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先日あるZoomミーティングで、ご相談者のかたが「いかにして
販売力を上げていくか」という課題を投げかけられていました。

そのときにその会に居合わせたある人から、
「(地方では特に)NHKに取り上げてもらうのがいいよ!」と提案。

その相談者の方も、「いつかはNHKにとりあげてもらうのが夢!」
との弁。

「ん、、待てよ」とそのとき思いました。

"NHKで事業内容を取り上げてもらう!”
それって、もしかして「パブリシティ」のことを言ってる?

パブリシティだとするなら、たしかに「企業や団体が自社のニュース
をマスコミに売り込んで、メディアで取り上げてもらうこと」です。

テレビの取材で取り上げられた翌日以降、ラーメン屋さんとか
ものすごく繁盛されるみたいな話しって、よく聞きますよね。

でも太字にした箇所に注目していただきたいのですが、「もらう」
そう、とりあげるのはメディア側で、内容もこちらが意図したどおり
のコンテンツになっているかは、はなはだ疑わしいのだと個人的には
思います。

ちなみに、わたしが購読している月刊誌『企業診断』(同友館)の
2月号に「経営と広報」と題する新連載が掲載されています。

私の先輩診断士のかたが執筆されているのですが(宣伝?)

このなかでは、第1回「テレビが取材したくなる中小企業とは」と
題し、テレビ東京報道部長へのインタビュー記事が掲載されています。

その報道部長いわく、

企業の良い取り組みを取材して伝えることで、みなさんに参考にして
もらったり、元気になったりしてもらう。情報は、働くひとが見て役
立つものか、生活者として見て役立つものかどうか。そして、ニュース
として新しいか、やり方が新しいか、視点が新しいか、など新しさで
選びます。
自分の会社の宣伝ではダメです。視聴者にどのように役立つのか
を明らかにしているようなディレクターレベルの企画書であれば、
話しを聴きたくなります。
結果として宣伝になった(製品やサービスの売上が増えた)のであ
ればよいのですが、宣伝は目的ではありません。いやなところを隠
して、いいところだけ取材してください、という会社に取材してほ
しいといわれても、それは難しいです。

そうなのです。パブリシティは、コストをかけずにできる有効な広告
戦略のひとつであることには違いないのですが、取り上げ方は、メデ
ィア側の都合でいかようにも変えられてしまう。あるいは、そもそも
取り上げられないかもしれない。
取り上げられたとしても、こちらの意図とは離れた、そこじゃなくて
こっちをもっと深掘りしてもらいたかったよなあとなってしまう可能
性もあることは知っておいてもらいたいです。

ということを、あとでそれとなく、ご本人にお伝えしました。

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