社外での週次振り返り会
今月から、毎週水曜日早朝に行われている、一週間の振り返り会に参加しています。約1時間で、仕事や仕事外、個人的なことも含めて一週間の活動内容を各人が振り返り、相互にフォードバックを与えあうものです。同振り返り会は、私が参加している「知心会」の希望者で行われている取り組みです。
振り返り会の趣旨を一言で表すとすれば、「学びのPDCAを回すための仕掛け」ということに尽きるのではないかと考えます(振り返り会による公式なアナウンス内容ではなく、私による個人的な形容です)。
「知心会」では、ありのままの己の心を観ながら仲間と共に研鑽する機会の一環として、定例講が月1回行われます。定例講では、様々なテーマに沿った講話を聞きながら自分自身を見つめなおすことで、いろいろな気づきがあるのですが、往々にして「その時は気づいていたけど、時間がたっていつの間にか忘れてしまった」ということになる可能性もあります。
このことは、研修などのOff-JTのすべてに当てはまります。
例えば、研修受講直後のアンケートでは「とても参考になった」にマークをつけ、その時は高揚感で学んだ気になっているのですが、受講後の行動が何も変わらないまま時間がたって研修内容を忘れてしまう、という構図です。
どんなに優れた学びをしても、行動が変わらない限り成果は変わりません。この状態では、真の意味で学びを活かしているとは言えないと思います。
かといって、「研修や勉強にたいした意味はない」と片づけるのも、暴論だと思います。成果をあげる経営者は、例外なく勉強熱心であることが言われています。そもそも、研修や勉強が無意味だとするなら、学校教育がなくてもいいことになりますが、そのような発想はありえないはずです(教育方法に改善の余地はあるかもしれませんが)。
問題の本質は、学びの活かし方を把握していない、学びと行動を関連付けられていないということであり、それを改善できるかどうかが論点だと思います。
さて、冒頭の振り返り会のような場は、メンバー同士が励まし合う(あるいはけん制し合う)ことにより、「ぜひ良い報告をしたい」「何もやっていないと報告するわけにはいかない」と、行動変容を促すことにつながるのが最大の効用だと思います。学んだことをもとに行動を変え、成果を変えていくPDCAが独力で回せる人は、そうした場を借りずとも独力で取り組むことでも十分かもしれません。
そのうえで、冒頭の振り返り会では、(たとえ独力で成果を変えることができる人であっても)参加する意義が大きく2点あるのではないかと考えます。
・他者からのフィードバックを通して、自分には見えていない自分に気づく
自分の行動や、行動がもたらした周囲への影響について、自分で全部見えている人はいません。学んだことを生かすための行動目標に取り組み、良い成果を得たときに、どんな取り組み方がよかったのか。逆に行動目標を達成できなかったときに、どうすれば達成できたと考えるのか。こういったことに関して、他者からのフィードバックの中には、自分で振り返って考えつくこと以外の内容が含まれているものです。
また、学んだことをもとに何かの行動を変えるためのPDCAを、自分なりに実践しているつもりでも、他者からのフィードバックによって、そもそもの学びの内容にもっと広がりが出てくるものです。学びの内容に別の角度の視点から新たな気づきを得ることで、行動目標が追加されたりもします。
こうした自分ひとりではたどり着かない気づきを得ることが、意義のひとつだと思います。そのうえで、このことは職場で行う上長との面談や同僚とのPDCAの場などでも当てはまる機能です。冒頭の形態の振り返り会ならではの意義は、次の2つ目の点が特に当てはまるのではないかと思います。
・仕事や職場、生活上のことまで、安心して何でも話題にできる
このことは、職場外で同じ目的を共有している仲間との安全な場であるからこそ、可能になります。職場内で行う、業務に直結したPDCAの取り組みはもちろん必要ですが、相手が直接の利害関係者である以上、話題にできることも限界があるかもしれません。
また、人は一人ひとり異なるとはいえ、同業者・同じ組織内のメンバーは思考や視点が似ている一面もあります。業界や組織を超えた人とのコミュニケーションだからこそ、普段触れることの少ない思考や視点に出合うことも増えます。
以上のような効用を、振り返り会に参加して感じた次第です。
社外での週次振り返り会。実践してみる価値は大いにあると思います。
<まとめ>
社外での週次振り返り会は、多面的に自分を見つめなおす機会になる。