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サドベリースクールには「授業」はありません。それで大丈夫なのでしょうか?
サドベリースクールには学校や大人が用意した「授業」はありません。
なぜなら、本人の興味や関心に基づかない教えは身につかないと考えているからです。
この考えはサドベリースクールが生まれことになったエピソードに起因しています。
サドベリースクールの本家本元である米国の「サドベリーバレー・スクール」は元大学教員のダニエル・グリーンバーグ氏らによって設立されました。
ダニエル氏は大学で教鞭をとっていた時、学生たちの自ら学ぼうとしない姿勢に呆れると同時に、なぜ学ぼうとしないのか?について深く考えました。
そして、「人は本来、自分の興味や関心のないことには学ぶ意欲がわかないものだ」という結論に達しました。
「逆に、興味や関心のあることについては、放っておいても自分から学ぶ。しかも深く、広く学ぶ」ということにも確信を持つようになりました。
読者の皆さんもそのような経験はおありではないでしょうか?
昆虫の好きな子は昆虫の名前をすごいスピードでどんどん覚えたり、スポーツ好きな子は複雑なルールでも難なく覚えたり。
ダニエル氏らのすごいところは、「じゃぁ授業を無くして、子どもたち自身がやりたいことを自由にやらせて、そこから始まる学びを”学び”として捉えればよいではないか」と考え、実践したところです。
一見無茶な教育方法なように思えますが、米国のサドベリーバレー・スクールは1970年の設立から50年以上経った今も存続しています。
そして卒業生の80%以上が自分の人生に満足していると答えています。
これは「授業」がなくても子ども達は十分に学び、まっとうな社会人として生活を送ることができるということの証左になっていると言えるでしょう。
もちろん、一人一人学ぶ内容やスピードが異なるため、「授業」のように一斉にキレイに習得していくことにはなりませんが、本来学びとは子ども自身のためにあるものなので、全ての生徒の習熟度がキレイに揃って進むかどうかは二の次で良いことだと思います。
そして、サドベリースクールでは、やりたいことは何でもできるわけですが、その中には勉強も含まれます。
実際に、大学入学をこころざし、その日から猛勉強を始め、教科を教えてくれる人を探して「授業」を受け始めた子もいます。
その授業は、その子の希望する内容や進度、教え方で構成されるため、非常に効率的かつ効果的に学ぶことができ、通常の授業よりも短い時間で習得することができたと言います。
このように、サドベリースクールでは一般的な「授業」はありませんが、無いがゆえに、必要に応じて、本人が最も良く学べる形式の「授業」を受けることができます。
なので、「授業がない」ということは「授業を受けられない」ということではなく、「自分にとって最良な授業を受けることができる」ということであり、教科についてもしっかり学べる学校なのです。