プリンセス
Bluetoothオンにして
進むボタンを連打
気分じゃないメロディ
頭に突き刺さるビート
鼓動早くなる帰り道
背筋を伸ばして歩くけど
通り過ぎる人の顔
見ないようにしてるの
目が合ったのに逸したら
私が探してたみたいじゃない
ガラスの扉盗み見て
なんだか浮腫んでる
眉尻も消えかけた
影の薄い一般人ね
生温いアスファルトの上
家路に着くまでの間
それでも歩いていれば
すれ違えるかしら
ヒールは履かないの
結局疲れるから
小さすぎない鞄は
身軽じゃないけれど
身の丈に合ってるはず
誰もが振り返る美女じゃ
ないことくらい分かってて
今日も笑顔振りまく
どうせ褒められるなら
あなただけじゃ足りないじゃない
ガラスの靴はきっと
私まで回ってこない
王子の顔も知らない
取るに足らない一般人ね
この鍵で扉開けても
あなたの世界へは行けない
ひとり暮らす部屋
明日、目覚めても
誰も迎えには来ないわ
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