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口の中って過酷?
口の中には,舌をやけどしそうなくらい熱い食べ物が入ってきたり,歯が痛くなるほど冷たい食べ物が入ってきたりします。すっぱい食べ物や,からい食べ物,硬い食べ物,粘着性のある食べ物なども入ってきます。
口の中って,想像以上に過酷な環境です。
このような中で,口の中の粘膜や舌,歯などは,悲鳴を上げながら,がんばってくれているのかもしれません。もう少し優しくいたわってあげた方がよいような気もします。
少し考えてみます。
口への優しさのために,一定温度の,あまり味のない,同じようなものばかり毎日食べたらどうでしょう。
例えば,常温の豆腐ばかり毎日食べるとします。
私は無類の豆腐好きなので,しばらくは大丈夫だと思います。しかし,同じ豆腐がずっと続くとさすがに飽きてきて,湯豆腐や冷奴でも食べたくなったり,薬味も加えたくなると思います。さらにこれが続くと,もう少し歯ごたえのある生野菜や肉なども食べたくなるような気がします。
こんなことをしているうちに,口への優しさからどんどん離れていき,口の中は少しずつ過酷な状況になっていきます。
でも,豆腐だけでなく,いろいろなものを食べる,考えてみれば,これが本来の人間の口の姿です。
いろいろなものを食べると口の中は過酷な状況になりますが,口の中の粘膜や舌,歯などはそれに耐えられるようにできているのでしょう。
毎日,常温の豆腐ばかり食べるというのは,口への優しさというより,口を甘やかしているということになるのかもしれません。
人間が生きていくためには,どのようなことでも相応の負荷をかけた方が良いと思いますが,口に対しても同じことが言えるのでしょう。
口を甘やかすよりも,いろいろなものを食べて,口を鍛えていった方が良いと私は思います。
2019年2月の院内紙より,一部改変して掲載しました。
転載不可です。