昔はみんな子供だった

この頃は、良くも悪くも「子育て」に注目が集まってるなと感じる。

SNSが広まって、子育て中の方の声が表に出てきやすくなったことが大きいのではないかと、個人的には思っている。

子育て中同士で情報交換もしやすくなったし、誰に向けるでもない鬱々とした悩みなども吐き出しやすくなって、ずいぶんと風通しが良くなったような気がしている。

でも風通しが良くなった分、直接的に子育てに関わりのない層にまで情報が届くようになって、それが何やらいざこざや衝突を生んだりと、ちょっとした居心地の悪さのようなものも同時に生まれているような気もする。

『子育て』とは不思議なもので、子育てに特別に関わっていない人の心もざわつかせる何かを持っているようだ。
実態はよくわからないけれど自分も何か発言したい、そう人を駆り立てる何かがあるのかもしれない。

それはなぜなんだろう。

色々思い当たりそうなことはあるけれど、どれもこれも「ではなぜ子育てがターゲットなのか?」という明確な答えにはなりそうになくて困っている。

攻撃しやすそうな弱者など子供や子育て家庭以外にもたくさんあるし、社会で守ろうとしているのは子供や子育て家庭だけではない。
公共の場で他の方に迷惑をかける可能性があるのも、子供や子育て家庭だけではない。

じゃあどうして、子供や子育て家庭がこんなに攻撃されやすいのだろうか?

よくわからないけれど、頭をしぼって一つ思い当たったのは、みんな自分に「子供だった時代」があるからなのかもしれないなって。

そういえば自分の子供時代の事を思い出してみても、そんなに楽しいことばかりじゃなかった。

抑圧を感じたり、思い通りにいかないことも多かったし、我慢や嫌な思い出や怖いこともたくさんあったよ。

母親に対しても、思うところはたくさんあった。
それをトラウマのように長く引きづった。

今は私も少しは大人になったので「お母さんが!お母さんのせいで!」という恨み辛みはかなり成仏したけれど、それができていない人も多いのではないかって思ったんだよ。

自分の子供時代の想いと、今の子育て家庭への想いが色々交錯して複雑な感情になっちゃって、そんな想いから口を出したくなっちゃうのかな。なんてことをちょっと思った。

本当のところなんて、そりゃ個々の事情があるでしょうから、なぜ子育てに直接関係ない人が「子育て」をめぐって熱くなってしまうことがあるのかなんて私にはわからない。

だけど、みんな昔は子供だった。
それが何か関係してそうな気もしなくはない。

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藤村みどり
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