プリザンター+Difyによる簡単RAG事例
はじめに
最近、企業のオペレーションにおいて、効率化と柔軟性を求める声が高まっています。その中で、ノーコード・ローコード開発とAI(人工知能)技術を活用することで、コールセンターの運営をより簡単かつ効果的にすることができます。今回は、無償で使えるプリザンターとDifyを使った簡単なコールセンターシステムの事例を紹介します。
環境は、Ubuntu22.04上に、プリザンターとDocker環境でDifyを動作させています。
1. プリザンターとは?
プリザンターは、ノーコード・ローコード開発プラットフォームで、非エンジニアでも業務システムを簡単に作成できるツールです。ユーザーインターフェース(UI)の設計やデータベースの管理が直感的に行え、柔軟にカスタマイズ可能なため、業務システムの構築が迅速に行えます。
プリザンターを使うことで、コールセンターに必要な顧客情報管理、問い合わせ履歴の保存、オペレーターの対応状況のトラッキングなどを効率的に行うことができます。
2. Difyとは?
Difyは、AIを使って顧客サポートの自動化や支援を行うプラットフォームです。主にチャットボットや音声認識、自然言語処理(NLP)を活用して、顧客からの問い合わせに迅速に対応することができます。
Difyを導入することで、問い合わせに関してはAIが回答を支援、複雑な対応が必要な場合には別のオペレーターに引き継ぐ仕組みを作ることができます。
3. ローコードとAIを活用したコールセンターの仕組み
この2つのツールを組み合わせることで、ローコードでコールセンター管理のシステムを作り、AIで顧客対応を支援することができます。具体的な仕組みは以下の通りです。
3.1 顧客データの管理と可視化
プリザンターを利用して、顧客の情報を管理し、問い合わせ履歴を追跡できます。コールセンターのオペレーターは、プリザンターのダッシュボードを使って、リアルタイムで顧客の情報や過去の履歴を確認できます。
顧客の基本情報(名前、連絡先など)
問い合わせ履歴(過去の問い合わせ内容)
オペレーターの対応状況(進行中の対応や解決済みの案件)
これにより、オペレーターは過去の対応内容を迅速に把握でき、顧客への対応がスムーズになります。
3.2 AIによる回答支援
DifyのAI機能を活用することで、顧客からの一般的な問い合わせに対してはAIが即座にナレッジから応答します。たとえば、過去の質問などに対しては、Difyが即時に適切な情報を提供します。
ナレッジを活用し、回答を支援
よくある質問(FAQ)の自動化により、オペレーターの負担を軽減。
4. 具体的な効果
このようなシステムを構築することで、以下のような具体的な効果が期待できます。
迅速な顧客対応: AIによる回答で、顧客が待たされる時間が短縮されます。
分析: どんな問い合わせが多いか、どの顧客からの問い合わせが多いかなどの分析によって、より効率化のための対応ができる。
業務の効率化: プリザンターのダッシュボードにより、顧客対応状況を可視化し、管理業務を効率化します。
5.課題
RAGの課題は、ナレッジの出来が回答内容の精度に直結しますので、日々の入力の標準化の推進、出来上がった大量のデータのクレンジングが必要な場合があります、又定期的に最新のナレッジの投入の自動化を検討しなければ間違った回答をすることになるので注意が必要です。
6. まとめ
プリザンターとDifyを組み合わせることで、AI技術を活用した効率的な「AIアシスタント」をほぼ無償で構築できます。プリザンターを使えば、顧客情報の管理やオペレーションの可視化が簡単にでき、今回の事例の様なDifyのAIが顧客対応を支援します。これにより、企業はよりスムーズかつ迅速な顧客サービスを提供できるようになるでしょう。今後はAIアシスタントからAIによる自立型の応答システム、Computer Useに代表されるように(AIエージェント)に移行していくでしょう。