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ご近所さんの合言葉

数日つづいた清々しい晴天に誘われて 

ご近所さん2人と 近くの遊歩道を散歩することになった。

遊歩道は歩いて15分位のところにあるけれど

遊歩道に着くまで30分かかって辿り着いた。

無理もない 一人はこの春に90才を迎えもう半年を過ぎている

右手にキャスター付きのキャリーバッグを左手に杖代わりの雨傘を持って

ゆっくりとした歩調で 時々背筋を伸ばして立ち止まるマイペース!

12月で90才になるもう一人は 健脚で早歩きのペース違いの人だから

「先に行って スーパーの前で待ってるわ!」と 別々に歩くことになった

二人共若い頃スポーツをしていたからだろうか、とても90代には見えない

待ち合わせたところのスーパーで それぞれ好みのおにぎり🍙とお茶を買い

遊歩道を散策した。

この夏は暑さが長く続いたせいか 紅葉は今ひとつ!

茶色の干からびた葉が かろじて枝にぶら下がり

もろくも散ってしまった葉は 乾燥して丸まり

時折吹くこの時期に やっと涼しくなった風にカラカラと舞っていた

この3人あわせて261才

「この次来られるやろか~?」と言いながら、誰も本気で言ってはいない

「また春に来ような!」

「ここがええわ!」と 陽の当たるベンチで🍙を食べ

「このおにぎり🍙外側が かたいわあ」と私が言うと

「これは大分 時間が経ってるなあ、昨日の残りやろか?」と、もう一人

「コンビニで買うたほうが よかったかなあ」

「そうや、コンビニの方が新しいしおいしかったかも知れんねえ」

「今度 コンビニで買おうな!」

勝手なことを言いながら それぞれに持ってきたお菓子を交換して

「おいしいね!」と笑い合った。

のどかな秋の昼下がり

陽に当たっていると暑いくらいやけど、やっぱり風が吹くと足元が寒い

早々に「喫茶店に行こか?」となり、近くの喫茶店でお茶をすることにした

「お腹がいっぱいや~」と言いながら

一人はモンブランをもう一人はアップルパイと二人共コーヒーを注文する

私は硬いおにぎり🍙をほとんど残して卵焼き一切れ食べただけだったので

ミックスサンドイッチとコーヒーを注文した

「あんた、今晩いらんね!」と言われて「いらんいらん!」と返事する

「ぎょうさん付いてるやん!」と聞いて「一つ食べる?」と言うと

二人は同時に 首を横に振った。

そんなこんなで、3人の始めての秋の散歩がゆっくり終盤に入り、別れ際

「また、行こな!今度は桜やなあ、それまでお互いにがんばりましょ!」

2人と別れてしばらく歩くと お隣のご主人と出会った

「いや~、お隣やのに なかなか会うことないですねえ」と私が言うと

「そうですなあ、お互いがんばりましょう!」と言われた。

「そうですねえ、お互いがんばりましょう!」と言った時、気が付いた 

ご近所さんは ほとんどが後期高齢者

「お互いにがんばりましょう!」と言うのが

後期高齢者の合言葉のように 挨拶になっていることに気が付いた。

それほど 「老いる」につれて「生きていくこと」は 私だけやない

みなさん がんばっていかなあかん!ってことなんやなあ

そう思うと「私も がんばらなあかんなあ!」っと思った。




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