輪行のすゝめ
このタイトルに目を留めてるあなたは、すでにかなり自転車が好きになってるはずです。そう、すでに近場は乗り尽くして少しマンネリ化してるか、どこかちょっと遠いところのイベントに参加する予定があるとかですね?
なんにせよ、もうあの頃の俺ではない。すでに初心者と言われていたのは過去。もう一段上のステージに踏み出そうとしている…。そんな心の中でひそかに盛り上がっているに違いありません。
そんな人向けに初の輪行に一歩踏み出すあなたの背中を優しく押してあげたいと思います。
確かに精神的なハードルは高め
10万円以上する自転車を初めて買った時も、きっと躊躇したことでしょう。自転車は初期投資が済めば、コストがかからずに楽しめるうれしいアクティビティ。しかし、ハマるにつれて、やれサイクルジャージだ、やれビンディングだ、サイコンだと出費がかさんでいくのも事実。そして、輪行するには『輪行袋』はやはり必須の出費。といっても、ここまで出費を重ねてきたあなたなら、『輪行袋』の出費ぐらいは焼け石に水程度。これから広がる可能性を考えれば、間違いなくその費用を回収して余りある恩恵を与えてくれるでしょう。
では何が精神的なハードルになるのか。それは、自転車を輪行袋に詰める手間でしょう。今まで遠くに遠征する機会がなかったり、パンクの修理の経験が少なかったりと、自転車にはたくさん乗ったけれど、分解したことはほとんどないという人にとって、輪行袋にうまく詰めれるかどうかは確かに不安。また、バラしたはいいけど元通りに組み立てられるのか?何か不具合が出たら対処できるんだろうか?と不安は増していくばかり。
でも、自転車はいたってシンプルな構造でできているんで、見た目で違和感を発見できることも多い。また、この情報時代、インターネットには輪行の仕方が丁寧に解説されてるので、極度に不安に感じる必要はないんです。なんでもそうですが、要は慣れ。2~3回時間を空けずに輪行すれば、コツを掴めて驚くほど手際は良くなります。自転車を生涯のアクティビティと見込んだのなら、ぜひ輪行のスキルを身につけてフィールドを広げましょう。
輪行のコツ
袋への詰め方はネットで調べてもらい、ここでは現場での実践的なコツをいくつか共有したいと思います。
まず、自転車を解体する場所はだいたい駅とか空港とかフェリーターミナル。ここでのポイントは、自転車を詰めた袋を持ち歩く距離を短くしたいということです。なので、駅ならできるだけ改札の近くがベスト。今は、2階に改札がある駅の場合は、1階でばらすのではなく、エレベーターで2階まで移動してしまう。もちろん、人通りが多いとかスペースがないとかの諸事情があるので総合判断ですが、迷惑のかからない範囲でできるだけ改札の近くが便利。輪行はフレームにひもを縛って肩にかけて持ち歩きますが、移動が長いと、ひもが肩に食い込んで痛いし、ペダルが腰骨やすねに当たって痛かったりとリスキー。また、かさばるから移動中に愛車をぶつけたりする危険も増える。持ち運ぶ移動距離を極力減らそう。
また、同じ理由から輪行に用いる駅の選び方も変わってきます。ここまで自転車が好きになったあなたなら、10kmくらいの距離は朝飯前という方でしょう。であれば、近い駅を選ぶのではなく、輪行しやすい駅を選びましょう。輪行しやすい駅というのは、例えば、①改札から駅建物の出口が近い、②人が少ない、③屋内でばらせるスペースがあるなどなど。迷惑のかからず、心穏やかに輪行ができる環境をセッティングしましょう。
輪行の自分的マナー
マナーなんて偉そうなことを言える立場ではないんで、単に個人的にやらないようにしていることは次のことです。
①ラッシュ時の輪行はしない
当たり前…というか満員電車じゃそもそも物理的に乗れないけれど、そうでなくても、路線にもよりますが通学・通勤時間帯での輪行は避けます。
②最後に乗る
どうしても車両の隅っこや座席であれば端に座りたい。ライドの帰りなら疲労もピークなので、どうしてもベストポジションを確保したい…と思う心情をぐっとこらえて、ほかの人が乗り終わってから最後に乗るようにしてます。かさばる荷物を持っている時点で、いろんな意味でリスクを背負っているわけで、不要ないざこざに巻き込まれないための事前の間接的予防策。
③時間にゆとりを
自転車の袋詰めや輪行袋を持っての移動など、すべてを通して時間にゆとりを持たせます。電車などの公共交通機関ではどうしても時間が気になります。焦るといろんなことが雑になり、思わぬトラブルに巻き込まれます。何かを落としたり、自転車をぶつけたりと。注意一秒、ケガ一生。おおらかな気持ちが大人の輪行の秘訣だと勝手に思ってます。
最後に
初めて輪行をしようか考えている人が、これを読んで『よし!やってみよう』と思ってくれたらうれしいです。私も初めて輪行して電車に乗った時はすっごくワクワクしました。今は息をするように普通に、輪行で電車はもちろん、フェリーや飛行機に乗って旅してます。皆さんの輪行ライフが充実するように願ってます
<終わり>