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頭痛キャラメル 第二十八話【みかん狩りの恋 🍊前編】
僕には忘れられない恋の話がある。
なぜ、忘れられないのかと言うと、僕はその女の子の名前を知らないからだ。
僕が小学6年生だった年の季節は秋、家族で母方の実家に、みかん狩りに行ったときのこと。母方の実家には、みかんを栽培している山があり、主に、ミカンジュース用に加工する品種のみかんを栽培していた。
毎年、秋になると知り合いを誘い、みかん狩りを楽しむのが恒例となった。多くて30人位の人を招待して、みかん狩りをしていたが、その日は、僕の家族と父方のおばあちゃん、そして、父方のおばあちゃんのご近所さんの、家の娘さん(小学生)のみだった。
毎年収穫するみかんは、みかんジュースの加工用に出荷し、その一部をみかん狩りをしに来てくれたお客さんに無料で配っていた。
みかん狩りを楽しめて、しかも、無料でみかんを持って帰ることができて、毎年、多くの知り合いが集まる恒例行事になった。
その日は、どんより曇り空。秋の季節にしては、とても寒く、みかん狩りの時間も早めに切り上げた。
みかん狩りしたみかんの一部をお持ち帰り用にまとめ、母方のおばあちゃんの家に戻った。
その時、僕は気がついた。
父方のおばあちゃんが連れてきていた女の子のことを。
みかん狩りをしているときは、全く意識していなかったが、母方のおばあちゃんの家に戻った時に、その瞬間に、
僕は、恋をした
>後編に続く