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「運気を上げる」を考える(3)

先日の投稿では、「運気を上げる」をテーマに考えました。「運気を上げる」ことにつながる要素として大きく2つ「気をきれいにする」と「気を強くする」がある。「気をきれいにする」につながる要素のひとつに「恕す(ゆるす)」を挙げることができる、というお話を聞いた、ということをとりあげました。

「恕す(ゆるす)」について、先日の投稿では次のように考えました。

恕す(ゆるす)

他者に対し、「許す」や「赦す」ではなく、「恕す」姿勢で向き合う。

許す:不都合なことがないとして、そうすることを認める
赦す:とがめずにそのまま見逃す
恕す:思いやりの心で罪や過ちをゆるす

「相手をゆるせない」という怒りの感情は、よどみにつながり、相手に対する気持ちが止まる。相手に対する気持ちが止まってしまうと、頭と心がそこにとらわれて、思考が止まる。すべてをゆるして水に流していれば、思考が流れる、気が流れる。

先日、ある勉強会にて参加者間で話をしているときに、「恕す」に話題が及びました。そして、「恕す」が運気を上げることにつながるというのはその通りだと思う、さらには次のような別の切り口でのとらえ方もできるのではないかという話があがりました。

・「恕す」という心構えが、関わる相手に対して安心感をもたらす
・相手が本人に対して「自分のことを受け入れてくれる」という印象をもつことで、何かを持ちかけたり相談したりしやすくなる
・その結果、いろいろな話や良縁が集まるようになり、運気が上がっていく

以前、ある大企業グループで人事の責任者として活躍し、運動部の監督などでも実績を上げてきた方にお聞きした話があります。自社の管理職には、「上司の礼儀作法の基礎」を求めているというお話でした。その礼儀作法とは、シンプルに次の2つです。(他者の言葉も参考にしたとのお話でしたので、著名人の名言かもしれませんが)

・いつも機嫌よくしている
・部下が来た時にすぐ部下の方を向く

機嫌が悪いと誰も寄ってこない。上司たる者は(上司でなくても同じだと思いますが、上司と呼ばれる地位の者は特に)、どんなに機嫌が悪かったとしても、嘘でもよいから、周囲に対して機嫌のよいふりをすること。それが義務だというわけです。

また、自分より部下のために時間を使うのを優先する用意があることを示すのも、上司の義務だとも話していました。よって、PCで作業中に部下が近づいてきたときに、「ちょっと今忙しい・・」という言動、表情はNGというわけです。そのようにすると、次は来なくなる。

そして、その方が、多国籍にまたがる大企業グループで遭遇してきた、ヒト・組織のあらゆる問題や課題を通して学んだこととして、

・マネジメントスタイルが変わればほとんどのことが解決できる
・それは上記2つの礼儀作法を浸透させることから始まる

という信念を持っているとのことでした。だから、まずこの2つをやってもらいたいと。

どんなに立て込んでいても、機嫌よくしていて、相手のために時間を使おうとする。この2つの礼儀作法は、特殊な能力を要するものではなく、言うは簡単です。しかし、実行はとても難しいことだと思います。上記で取り上げた「恕す」に通じるものを感じます。私自身もどれだけできているか、たいへん疑問です。

また、これまで見てきたいろいろな会社で、経営者や主だった管理職間でこの2つの作法が常にできていそうな会社があるかというと、ほとんど存在しないように思います。例外的に当てはまりそうな数少ない企業は、好業績・高付加価値企業として社外からも評価の高い企業ばかりです。「恕す」という心構えで運気を上げていると言えるのではないか。そのように感じた次第です。

どなたに教えて頂いた気付きだったのか忘れたのですが、英語のResponsibility(責任)という言葉は、Response(反応)+Ability(能力)でできています。

つまりは、自分が身を置く環境で起こった出来事に対して、どのように反応できるか。周囲や相手に対する影響も踏まえながら適切に反応できる能力を身につけ発揮することが、責任を果たすことにつながる、というわけです。

起こったことに対して適切に反応できる能力。
身につけ発揮していきたいと思う次第です。

<まとめ>
責任=反応+能力

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