肩関節疾患における問診の聴取ポイント
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今回は『肩関節疾患における聴取ポイント』というテーマでどんな点を抑えていけばいいのか?どのようなことに注意していけばいいのか?ということをまとめました。
本記事を読んで、明日からの臨床に活かしていただけると幸いです(^-^)
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では早速本題です。
大まかな疾患を把握する
疾患を大まかに把握する必要はあります。
例えば、高齢者に多い橈骨遠位端骨折は転倒などの外傷が誘因として起こる骨折がほとんどです。
理学療法士が躍起になって骨折術後の拘縮や筋力低下などに対する機能訓練やADL訓練をしたとしても再び転倒し骨折してしまえば同じことの繰り返しです。
そのため、我々理学療法士は再転倒しないよう動作指導や必要に応じて歩行訓練なども行いますよね。
肩関節疾患に置き換えてみると腱板断裂などがいい例かもしれません。
腱板断裂は高齢者の約1/4人、後期高齢者の約1/3人が罹患しているといわれています1)。
これらのほとんどが明らかな誘因なく、痛みが出てきて気付いたころには既に切れていた、断裂後にある程度経過してから生じる筋萎縮や脂肪浸潤が進行していた、なんてことはザラです。
もちろん、転倒時に肩を強く床に打ち付けてしまい、外傷性の腱板断裂が生じるということもあります。
同じ腱板断裂を挙げても明らかな誘因があるのか、誘因がないのかというのは必ず確認すべきポイントであることには変わりありません。
大まかな病期を把握する
”病期”に関しては疾患により少し解釈が異なります。
こちらの項では肩関節周囲炎を例にして解説していきたいと思います。
ちなみに肩関節周囲炎とは明らかな画像所見などが無いにもかかわらず肩関節の疼痛や拘縮が生じる病態です。
まさに、明らかな誘因がなく生じる方が多い疾患です。
肩関節周囲炎は大きく分けて3つの病期に分けることができます。
※肩関節周囲炎の病期について詳しく言及されているエビデンスレベルの高い文献はありません。
炎症期Freezing phase:痛いけど硬くない時期
拘縮期Frozen phase:痛くないけど硬い時期
回復期Thawing phase:痛みも硬さも改善してくる時期
これらの経過をたどる方がほとんどですが、その期間は人それぞれ大きく異なります。
各病期が2か月程度で半年経たずに軽快する方もいれば、2‐3年以上肩の痛みや動かしにくさに悩まされる方も多くいます。
しかし、大まかに数日前からなのか?数か月前からなのか?という聴取だけでも、大まかに炎症期なのか?拘縮している時期なのか?などをイメージする事前情報として有効です。
介入歴を確認する
みなさんも○○病院(治療院)に数か月通院していたけど治らないから病院を変えた。という患者さんを担当したことはありませんか?
このときのポイントは
”ピンチと思わずチャンスと思ってほしい”というところです。
何がピンチかというと
『○○病院で何か月も治らなかったのに自分に治せるのかな…』と焦る方も少なくはないと思います。
しかし、これはピンチではなく先人(前病院)がくれたチャンスです。
そこでどのような治療や指導を受けてきたのか?どの位の介入頻度でどのくらいの期間通っていたのか?どのような経過を辿ったのか?どんどん悪くなってきたのか?痛みのピークアウトは迎えたのか?などを聴取することで治療におけるPDCAサイクルのPDC情報を持ち合わせている状態となるため、治療の精度は上げやすいです。
具体的には
『前の病院ではマッサージや電気を中心の治療をしてくれた。運動療法や運動指導はほとんどなかった。』
こういった話はよく聞きます。
逆に運動指導が中心でほとんど徒手的な介入がなく、自宅では代償動作だらけの誤った運動をしていた…ということも少なくありません。
基本は前者であることが多いです。
実際、機能改善の第一選択は運動療法であり、徒手療法は追加療法に過ぎません2)。
このようにピンチをチャンスに変えることは、思考の転換と実際の行動(問診)で容易に可能ですので、必ず『今回の症状が出てから別の病院(治療院)に通っていたのか?通っているのであれば何をしていたのか?効果があったのか?』というのは確認しておきましょう。
主訴から大まかな病態(タイプ)を考える
患者様の主訴は無限大ではありますが、大まかにはいくつかのタイプに分けることができます。
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