season
口元が歪むのに
溢れてこないのは
昔からの癖
突き落とされて
耐えられないときだけ
抑えなくて済むから
もっと分かりやすく
揺さぶってくれればいい
あなたが握ってくれた手で
紫陽花に水をあげたりして
掴まれるような痛み
少しずつ染み込んで
感じなくなる
震える上まぶた
膜を貼る瞳
表面張力
嬉しいときも
無意味に誰かと比べて
頭が冴えてしまう
なぜか昔のこと
気になった夜もある
あなたが眠っている横で
暖かい毛布に包まれて
思い出す鈍い痛み
少しずつ乗り越えて
見えなくなる
これでいいのかな
数えきれないほど越えてきた
紆余曲折と出会いと別れ
きっとこれからは虹彩に包まれて
歩いて行ける
二度と失わない背中にもたれ
白いセーターの下に隠した
治った傷の跡を撫でるとき
泣けるだろうか、私も