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塩が好きだから塩をぬく

鰤大根を久しぶりに作ろうとして衝撃が走った。わが家の醤油の賞味期限が3年前にきれていたのだ。ケチャップも2年前にきれていてドレッシングに至っては6年前だった。これまで調味料の賞味期限を気にしたことがなくずぼらと言えばそれまでだがこれには大きな理由がある。僕は塩を信じているのだ。味付けは塩でいい。この境地に辿り着いて何年経ったか覚えていないが、調味料の賞味期限が教えてくれた。

さて、鰤大根はどうしよう。とりあえず大根はサラダにして鰤はアルミホイルに包んで蒸し焼きにしてみた。できあがった鰤に塩をかけて香草のディルをのせて食べたら信じられないぐらい旨かった。やはり味付けは塩で充分だと再確認するいいきっかけだった。

塩の話をすると素材の旨味を最大限に味わうためと言いがちだが、僕はそんな気品のあるたたずまいではない。塩を信んじているだけだ。湯豆腐には塩とオリーブオイル。豚バラ肉の塊とカリフラワーをじっくり煮込んだ名前のよくわからない料理も味付けは塩のみ。ハーブだけをたっぷり使った山盛りサラダもオリーブオイルであえて塩をふるだけ。そういうシンプルな味付けに幸せを感じる。

塩はシンプルなフランスの粗塩を使っているが海外に行くたびに現地の塩を探しては手にとり、硫黄の香りがするネパールの塩やトリュフ入りの塩も持っている。あまり使わないが時々使うと普通の粗塩が一番旨いと再確認できるのでこれはこれでありだと思っている。

ちなみにマクドナルドのポテトは必ず塩抜きで注文して自宅で粗塩をかけて食べる。塩を別にしてくださいと頼むと塩を添えて出してくれる。自分の好みの分量をかけて食べると新たな一面が味わえて塩の存在感を改めて感じる。



Podcast | 藤田哲平のアラオネ

毎週水曜日の夕方5時にポッドキャストを配信中。人生の場数を踏んで発酵をはじめたアラフォーの視点でライフスタイルやデザイン、音楽やカルチャー、LGBTQ+の話をしています。アーカイブはいつでも聴けます。


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