10月17日の日経新聞で、「変わる労組(上)さらば「正社員クラブ」 パートや外国人も組合員に」というタイトルの記事が掲載されました。「正社員クラブ」とやゆされてきた労働組合が変わろうとしているとして、その動きを紹介した内容です。
同記事の一部を抜粋してみます。
イオングループ労働組合で、組合員数が20年で6.5倍というのは驚きです。世間的には労働組合は下火の印象で、同記事中の厚生労働省によるデータでも、組合員数は減っているとあります。
そのような中でも、すべての労働組合が地盤沈下しているわけでもないというわけです。UAゼンセンも有力と言われる労働組合の一角ですが、組合員が増加しています。同記事の例からは、誰を組合員の対象と考えるか、メンバーの定義を拡大していることが見てとれます。
以前は、正社員以外の従業員が組合員となるニーズは高くなく、運営側も従業員の側も組合に加入するという意識や発想があまりなかったのではないかと想像します。それが今では、雇用形態や働き方も多様化する中で、組合員として取り込む必要性が高まったということなのでしょう。
10月18日の日経新聞記事「変わる労組(中) 交渉・要求力弱まる執行部 賃上げ、旗振り役は企業・政府に」からも一部抜粋してみます。
高度経済成長下などでは、単に賃上げ要求を叫ぶだけでもよかったのかもしれません。しかしながら、同記事によると今では、組合側としてもどんな努力をするのかを問われているということを示唆しています。
以前の投稿で、労働組合をテーマに取り上げたことがあります。その際、労働組合という組織の目的を更新することの大切さについて考えました。かつての組合は、賃金合意を主軸とした雇用条件の維持改善を主目的としていました。今は、人材開発やキャリア開発、働きがいを生みやすい職場環境づくりといった、新たな目的・存在意義を見出し始めている組合もあるという内容でした。
・だれが対象なのかを再定義する
・組織の目的・役割を再定義する
この2点は、労働組合に限らず、すべての組織に当てはまるはずです。
環境変化も踏まえながら、この2点を実現していくことが、組織が継続して社会的な意義・貢献を発揮できることにつながると、改めて認識した次第です。
そして、マーケティングにおいて、自社と顧客の関係を問いかける場面でも当てはまることだと思います。
<まとめ>
だれのために、どんなことで貢献するのか、定義を更新する。