世の中の褒めを底上げしたい! 『褒めち喜利』を開催するまで
私が所属しているWeb制作会社ZIZOでは、全員参加の定例会をフェス風にアレンジして楽しんでいます。
その名も『ZIZOフェス』。
ZIZOフェスとは何ぞや?というところは広報の方が丁寧にまとめてくれている記事があるので今回は省略。https://note.mu/maichinzizo/n/na5c26151b823
ZIZOフェスを行う上で軸としているのは『コミュニケーションの活性化』!
フェスっぽくお祭り騒ぎにすることで、社員同士により良い会話が生まれることを目的としています。
今回は、私発端で社員の皆さんを巻き込みつつ、アクトを開催したので、
それについて書いてみようと思います!
その名も……『褒めち喜利』!
『褒めち喜利』とは
褒められることは、仕事のやりがいやモチベーションに直結します。
だけど過剰に自己アピールすることを美徳としない日本人は、
いざ褒めるとなると褒めポイントを見つけることも苦手なのではないのでしょうか?
そこで、褒めるトレーニングとして、9つのお題に沿ってZIZOで働く人のいいところを答えてみるコンテンツを大喜利形式で開催しました!
コンセプトメッセージはこちら。
やりたいことをしっかりとお話したら、コピーライターのはやいしさんが素敵に仕上げてくださいました!
『いいね!も悪くありません。でも、ボタンを押すその親指を今日はグッと上げ、世の中の褒めを底上げしましょう。』
というメッセージがまさに!そう!そういうことなの!と上がってきたとき感動しました。コピーの力ってすごい。
ビジュアルはデザイナーのたじーさんが忙しいなか素敵にデザインしてくださいました!
なんでこのアクトをしようと思ったのか?
ZIZOに新卒入社して4年半。最近ちょっとした気持ちが芽生えていて。
『心のモチベーションが上がる』『お客さんの役に立てたと思う仕事』をやりたい!と考えていたんです。
というのも、一つお気に入りの案件があります。
その案件は卸販売で、家族で経営されている小さな会社のコーポレートサイト制作でした。
新卒入社して一年くらい経った頃に、その案件のデザインから実装までまるっと一人で担当することになりました。
お客さんの元にディレクターと同行して、お店を大切にしている気持ち、訪問しているお客さんがこの場所を大切にしていること。何よりWebサイトを楽しみにしてくれている旨を伺いました。
「必ず良いWebサイトにしますので」。口をついてそう言ったのを覚えています。一瞬、大きく言ってしまった、と内心反省したのですが、(いや、この発言を嘘にしないように頑張ろう)と身が引き締まるような思いで制作しました。
お客さんの元に行ったことで、モチベーションが上がり、色々工夫しました。
ディレクターがあげてくれたワイヤーの一部分の構成を迷っていたようなので、相談しあって、一緒に考えたり。
デザイナーの上司に何度もデザインを見てアドバイスを頂いたり。
撮影を控えていたので、それまでにデザインテイストを決めて、「こういうアングルでこういう写真が欲しい」と仮素材を作り、自分からお願いして撮影に同行させて頂きました。
モチベーションが上がっていたことで、前のめりの姿勢になりました。
自分の制作フェーズだけでなく、制作のほぼすべての工程を近くで見れました。
それに何より、納品後にも嬉しいことがありました。
お客さんが、私が作ったメインビジュアルをショッピングサイトに使用してくれたり、店舗の看板にロゴを使ってくれたりなど発展させてくれたんです。二次利用がどうこうとかは一旦おいておいて、単純にすごい嬉しかった。そのお客さんの行動が褒められたような気になりました。
モチベーションを上がった状態で作った自分のクリエイティブで、お客さんの役に立てた自信を持てました。
私はZIZOで色んなサイト制作に関わりました。
学生の頃は『大規模アクセスのある有名なサイト』をやればやりがいがあるのかなとかふわっと考えていました。
実際大規模アクセスのサイトも何度かやらせていただきました。もちろんそれはそれでやりがいはありました。
ですが「嬉しかった!」「ワクワクした!」と一番に思い浮かぶのは、上の案件のような『モチベーションが上がった状態で制作できて、その結果お客さんの役に立てたと思う仕事』だったんです。
有名なサイトだとか、サイトのアクセス数だとかはあんまり関係ないんだ、と気付くまで随分と時間がかかりました……。
それから心のモチベーションが上がっている状態が、ワクワクしているのではないか、と考えるように思いました。
なので、『お客さんの役に立てたと思う=モチベが上がるような案件』を、是非またやりたいな、と考えていました。
そのために具体的にどう動いていくか、考えていたときに、他の制作の皆さんはどういったところにワクワクするなんだろう?とも思うようになりました。
解析や調査に詳しいストラテジー系のディレクターなら、数字が良いとワクワクするのかな?
デザイナーなら、チャレンジしたことのないテイストに挑戦するときワクワクするのかな?
具体的に聞いてみたいな〜と考えていたある日、ZIZOで『ビジョンとミッション、バリューについて考える会』が開催されました。
事前ワークとしてワクワクしたことをピックアップしておくよう事前にメッセージがありました。
過去の仕事とか会社(ZIZO以外でもOK)で、ワクワクしたこと、これをしてるときが一番ワクワクするという仕事をピックアップする
(ワクワク=嬉しくなった、没頭・集中した、テンションがあがった、やる気になる、などポジティブな反応全般)
そのとき、なぜワクワクしたのかを考えておく。いくつかピックアップしたとしたらそれらの「なぜ」に共通点があったのか。
「ありがとう◯◯さん」みたいな、いいエピソードよりも「本気でワクワクした!」「ワクワクさせたった」「これやってる時はワクワクしてる」な感じでいきたいです
ランダムに分けたチームで話し合って、原因を探り合って、「みんなにとってのワクワク」について考えてみたいです。
5人ほどにグループに分かれてディスカッションを行いました。
そこであがった「皆のワクワクしたこと」をまとめてみました。
当てはまるものもあったり、自分にはない感覚でワクワクしていたり……。
眺めているだけでも面白い意見がたくさんあがりました。
もっと細かいエピソードを本人たちの口から聞きたい!
ということで、ZIZOフェスのアクトとして「皆のワクワクした案件、よかった出来事を聞く会をやりたい」と今回開催することになりました。
『褒めち喜利』をパッケージ化するまで
決めたはいいものの、具体的にどうしたら「皆のワクワクした案件、よかった出来事を聞く会」になるか考えていました。
会を開くにはブレない軸みたいなものはしっかり持っておかないといけないのかな、と思って、この会に参加することによって、どういう気持ちになれるようにしたいか、目標を設定することにしました。
そこで参考にしたのが、ダーウィニズム心理学による感情の一覧表です。
これによると、希望は『肯定的な予測』で発生すると定義しています。
その希望を達成したと感じられる感情が『喜び』であるとしています。
希望とは時として目標になりえるのではないかと考えました。
ならば目標とは何なのか。
会社に入社するとき、今の業種を選んだとき、抱いたイメージがあるはずです。
・ワクワクする仕事をやってみたい
・誇らしい仕事をやってみたい
・人や世の中の役に立ちたい
・いいものを作りたい
目指していたイメージに今の自分が近付けているか?
自己主張を美徳としない謙遜しがちな日本人が、その目標を達成した喜びを自己アピールすることができるのか?
ダーウィニズム心理学による感情の一覧表によると、『感謝』も希望(目標)を達成するとあります。
つまり喜びの感情を手っ取り早く実感できるのは、他者を経由した希望達成である『感謝』。
なので、『感謝』する感情を大切にしようと軸にすることにしました。
(褒める、と感謝、は時として対等ではない関係に発生することですが、今回はがっつり心理学に基づいてやりたいわけではないので、省略)
『感謝』する感情を大切にしようと軸においたのはいいものの……改めて感謝する状況となるとなんだか照れくさいですよね。一歩間違えれば照れくさい会になるかもしれません。
過剰な賞賛は時として謙遜を生み出すことになりますし、それは避けたい。
何か面白く、参加しやすい雰囲気をつくりたい。
そのもんもんとしたアイデアの種をZIZOフェス実行委員の方々に話したところ、「面白そう!」と具体的にパッケージ化するアイデア出しに参加してくださいました。
照れくさい会にならないか……恥ずかしがり屋の日本人でもちゃんとエピソードを引き出せるか……。
何時間もミーティングを重ね、リハーサルも行って、出来上がったのが『褒めち喜利』です。
当日の様子
いよいよやってきた当日!
着物姿の二人は、司会進行と、褒め殺されすぎて死にそうになったことがあるエンジニアです。着物を着たほうが笑点風で面白いんじゃないか、と用意してもらいました。
ジュースや、ハッピーターンなどお菓子をつまみながらラフな雰囲気を演出しました。
始まる前に、以下のことを説明しました。
●おもしろいことじゃなくてOKです!
「褒め」がテーマなのでお笑い要素は無くても大丈夫です。
●メンバーのことを褒めてください!
ブレーンさんやクライアントではなく、今回は社員がターゲット。
褒める対象は、ここに参加している人でもそうでない人でもOKです。
●アフタートーク歓迎!
誰かが褒めた後にどんどん話を被せてもらってOKです。
●何ももらえません!
褒めた人にも褒められた人にも特典はありません。
が、MVH(Most Valuable 褒めた人)は決めようと思います。
選ばれた方には「Slackのコメントに一週間スタンプを押しまくってもらえる権」と拍手を贈ります。
9つのお題を出題し、思い浮かんだものを解答ボードにキーワードを書きます。お題形式にすることで思いつきやすくします。
書けた人は手をあげて発表します。
発表すると、いい感じの音楽がすかさず10秒ほど流れて、褒め殺されすぎて死にそうになったことがあるエンジニアからお言葉をもらえます。こだわり抜いて30曲ほど用意された音楽のチョイスに毎回小笑いが起きます。笑
真面目な内容を話しても最後は笑いが起こるような仕組みにしています。
明確なリアクションと、締めのためにお言葉をもらえるようにしました。
一人が発表すると「こんな感じに発表すればいいのか!」と次々と手があがりました!
あがったボードの一部はこちら。
たくさん解答があがりました!
他にも、見るだけ!と言っていた総務の方も、「これだけは言いたい!」と、社長の仲島さんが絶対に怒らないエピソードを、総務ならではの視点から語ってくれました。
最後にMVH(Most Valuable 褒めた人)を決めたのですが…。
●何ももらえません!
褒めた人にも褒められた人にも特典はありません。
が、MVH(Most Valuable 褒めた人)は決めようと思います。
選ばれた方には「Slackのコメントに来週一週間スタンプを押しまくってもらえる権」と拍手を贈ります。
「Slackのコメントに一週間スタンプを押しまくってもらえる権」が予想以上の盛り上がりを見せてしまいました。
お祭り騒ぎには全力な社風です…!
やってみて
自分の中でブレない軸は持っておくことの大切さや、自分のアイデアが他の人の協力で形になっていく過程がとても楽しかったです。
今回であがったエピソードはクライアントワークに基づいたものがほとんどだったので、具体的に書き起こすことはできませんが
日々仕事をしている中で限られた中だけ知っているちょっと良い話を聞けたり、私自身が聞きたかった皆のワクワクした案件、よかった出来事を聞くこともできました。
しっかりとパッケージ化することができたので、また機会があれば開催したいと思います!