ユメミザクラの木の下で
こそあどの森の物語④
「ユメミザクラの木の下で」岡田 淳
大好きなこそあどの森シリーズも第4話になりました。
読んだのは少し前になりますが、思い返しながらあらすじと藤岡ぴぴ的ぐっとポイントをご紹介します。
おっなんかおもしろそうな本だな、読んでみようかなと思ってもらえると嬉しいです。
今回もネタバレはしていませんので安心して読んでみてくださいね。
第4話に入る前に前のお話までのあらすじの復習をしたい方はこちらを読んでみてください。
①ふしぎな木の実の料理法
②まよなかの魔女の秘密
③森のなかの海賊船
まずはこそあどの森に住む人たちのご紹介から
毎度のことながら岡田淳さんによる登場人物の細かい設定と絵が大好きで、しばらく眺めてしまいます。この手書きの字の感じもいいですよね。
主人公は右上のスキッパー。
おとなしくて一人の時間と本が好き。
遠慮しすぎて人に自分の意思を伝えられないこともあったりするところに共感できます。
ヒーロータイプではなく、教室の隅で静かに本を読んでいるようなおとなしいタイプのスキッパーが主人公というのもこの本の大好きポイントの一つです。
それでは、第4話のあらすじからご紹介します。
こそあどの森に春がやってくるころ、スキッパーのもとにバーバさんからお手紙が届きました。
読み終わったスキッパーは、このお手紙に書いてあった、
かくれんぼをしているこどものように、わたしはわくわくしています。
という言葉に首をかしげました。
スキッパーはかくれんぼを本で読んだことはありました。
けれど、かくれんぼをしたことがなかったのでわくわくするということがわからなかったのでした。
このお手紙がきっかけでスキッパーはかくれんぼが気になりはじめ、やってみたらおもしろいものかもしれないなと思うようになりました。
そんなある日、いつものように散歩にでかけたスキッパーは、ウサギ広場で見たことのない女の子ウサギを見つけます。
スキッパーと同い年くらいに見えますが、今まで見たこともないうえに、初対面のスキッパーのことを何もたずねたりもしない不思議な女の子でした。
このウサギに初めは戸惑いながらも、スキッパーはいっしょに花かんむりをつくったり、ウサギの友達とかくれんぼをしたりと、楽しい時間を過ごします。
けれども、ウサギとその友達はいつも「ごめん、いかなきゃ」と突然いなくなてしまうのでした。
ウサギとその友達と不思議な時間を過ごすスキッパー。
「いかなきゃって、どこへいくの?だいたいきみたちって、どこからきたの?」(72ページ1行目スキッパーより)
ウサギたちはいったいどこからきただれなのか?
この不思議な時間とはいったい…?
続きはぜひ読んでみてください。
前半からは想像もできないちょっぴり涙が出ちゃうようなお話ですよ。
さて、今回の藤岡ぴぴ的ぐっとポイントは最初のシーンのこちら。
どの季節の散歩にも、それぞれのおもしろさがあって、スキッパーはそれぞれに好きです。(19ページ 9行目より)
(前略)歩いているだけで鼻歌が出たり、ひとりごとをいってみたり、笑顔になったりするのが、春のはじめの散歩というものです。(21ページ 13行目より)
これはスキッパーが不思議な女の子ウサギに出会う前、春のはじめのお散歩をする第2章のシーン。
スキッパーにとってのお散歩について書かれている部分です。
私自身お散歩が大好きなのですが、お散歩の醍醐味がこんなにもやさしい言葉で簡潔に書かれていてこの表現に感激したので、ぐっとポイントに選ばせていただきました。
この第2章では、スキッパーがお散歩をしながら、たくさんの春を見つけ、ウキウキしている様子がとても素敵な表現とともに描かれているので、ぜひ注目していただきたいです。
読んでいるこちら側も微笑んでしまいますよ。
そんなスキッパーの素敵なお散歩ものぞける、かつちょっぴり涙誘われる、こそあどの森の物語第4話こちらもお薦めです。
ぜひ読んでみてください。