BizHint記事「「5年後、潰れますよ」と諭され目が覚めた。“掃除”を徹底したらV字回復した町工場の話」(2023年12月18日(月)掲載)という記事を目にしました。大阪にある枚岡合金工具株式会社を取り上げた内容です。社内の反対勢力が半数以上の中で、リーダーとして改革を牽引した古芝保治会長の取り組みを紹介しています。
同記事の一部を抜粋してみます。
先日「環境整備について事例から考える」で、京都にある傳來工房(でんらいこうぼう)様の環境整備の取り組みについて取り上げました。同社様での取り組みについて、メンバー一人ひとりの人材力を高めることも目指したものになっていると紹介しました。今回の記事の枚岡合金工具様の事例にも、人材力向上のテーマで共通するものを感じます。
また、傳來工房様の事例では、環境整備の取り組みが充実し、成果につながっている要因と考えられることについて、次の点を挙げました。採用についての状況は記事からはくみ取れませんでしたが、他の点はほぼ同様に当てはまると言えそうです。
・大きな目的を掲げ、メンバー全員で共有している
・毎朝全メンバーで環境整備を行うルールがある
・強いリーダーシップ
・採用
・見学者の受け入れ
・フィードバックを謙虚に受けとめる
特に、組織活動で「大きな目的を掲げ、メンバー全員で共有」することの重要性を改めて感じます。枚岡合金工具様においても、「3S活動自体」を目的としていたのでは限界があり、「全従業員の“物心両面”の幸せの追求」を目的としたことで活動が継続的なものとなり、今に至っていると言えそうです。
そして、それをリーダーの強いリーダーシップで牽引し続けることです。リーダーのぶれない信念と率先垂範した行動がなければ、やはり変革は無理だということです。
上記の6つの要因以外にも、今回のBizHint記事の内容を手がかりに、同社様の取り組みが成功し成果を上げることにつながったポイントを考えることができそうです。
・外の世界を知る。先行事例を学ぶ
再びBizHint記事より一部抜粋してみます。
私たちは、自分が直接見聞きした情報をもとにして、思考し判断しようとします。閉じられた環境の中の情報にしか触れていなければ、その閉じた情報がすべてとなって、自分の中で固定観念化していきます。「工場が汚いのは当たり前、それが製造業」がその表れだと言えます。
しかし、外の情報を知れば、その当たり前が当たり前でなくなります。本やその他のメディアから情報を得れば価値観の世界は広がりますし、もっとよいのはやはり直接、現地現物でモデルとなる人や現場を見聞きすることです。同社様も、先行事例を見る機会がなければ、記事で紹介されているような過程はたどらなかったのかもしれません。外の情報に触れることは、やはり大切だと思います。
続きは、次回以降に取り上げてみます。
<まとめ>
自分が普段身を置くところを離れて、外の世界を見てみる。