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【無料記事】看板・接客・商品の3ステップで考える、イラストレーターのための『商売』の基本設計

イラストレーター志望者や、駆け出しイラストレーターの方から

「イラストレーターってどうやってなったらいいんですか?」

「どう仕事を獲得したらいいんですか?」

という話をよく聞くのですが、これは「イラストレーター」のなり方というよりは、ただ単に「商売」の基本が抑えられてないんじゃないかなと思います。

「絵だけ描いていたい、お金のことは考えたくない」

という、イラストレーターも少なくないかもしれませんが、職業、特にフリーランスのイラストレーターとして活動していくには、お金のことを考えることと、「商売」の基本を抑えておくのは必須です。

イラストレーターの仕事って、なぜかいまだに夢を追いかける系の仕事だとか、一握りの人しかできない仕事だと思われがちですが、実際には普通の請負仕事でしかないからです。

・クライアントから依頼を受ける
・要望に合わせて制作する
・納品して対価をもらう

という基本的な流れは、デザインや、建築、システム開発など、他の請負業と変わりません。飲食店とか、美容院も同じですよね。

そう思うと、イラストレーターだけが、特別営んでいくのが難しい仕事だとは思わないですよね。

多くのイラストレーター志望者が陥りがちな勘違いは「絵が上手くなって有名になれば仕事が来る」という考え方。
確かに技術は確実に身につけるべきだし、有名になると仕事の受注もしやすくなるかもしれませんが、フリーランスとして仕事を継続的に獲得していくためには、基本的な商売としての「設計」を考えていく必要があります。

どう人を集めて、どう集客して、どう商品を売っていくのか。

どうあってもこれは考えていく必要があります。

「でも、設計なんて難しそう」

と、思うかもしれません。確かにゼロから設計を考えるのは骨が折れるともいます。

ですが、そんな複雑に考えなくて大丈夫です。

これは、すでにビジネスとして確立している業態のビジネスモデルを、イラストレーターとしてのビジネスにも当てはめるという考え方です。

私の場合は、イラストレーターとしての活動を始める前に、飲食店や小売店での勤務経験があるのですが、イラストレーターとしての活動も、基本的にはこのフレームワークを転用しているだけです。

つまり、フレームワークを転用するとは、飲食店が営業していくために必要なことをイラストレーターとして置き換えたら?ということを考えることです。

今回は、別業態のフレームワークをどのように転用するかについて紹介していきます。

まずは「飲食店」の基本的なビジネスモデルのフレームワークを見てみましょう。

看板(集客)
店の外観デザイン
・メニューの写真や看板
・SNSや食べログでの評判

接客(価値伝達)
メニューの説明
・料理の特徴や調理法の紹介
・食材へのこだわり
・お客様の好みに合わせた提案

商品(満足)
実際の料理の味と質
・適切な提供時間
・期待通りの美味しさ
・また来たいと思える体験

飲食店では、これらがビジネスのフレームワークとして「設計」されています。

この3つのうち、どれか1つでも欠けていれば、飲食店として成り立ちません。
どれだけ看板が綺麗でも、どれだけ接客が丁寧でも実際の商品、つまり料理がないと飲食店として破綻していますよね。

看板が出ていなかったり、SNSやGoogleの口コミがないような店も入りたいとは思えません。

まあ、もちろんそういうビジネスモデルも考えることができるのですがそれはまた別のお話。

このビジネスモデルのフレームワークをイラストレーターに転用するとこのようになります。

看板(集客)
SNSやポートフォリオサイトのデザイン
代表作や作風が伝わるギャラリー
実績やクライアントの評価

→ この人に頼みたいと思わせる入口

接客(価値伝達)
描写力のアピールやモチーフへの理解
イラストの特徴や技法の紹介
納品物以外での付加価値
クライアントの要望に合わせた提案

→ どんな価値が得られるかを伝える

商品(満足)

実際のイラストの質
適切な納期管理
期待通りの仕上がり
また依頼したいと思える信頼感

→ 実際の成果物で満足を届ける

このように、飲食店のフレームワークを、イラストレーターにも転用することができます。

このフレームワークを飲食店であれば、実店舗でやっていくわけですが、イラストレーターであれば、SNSやポートフォリオサイト、商談会、営業などを使ってこのフレームワークを展開していくわけです。

このように、「絵が上手い」だけではイラストレーターとして活動していくのは難しいかもしれませんが、看板、接客、商品をバランスよく設計することで仕事として成り立たせるのは難しくないと思います。

あとはどんな自分がどんな飲食店を目指していくかだと思います。

町中華なのか、大手チェーンの回転寿司店なのか、高級フレンチ店なのかで、設計は変わってきます。まともな接客をしてくれない日本一接客態度の悪いレストランというのもありますし。

ですが、いずれにしても、「設計」の基本構造には変わりがありません。

なので、イラストレーターとして活動したい!という人は、自分の活動にはどのようなフレームワークが使えるのか、ということを意識してみてください。

と、今回は商売しているとめちゃくちゃ普通なことではあるのですが、夢とか理想とかのバイアスがかかってしまうと見えなくなってしまう現実的なことを書いてみました。

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フジワラヨシト/Yoshito Fujiwara
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