「心」八木重吉

死のうかとおもう
そのかんがえが
ひょいと のくと
じつに
もったいない こころが
そこのところにすわっていた

(「心」八木重吉)


八木重吉の詩って、心身を病む人に響くものがある気がする。
彼自身、詩作と信仰を極めていこうとするところで、結核に倒れ、病苦や生と死の恐怖と葛藤しながら、29歳で亡くなった。

衰弱し始めた頃から、魚や肉を、
「可哀そうで食べられない」
と言って、敬遠するようになっていたという。


(初出「痩せ姫の光と影」2010年5月)

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