デッサン教室で学んだこと① ~デッサンはただありのまま描かない~
✧サムネは描き途中のデッサン✧
まだ通い始めて2回ですが、最近デッサン教室で勉強してます。
横浜美術学院という美大受験予備校で、高校生向けの受験コース以外にも大人のデッサンコースがあります。今回はそこで学んだことについて。
✧ありのまま描くだけがデッサンではない
まずデッサンをする際にモチーフ選びと構図から入るのですが、そこで教えられたのは「デッサンとは描いてあるものが何かを伝える行為」だということ。ありのまま・見たままに描くということも大事ですが、それだけではダメです。
たとえば円柱を描く時、真上から見た円柱をありのまま描いても「これは円柱だな」と思ってもらえません。何となくモチーフを置いて、それをありのままにデッサンしても伝わらないんです。だからモチーフや構図の段階で「伝わりやすさ」を考えることが大事です。
✧絵で説明するのがデッサン
最初の課題は水の入ったビン・テニスボール・色紙でしたが、この3つにも同じことが言えます。
背景が白の状態でビンが透明であることを示すには「中に何かが入っている」という状況を作る必要があります。だから中には水が入っています。
テニスボールを描く際、それが野球ボールでもゴムボールでもなく、テニスボールであることをわかりやすく示すには「ロゴ」を入れる必要があります。だから難しいロゴもしっかり描かないといけません。
床に敷かれた色紙が布や模様ではなく「色紙」であることを示すには「折ったり」「くるんと丸めたり」が効果的です。だから構図もそのように組みます。
このようにデッサンは「どうやって説明するか?」を考えて描きます。
✧「どうすればわかりやすくなるか?」を考える
要するに全てには理由があって「ただ何となく選んだ」でも「そこにあるまんま描いた」ではないんですね。これはイラストにも同じことが言えるなと思いました。
僕ら構図や服装・キャラクターの表情を考える時、「何となく描きたいから」「何となくこれが流行ってるから」で描きがちです。
もちろん自分だけが楽しむためならそれでもいいのですが、他人も楽しませようと思ったら「どうすれば自分の描きたいものが伝わるか」を考えないといけません。
✧何を伝えたいかはテーマだけの話じゃない
思い返せば、色んな方が似たようなことを言ってた気がしますが、本当の意味で理解できてなかったですね。
今まで「何を伝えたいか」というのはもっと大きな枠組みで「テーマ設定」とか「キャラクターデザイン」とかの範疇だと考えてましたが、より小さな単位でも大切なんだと気づけました。
なぜパンツが見えそうなほどスカートをひらひらさせるのか?
なぜ普通は隠したがるような大きな胸を強調した服を着せるのか?
スカートという布のフンワリ感を出すためにヒラヒラさせる。
胸の丸みを表現するために影がはっきりわかる服を着せる。
たとえそれが「リアルじゃない」としても「描きたいものはどのような形態・質感をしているか」をわかりやすく伝えるため、誇張が必要な時もあるんですね。