら、山頂までの往復で12時間が目安だそう。

でもまぁ、当時はそんなこと知らないので、僕は山頂を目指し、妻はスタートを見届けたあと、他の選手の家族らと一緒に行けるところまで登ることに。

レースはもう、ともかく自分のついていけそうな集団について行く。

そしてチャンスがあれば、前へ前へ少しでも。

僕は誰かにくっついて走るのが苦手なので、誰かにつかれてペースメーカになったとしても自分の行けるペースで行く。結果として誰かについて行くことになる場合もあるのだけど。

前日、コースを下見したのは約3km、そこから先はざっくりしかわからない。
事前に見たコースの高低図によれば、山の肩(Mountain Hut,山小屋がある標高1793m)まで急勾配が続くこと。
そこから先はGrintovec山頂へのルートに取り付くためにやや傾斜の緩いエリアを回り込むこと。
そして、最後に大きな登りが待っていること。

途中の給水は確か6カ所。
距離に対して多いと思うかもしれないけど、マウンテンランニングは手ぶらで走るので(急な登りだけどポールの類は禁止)、これだけあっても多いと感じることはなかった。

何より、日差しがきつい。最初の林道を超えたあたり下から勾配がキツくなること、日なたに出たこともあり滝のような汗をかいた。

一方で気温は徐々に下がる。2000m登ると言うことは約12度下がる。
中盤までは日差しがキツかったが、山の方に出てからは風が強くなって一気に体感気温が下がる。レースに集中しているものの終盤は悴むほどの寒さであった。

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山の肩手前、日差しギラギラ。急勾配を登っている。

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フィニッシュ寸前。ガレ場を登る。

結果は1時間44分で28位。

初めてのワールドカップレースをどうにかフィニッシュしたのでした。

さて、このあとは下山!

自力でスタートまで帰るのです。

続く。

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◎スロベニアをもっと知りたい方にオススメ。
FUJIOPROJECTwebsiteにあるスロベニア関連情報「スロベニア紀行
在スロベニア日本大使館発行「スロベニアマンスリー
スロベニア紀行2012年 まとめその1(マガジン)

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宮地藤雄(みやちふじお)
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