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集中力を高め・鍛え・回復させ、効率的に使う方法
こんにちは、価値ビンです⭐️
前回はAI時代に必要な発想力の鍛え方を紹介しました。
アイデアを「発想するとき」の考え方と、アイデアを「実現するとき」では、真逆のアプローチを使います。
発想力はリーキー・アテンションのように、目の前のことに半分集中しながら、半分は違うことを考えることが有効だということがわかりましたね。
しかし、アイデアを具体的に実現する際には、計画を立てて、その計画どおりに遂行するための『集中力』が必要になってきます。今回お伝えするポイントは以下の2点です。
環境と知識があれば鍛える・回復させることが可能
集中力を高める環境づくりとは?
『集中力』には、必要な情報以外はシャットアウトして、そのことだけに集中できる環境が効果的であることがわかっています。集中力は、適切な環境を整えなければ失われていく反面、環境と知識があれば、高められることもわかっています。
今回は、集中力を高めるための親の心構えと、子育てに活かせるアイデアを書籍より紹介します。
1. 親が子どもの集中力を高めるためにできること
発想力を鍛えるためには子どもの発想を邪魔しない、親の心構えとしての引き算が必要でした。
一方で、集中力は親の積極的な干渉が必要になります。
干渉といっても、鞭を打ってやらせるという意味ではなく、「集中できる環境作りをサポートする」ことです。
集中力を高める手法は、筋トレに近く、トレーニングは整備されたジムのように、それのみに集中できる環境作りが必要です。(後ほど詳しく説明します)親の仕事は、この環境作りをサポートすることなのです。
では、その重要なポイントを紹介しましょう。
1-1. 子ども「やりたい」をサポートできているか
やりたいと思わないことには集中できないので、子どもがそれに集中したいと感じることが必要です。しかし、どんなに興味関心があっても、落ち込むタイミングは必ずあるものです。
そんなときは、子どもが、どんな壁に、どのように、なぜぶつかっているのか共感を持って聞いてあげてください。そして、その物事に取り組む必要性(例:その物事に取り組む価値、未来の姿など)があるのかどうか、一緒に考えてあげてください。
子どもが抱えている課題をしっかり把握し、その問題を子ども自身が認識し、それを解決する方法をできれば自分から編み出せれば理想的ですし、できないのであれば、それを思いつく方法をサポートしてあげましょう。
一方で、親は子どもに対して○○ができるようになってほしい、と願ってしまうものです。
ここで一度、ご自身に聞いていただきたいのです。
"それは自分が子供に期待しているだけで、子どものやりたいことではない可能性はないか?"
例えば、あなたが子どもに「英語ができるようになってほしい」と願うこともあるでしょう。もしそうであれば、英語があなたの子どもにとって必要な理由を、あなたは語ることができるでしょうか?
子ども達は、おそらく私たち親よりも最新の時代を正確に認識していて、しっかりと周りを見ています。彼らの感覚に合わないものであれば、私たち自身が「なぜ子どもの感覚と合わないのか」を考える必要があるように思います。
1-2. 集中力を高める環境とは?
子どものやりたいをサポートできたら次は環境作りです。
集中できる環境づくりをしたければ、その集中したいことに必要なもの以外を置かないことです。
勉強する場合は、勉強以外のものはできるだけ排除します。
それ以外の情報があると、人はすぐ気が散ってしまい、一度気が散ると、それを戻すのにはかなりパワーを消費することになります。これを繰り返してしまうと徐々に集中力が続かない状態になっていくのです。(この理由は2章で)
子どもだけでなく、大人でも、集中しなくちゃいけない作業があるのに、他人の目がない場面では、つい関係のないことをしてしまうことがありますよね。
この状態には、心理学でも名前がついており、自尊心を守るための「セルフ・ハンディキャッピング」と呼ばれる現象です。
本来はやらなければならないことがあるのに、他の事に一時的に避難することで、自分にハンディキャップを課すことです。
人は無意識に失敗した時の言い訳を準備したくなるのです。失敗した時は言い訳に使えますし、上手くいったときはハンディキャップを課したにもかかわらずうまくいったと、自分の自尊心を高められるからです。
試験勉強の前に部屋を片付けたくなるのはlこの心理的現象によるものなのです。その他にも、ちょっと休憩でゲーム、スマホでちょっと動画、そんな誘惑は現代には溢れています。大人でも我慢が難しいのに、子どもが我慢するのは至難の業だと思いませんか?
特に、人間の視覚から受ける影響は絶大で、目に見たものに意識が行くのは仕方がありません。なるべく視覚に集中したいもの以外のものは取り除いてください。
また、子どもが集中する時は、音のない環境を準備してください。
別の部屋から聞こえるテレビや動画の音などもなるべく聞こえないようにしましょう。同じ部屋などはもってのほかです。動画から発信される情報の影響力は大きいので、そちらに引き付けられてしまいます。
子どもの「やりたい」と「環境」が整ったら、いよいよ集中力を高める方法です。
2. 自分を操る『超集中力』by メンタリストDaiGo
今回はメンタリストDaiGo氏が書いた集中力に関する書籍を参考に集中力を高める方法をいくつか紹介します。
DaiGo氏は小学校の頃は集中力がなく、成績も悪かったようです。
彼は勉強ができるようになって自分を変えようとしましたが、なかなかうまくいきませんでした。そこで集中力を高める方法を調べて考えた結果、集中力はどんどん高まり、そして成績も伸びて行ったそうです。
集中力があるからこそ今の自分があるとご自身が言っています。
それほど、集中力は大事であり、かつ鍛えられるものであるものだとDaigo氏は書いています。
ここからは、彼の書籍の中から子育てにも有効なものを紹介していきましょう。
2-1. 集中の鍵はウィルパワーにあり
集中する鍵は、脳の前頭葉にあります。
人間と他の動物の脳を比べた時に大きく違うのはこの前頭葉であり、この大きさが人間は大きいのです。
やる気を制御する力は「ウィルパワー(意志力)」と呼ばれ、その基盤は前頭前野にあると言われています。しかし、このウィルパワーは量が決まっていて、集中力を使うたびに少しずつ減少します。
つまり、このウィルパワーをどうコントロールするかが重要で、主に以下の3つのコントロール方法が考えられます。
ウィルパワーを無駄に消費しない
ウィルパワーを回復させる
ウィルパワーを鍛えて量を増やす
2-2. ウィルパワーを浪費させないコツ①(判断を減らす環境作り)
ウィルパワーは集中力の源になるものですが、様々なことで消費されてしまいます。例えば、
目の前にスマホがあって、動画が見たくなったけど我慢した
英語ができるようになって、将来海外に行きたいと願った
勉強に集中できなかったので、再度気合を入れなおして勉強した
これだけでも消費します。
一見よさそうに見えても、ウィルパワーは「何かをしない」「何かを望んだ」「何かを実行する」という選択や決断を行う時に消費されます。なぜなら、それらの判断を担う役割を前頭葉が果たしているからです。
ウィルパワーの節約は、その後の集中力の維持に重要な役割を果たすため、ここからはウィルパワーの消費を抑えるコツを紹介しましょう。
それは、「判断を減らす環境作り」と「習慣化」です。
判断を減らす環境作りを勉強を例にご説明しましょう。勉強するときには、以下の判断をする必要があります。
何から勉強しようか
試験範囲は何ページだっけ
さぁ始めるぞとノートを開く
これらの行動は全て判断を伴い、何気ない判断がすべてウィルパワーを消費させます。
そこで、あらかじめ以下のように準備しましょう。
帰ったらこの勉強をする
このページから初めよう
ノートはあらかじめ開いておこう
スマホは最初から部屋に持ち込まないようにしよう
前もって準備しておくことで、実際に取り組む時にはウィルパワーの消費を抑えることができます。これらの準備を寝る前に済ませておけば、ウィルパワーは睡眠をとることで回復するので効率的です。
次の日にすることを考えるときには、以前紹介したアイビー・リー・メソッドが有効でしょう。
2-3. ウィルパワーを浪費させないコツ②(習慣化)
次に意識しすべきは習慣化(慣れ)です。
習慣とは、それをするのは当たり前すぎて、判断さえする必要がない状態のことをいいます。
自転車に乗るときにわざわざ、前を見ながら足を踏み出し、バランスを取って左足を動かし・・・などと考えている人はいないでしょう。もし、慣れていなければ、自転車に乗るには相当なウィルパワーを必要とします。
要するに、何事も習慣化してしまえば、判断する必要性が減少します。
電車に乗ったらすぐ本を開く。
家に帰ったらまず単語帳を開く。
そんなことを習慣化しておけば、ウィルパワーの節約になります。
習慣化は粘り強くやる必要があります。
ロンドン大学の調査では習慣化について以下の研究結果が出ています。
「簡単な行為であれば25日を超えたあたりで習慣化され、難しい行為は50~60日続けられると習慣化しやすい」
習慣化には長期的視点が必要なので、あきらめずにゆったりと構えてください。
また、判断する機会を減らすために、ご参考までに、以下のようなルールを決める方法もあります。
少量から選ぶことにする(選択肢を減らす)
曜日ごとの決まりをつくる
期限と質をあらかじめ決めておく(いつまでに、どれくらいのレベルを)
このように決まり事を作って、迷わず実行できるようになっておくと、ウィルパワーが節約されます。紙に書いて壁に張っておくのもおすすめです。
2-4. ウィルパワーを回復させるコツ①(睡眠)
次はウィルパワーの回復方法です。
消費したパワーは必ずどこかで回復させなくてはなりません。その方法はとてもシンプルで睡眠です。
睡眠不足は脳科学的には「軽度の前頭葉の前野機能障害」というものに分類され、簡単に言うと酔っぱらっている状態です。
この状態にあると、外部からのストレスに弱く、集中力が続かなくなるため、睡眠は集中力を保つ上で最も重要な要素の一つと言えるでしょう。
では理想的な睡眠時間とはどれくらいなのでしょうか?
これは人によって違うのですが、およそ人口の8割は7~8時間の睡眠を必要とするそうです。残りの2割は、3~4時間でも平気なショートスリーパー、もしくは10時間睡眠が必要なロングスリーパーになります。
歴史上の人物だと、ナポレオンやエジソンはショートスリーパーだったようで、逆にアインシュタインはロングスリーパーだったようです。
私たちは、自分がどのタイプかはわからないので7~8時間は必要ということを認識しておきましょう。実際に、東大に合格した受験生は、平均7時間前後の睡眠時間を取っているそうです。
どうしても睡眠がとれないときはパワーナップをお勧めします。いわゆる仮眠です。時間としては15分~20分ぐらいが良いそうで、パワーナップは夜の3時間の睡眠に匹敵するそうです。
PHILIPSのウェブページによると
なぜ、ここまで効果があるのでしょうか。それは入眠時に訪れる、深い眠りのノンレム睡眠に秘密があります。
ノンレム睡眠は、深さに応じて4つのステージがあります。カリフォルニア大学の神経科学者マシュー・ウォーカーの研究では、入眠20分ほどで訪れる軽い睡眠レベルの「ステージ2」は、脳内の“キャッシュ・メモリ”がクリアされて、情報を整理・記憶したり、優先順位をつける脳のワーキングメモリが強化されることが明らかになりました。これが短時間睡眠で、頭がスッキリ冴えわたる理由の一つです。
ただし、仮眠が30分以上になると、ステージ4に進み、深い眠りに到達してしまいます。すると、寝覚めが悪く、起きてからもボーッとした状態に。パワーナップは20分前後の短時間で済ませることが、スッキリ目覚める最大の秘訣です。
2-5. ウィルパワーを回復させるコツ①(食事)
次に、脳に必要な食事についてです。脳は意外とエネルギーを必要とする器官で、体重に占める割合は2%にもかかわらず、エネルギー消費量は18%にもなるそうです。
そして、脳に必要なのがブドウ糖です。しかし、その摂取方法にも工夫が必要です。
なぜなら、血糖値の乱高下は集中力を奪うからです。上がるときは集中力も高まるのですが、問題は下がるときです。人間は血糖値の変化にストレスを感じ、血糖値の低下とともに注意力も散漫になります。
そこでオススメなのが低GI食品です。GIとはグライセミック・インデックス(Glycemic Index)食後血糖値の上昇を示す指標になります。高いほど、血糖値の上りが早く、低いと血糖値が上がりにくいです。つまり低GI食品は、血糖値の上りも緩やかで、下がるときも緩やかなので、変化が少なく集中力が途切れにくいです。
ちなみに、いくつか食事の例を書くと
【低GI】(オススメ)
蕎麦、玄米、パスタ、全粒粉パン、リンゴ、チーズ、ヨーグルト
【中GI】
うどん、サツマイモ、プリン、クッキー、バナナ
【高GI】
白米、パン、カボチャ、せんべい
低GI食品と言えど血糖値はいつか下がります。そんな時に集中力を高めるための間食はおすすめです。特にピーナッツ、カシューナッツ、アーモンドなどのナッツ系は集中力、思考力を高める効果があり、抗うつ効果もあると言われています。
2-6. ウィルパワーを鍛えるコツ
ここからはウィルパワーを鍛える方法をご紹介します。
アメリカの社会心理学者ロイ・バウマイスターはウィルパワーを鍛えるために何をすればよいかの実験をしました。彼は、学生を3つのグループに分けました。
姿勢に気を付けて生活するグループ
食べたものを記録するグループ
ポジティブな感情を保つようにするグループ
このグループに分けて2週間過ごしてもらったところ、ウィルパワーが鍛えられたのは1番でした。このことから、日ごろ意識しないとできない「やらないようにすること」というのは強い集中力が必要だということで、ウィルパワーの筋トレをしていることになるそうです。
気が付けば悪くなっている姿勢を、正そうとするだけでウィルパワーが鍛えられるということですね。他にも、利き手と反対で食事をとるなども効果的と言われています。
2-7. ウィルパワーの持続時間を効率的に利用するコツ
さて最後に集中力が続かないと悩んでおられる方は多いと思います。集中する時間を生み出すコツをご紹介しましょう。
それはポモドーロ・テクニックです。
とてもシンプルで25分の集中と5分の休憩を繰り返すというものです。とても単純で取り組むべきタスクを25分に分割して、5分休憩をはさみながら進めていくというものです。
注意したい点としては、25分間は1つの事に集中してください。そうすることで集中力が高まります。
また、最近のトロント大学の研究によれば、集中力は30分ごろから低下し始め、50分からはモチベーションはかなり下がってしまうそうです。この研究では、30分のタイミングでタスクを変える、例えば英語を勉強していたら、数学に切り替えるなどにした方が、モチベーションを維持しながら勉強できるというものです。
このことからもポモドーロ・テクニックの25分集中して、5分休憩は理にかなっていますね。
ただし、作業がはかどっている時に休憩をとってしまうと、休憩後には緊張感が失われ能率が下がるため、避けるべきであるとする関西大学の研究結果もあります。(添付の論文には、60分間の集中力の変化を示した図が載っています:図3を参照)
まずは25分を目指して、難しければ15分5分から始めてみる。そんな試行錯誤も楽しめるといいですね。
3. まとめ
さて、いかがだったでしょうか。
集中力は大人でも大事なので、参考になったことも多いと思います。
なかなか一度に実行するのは大変なことです。
自分は何ができていなくて、何をしなければならないのか。
まずはそれを考え、紙に書き出してみるのはいかがでしょうか?
特に現代人の最大の敵はスマホです。私もスマホが目の前にあるとつい触ってしまいます。何かに集中したいときはカバンの中にしまってあるだけで随分と楽になると実感しています。
できることから一つずつ。
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一緒に歩いていきましょう✨
(株)Kachibin
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「価値ビン」が目指しているのは以下の2つです。
1) 子ども達自身が自らの成長を感じて「僕の・私の価値がビ~ンと上がった!」と感じてくれること。
2) 彼らに関わる大人達が、子ども達の変化を感じて自分の価値がビ~ンと上がった!」と感じてくれること。
このブログが、我々が子ども達の成長のサインを見つけて受け取り、彼らと共に学びの旅を歩むための、数ある冒険の書の中の一つとなってくれることを願っています。