「Kigali Marathon 2022」レポート(完走編)
前回の記事を読んでいない人は、まずはこちらを御覧ください!
シャンクスには悪いが、僕はそんなガチ勢ではない。
何度も言うが、そもそもハーフマラソンに誘われたのにRun for Fun(10km)に申し込むくらいだ。
Run for Funは、ハーフマラソンやフルマラソンと違って、タイムを測定されるわけではない。そのため、別にそんなムキになる必要もないのだ。何なら、参加者の中にはキックボードに乗ってるガキンチョもいた(それはマラソンなのか?)。
とは言え、まずは同じくRun for Funに参加しているJICA海外協力隊の隊員仲間たちと合流するため、ある程度のスピードで走り出した。彼女たちは、この時点で既にスタート地点から数km進んだポイントにいたらしい。
ちなみに、彼女たちはスタート地点が分からず、その辺にいる警備員に
と聞いたら、
と真顔で言われ、その場で交通規制テープの内側に入れてもらい、実質コースの途中からスタートしたらしい。
うん。
そういうとこだぞ、ルワンダ。
良くも悪くも。
僕が相対した警備員とは全然対応が違うものの、まぁ何にせよ申込をした隊員仲間全員が一応ちゃんとコース内に入ることができて良かった。
後で知った話だが、隊員仲間の中でハーフマラソンに申し込んだチームは開始時刻がもっと早く、そっちは正規のスタートを切ったそうだ。「よーい、ドン」的なスタートの合図もちゃんとあったらしい。
さて、僕が走り出してから少しすると、先にスタートしていた(コースの途中から入った)他の隊員たちに追い付いた。Run for Funチームがようやく全員集合したので、そこからは皆でゆっくり走る(歩く)ことにした。Run for Funは、あくまでFunだから。これくらい緩くて良いんだ。すまんな、シャンクス。
しかし、しばらく進んでから、僕たちは異変に気付いた。
なんか、周りに人いなくね?
Run for Funなんだから、もっと楽しそうにキャッキャしながら走る人がたくさんいても良さそうなのに、なぜか周りに人が全然いない。
不審に思い、道の真ん中に立っている警備員に尋ねてみた。
すると、警備員は「Yes, yes」と言い、親指を立ててグッドサインを出してくる。
まぁ確かに道路は交通規制されて車は侵入できないようになっているし、マラソンコースであることに間違いはないのだろう。
そして、さらにもう少し詳しく聞いてみた。
するとその瞬間、親指を立てていた警備員が眉間にシワを寄せた。
ん?
おやおや?
その反応は何だろう?
どうやら僕たちは変なことを聞いてしまったようだ。
警備員は、まるでハロウィンでもないのにガッチガチのコスプレで街に繰り出している集団を見るような目で僕たちを見た後に、半笑いで
と言ってきた。
マジかあぁぁ〜
何となく、そんな気はしてたけども。
どうやら、僕たちはRun for Funの世界に生きているつもりで、いつの間にかハーフマラソンの世界に迷い込んでいたらしい。
いや、迷い込む前に教えてくれよ。
せめて何か掲示しておいてくれよ。
そう言いたい気持ちをグッと堪え、Run for Funのコースに戻りたい旨を警備員に伝えると、
的なことを言われてしまった。
なんで急にそんなカタコトなんだよ。
AIか。ペッパーくんでももうちょい流暢に喋るわ。
と思いながら
えええぇぇ〜!?
という驚きのリアクションをとっていると、警備員は再び
と繰り返してきた。
なんで別に聞いてないのに同じこと2回言うんだよ。
同じセリフしか喋れないRPGの村人か。
と思いながらも、仕方ないのでそのコースに沿って進んでいくことになった。
その後は、僕たちをハーフマラソンのランナーだと思って道端で声援を送ってくれる人々や、※トップランナーと中継車が通るから道を開けろと言う警察官に申し訳ない気持ちになりつつも、なんとか心を強く保ち続けた。
そして、途中途中に現れる距離表示を見ては「僕たちはもう2度とRun for Fun(10km)の世界には戻れないんだ」という現実を突きつけられ、切なくなりながらも、最終的には無事にゴールまで辿り着くことができた。
以上で、僕の人生初のマラソン体験は終了した。
まぁマラソンというか、ぶっちゃけ90%くらいは歩いてたし、思わぬアクシデントはちょこちょこあったけど、なんだかんだ楽しかった。
今こう思えるのも、最初にマラソンに誘ってくれた同期隊員の友人、一緒に楽しく走ってくれた仲間たち、そして山賊の手下みたいな警備員から僕を助けてくれたシャンクスのおかげだ。
ほんと、全ての人々に感謝したい。
来年は、せっかくだから最初からハーフマラソンに挑戦する!!
…かもしれない。
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