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「人はどう老いるのか」by 久坂部 羊
朝日新聞2024年11月9日「読書:売れている本」の欄で酒井 順子女史(エッセイスト)が 今「売れている本」の1冊としてこの本を取り上げている。
この本には「『スーパー元気高齢者』に疑問」という興味深い見出しがついていた。
著者:久坂部 羊氏は 高齢者医療のクリニックで診察した経験を持つ医師であり、作家。老いの現場をまじかで見て来た医師は、生きている時も、又死に際しても「現状の肯定」を重視する。
近年「スーパー高齢者」が増えているし、それを望む高齢者が増えていることも確かである。しかし、著者は「『老い本』界で推賞されがちな『スーパー元気高齢者』は 特殊な事例なので一般の人が 真似をしたら危険」と説いている。
私もこんな記事を書いたことがある。
老いに抗おうとすると、結果的には抗いきれず、高齢者の生活は不満だらけになってしまう。快適な老いを迎えるためには「現状肯定」が大切なのだ、と本書にはある。(略)いつまでも元気で若々しくあろうとするよりも、適当な時期に死を受け入れること。その気になればどんどん長生きできる時代だからこそ、著者の提言は重く響く。(略)
頭では「現状の肯定」が大切だとわかっていても、いざ老いや死に直面した時素直に受容できるだろうか、という不安も、老いの世界の入口に立つ私の脳裏をかすめた。
戦前は「命を粗末にする国」だったのに対して、敗戦後は「命を大切にし過ぎる国」になった。と本書にはある。
多くの人が思っていながら表には出しづらい事実をずばり書く事によって、世に大きな問題を提起する書。 by酒井 順子
私もこの11月1日に長兄をなくした。93才であった。
3年前3つ年上の妻を亡くし、偶然であろうがその妻の誕生日に召された。長兄夫婦は 私たち4人の妹と両親と同居し両親の最後を看取ってくれた。
今から考えると「壮絶な人生」を乗り越えた一生だったと感謝している。
その長兄が最後に残した言葉は「お世話になった人達に心を込めて感謝の気持ちを言わなあかんで!」と長兄の娘である姪っ子に言った。と聞いて「さすがわ お兄ちゃんやなあ、ええこと言わはるわ!喪主の挨拶があるからその時にこれを言うたらええわ」と私は言った。
葬儀が終わってタクシーの中で「おばちゃん、あれでよかったやろか?」と聞いてきたので、私は「よかったよ!しっかり挨拶できたよ」と言うと
「お父さんに怒られへんか?と心配やったけど・・」疲れで顔がむくんだ姪っ子が心配そうに言うので「大丈夫、お父さんも喜んだはるわ!」と肩をたたいた。
私も「スーパー元気高齢者」の一員になっていそうだ。
離れた場所で住んでいる息子に心配を掛けまい!と、あらゆるサプリメントを飲んでいる。
・ルチン:目にいい、お陰で白内障を患っていない(通販)
・オメガエイト:EPA,DHA,ARA不足しがちな青魚の成分(通販)
・グルコサミン、コンドロイチン等足の筋肉と軟骨の衰え防止(通販)
・整腸剤、ビタミン剤(市販)
これは かなり多いのではないか?
益々「元気高齢者」に「スーパー」がかかりそうだ。
あ~あ、飲むのを止めようか⁈
でも、一人暮らしでは元気でいなくては 息子に心配をかける!
この秋、悩めること暫し!
サプリメントを止めるのも、とても勇気がいることなのだ!
この秋の最大の悩めることなのかも知れない。