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熊野古道の旅 第六弾

前回の歩きから3週間開きましたが、冬型の気圧配置が厳しい中、行ってきました。
2021/1/29 金曜日
和歌山県観光振興課では熊野古道詣用に小冊子を作っています。

道中の「王子」(かつて旅人が休憩出来るようにしたポイントになる祠の跡)を中心にスタンプ台を設置、スタンプラリーの様に楽しめる工夫をしたもの。
人気の中辺路は勿論、大辺路、小辺路などと共に、この紀伊路バージョンも有りまして。各路をコンプリートすれば踏破の認定証が頂けるという企画です。
スタンプ帳は、各スタンプ台に数冊置いてくれているという話でしたが、前回、雄之山峠を越えた一箇所目、山口王子のスタンプ台には無くて既にコンプリートは断念しましたが、頑張って押して回る事をモチベーションにしています。
で、前回、ゴールの海南駅手前、うっかり5箇所目「松代王子(春日神社)」をスルーしてしまったので、今回はそこから再開する事にしました。

早朝5時半に大阪市内の自宅を出て、阪和線、紀勢線を乗り継いで海南市へ。大十バスに乗り、最寄りの大野中バス停を降りた所から今回のウォーキング開始です。

午前8:15。住宅街を抜けて急な石段を上がり春日神社へ参拝。境内の松代王子でスタンプを押せました。

ココから暫くは前回通ったルートをなぞります。海南の街の南側にある山の麓に沿うように住宅街を進むと「熊野一の鳥居跡」の三叉路。


ココからが本格的な熊野への参拝路開始という意味合いでかつて鳥居が立っていたそうです。
ココで南へ左折して数分進むと、藤白神社(藤代王子)。

鳥居の両側に立派な大木があって、パワーを感じます。早くも2つ目のスタンプを押しました。で、この神社は意外な全国的有名スポットだそう。全国の鈴木さんの氏神様だとか。

こんな紙が掲示板に貼られてましたよ。鈴木さん、是非お参りをw

再び熊野街道の細道に戻り、暫く住宅街の緩い坂を上ります。地元の人とすれ違う際、会釈するとお相手も会釈。やはり古道散策の人は普段から多いのでしょうね。そんな事を思ってたら、急に一人分の道幅に狭まり傾斜が急に。どんどん山へ入ります。

一気にこの標高。トレッキングというより登山みたいな。慣れない初心者にとっては第一段階試験みたい。それでも展望が開けると気持ちいいもんでw

で、先へ進むぞ!と入れた気合を削ぐように暗転。竹藪が、海を越えて吹き付ける北西の季節風でギシギシ軋み、脅すようです。

すっかりヘンゼルとグレーテル気分。
一人だと心細いもんです。一丁(約100m)毎に置かれたお地蔵様に自然と手を合わせますね。途中、坂を下りてくる一組の女性ペアとすれ違いましたが、しっかりトレッキングの格好でトレッキングポールもお持ちでした。そうか、軽装で行く路じゃ無いのか!と思い知らされました。
この藤白坂を登り始めて約45分、舗装道に合流し、地蔵峰寺(塔下王子)到着。午前9:30。



ベンチでおにぎりを一個食べ、白湯を飲んで休憩。矢印看板で「熊野路第一の美景」とあり、寺の裏へ。

御所の芝」と看板が立ってました。
遠く淡路島の方まで望めます。
美景に元気を貰い下りの路へ南下。鯉の養殖池の先、矢印に従い下りてビックリ。道ちゃうやん!石ころ、落ち葉だらけの森の「隙間」!そりゃ不安にもなりますって。右側山肌、左側蜜柑畑。電気通ってる針金にもどきどきしながら斜面を一気に下りて約30分、集落に着くとホッとします。と、急な坂にダンプを止めて何やら作業してる人たちが。朽ちた建物をよく見れば焼け焦げが。ダンプの荷台には黒くなった蜜柑の山。みかんの集荷施設でボヤがあった片付け中だったようです。みかん農家が多い土地、最盛期だけに勿体無い被害ですね。

渋い木橋を渡り、川沿いに集落が立ち並ぶ道を南下。既に視線の先には次の山が壁のように並んでいます。橘本王子、所坂王子と通過するうちに雲行きが怪しくなり、風が強まり、雪が舞ってきました。一度峠越えして汗もかいたので寒さが身にしみます。午前10:15。
さて寒い中、所坂王子(橘本神社)でスタンプを押した時、愕然!さっきの塔下王子でスタンプを押すのを忘れてた!!不覚っ!もうあの坂を登って戻りたく無いっ!諦めました(苦笑)。
数年後機会があればね。。。

段々谷間の集落となり、道標は民家の間の細道を指します。(沓掛の登り口
サイクルロードレースファンの皆さんならパーセントで言えば坂の目安になると思いますが、30%から40%ですよ。壁ですよ。スキースノボする人だと上級者コースですわ。
這うように上がるとさっきの農道w
何の事は無い、ゆっくりそのまま歩いたらぐるっと楽に上がれたんですね〜(笑)まぁ熊野「古道」ですからいにしえの道を辿る事に意義が有るんですっ!そう自分に言い聞かせないと納得出来ない激坂です。と思ってカーブを曲がると農道自体も25%程の傾斜で更に山の上へ。すれ違う軽トラも多分ローギアで、蜜柑山積みで坂を下りて行きました。
尾根までもう少し。というところで集落が!
こんな山の上にも人が住むのか!と驚きながら平坦になった道を進むと突き当たり右折の辻で、道標は直進を指します。
ダメ押しの激坂。人ひとりの幅。蜜柑畑の中の道をゼエゼエ上がりました。
さっきとは違い、登り切った上は展望効かない薮の中ですが、尾根道らしく暫く平坦基調。
ふと展望が開けた所が拝ノ峠頂上。海の向こうは四国でしょうか?風が強く、景色も遠くまで見えます。

立て看板の説明を読んだら、昔は茶屋があったみたいです。今欲しいw
再び薮の中をゆっくり下りたら、蕪坂塔下王子。午前11:30。

地元の教育委員会がしっかり整備してるようで、説明も看板も丁寧だし、トイレ、休憩施設も行き届いてました。
トイレの後、ここのベンチで小休止。

ココから暫くは藪の中の暗めの道を下ります。
そして空が明るくなると、再び急傾斜の蜜柑畑の下り坂。ウネウネと農道が通る中、古道は突っ切るように急な下りで傾斜を行きます。が、ややこしいのが、時折農道も通るので途中迷子に!数分右往左往。
農道が下りていくルートが左の斜面か?右の斜面か?見当をつけて、何とか古道に戻れたり。なかなか手強い。


やっとのことで広い道に出た所に山口王子。スタンプだから押して、集落の中の道を下りきりました。
宮原小学校の裏手、ガソリンスタンドの向かいには「熊野古道ふれあい広場」が整備されていて、ココでトイレと小休止。おにぎりを食べ一服。午前12:30。丁度給食タイムで、小学校を見上げると白いエプロンを着た生徒が見えました。


広場を後にして古道を進み、紀勢本線の踏切を渡ると有田川。宮原の渡し跡を横目に長い宮原橋を渡ると、土手沿いを川上側へ。土手を下り、国道42号線を渡ります。
既に次の山が目の前に立ちはだかります。
糸我稲荷の脇、熊野古道歴史民俗資料館でスタンプを押して、先へ進みます。午後1:05。
もう慣れましたわw 蜜柑畑の中の道。次第に道幅が狭くなり、地道になり、傾斜が急に。脚のギアを下げてゆっくり登る。登り方も慣れましたw


有難い事に、竹藪の中のつづれ折りの手前に東屋の休憩所。チョコを食べて白湯を飲み、気合を入れて竹藪へ。あら、数分上がったら直ぐ糸我峠頂上wココもかつては茶屋があったそう。今、欲しいってw

ココからの下りはほぼ真っ直ぐ斜面を突っ切る感じ。

逆川王子でスタンプを押して、もう一つ、小さな峠を越します。方津戸峠。
午後2:15。

登りの途中、弘法井戸をパチリ。ウチの地元もそうですが、西日本各地にはこういう場所が有ります。弘法大師がチョンと杖で突くと井戸が湧いた的な伝説が有るんですね。

方津戸峠は普通に幅広い道なので苦もなく越したら、大きな道が枝分かれ。その真ん中に藪を抜ける小道。敢えてココを通る意味も無いようなw要は元々この細道が古道としてあって、クルマの時代になって右側の道が出来、大型車が通れるように左側の緩い道が出来た。という事ですね。しかし、県の観光課も馬鹿正直にw
地元の子供達の秘密基地みたいな数十mです。

下り切れば湯浅の町。もう今日はココまで。
本当は湯浅で一泊して、翌日御坊まで行くのも有りかなぁ。。。と思ってたんですが、いきなりの峠三連発で脚が厳しい!それにまだ3時前。予めチェックしていた温泉宿で立ち寄り湯して、帰る事に。湯浅警察の前で古道ルートを外れて海と反対側、小高い丘に見えるお城状の建物「湯浅城」へ向かいます。

本来の湯浅城跡のそばに建てられた宿泊施設で天然温泉も有るそう。露天風呂は無いですが、ほのかにトロミも有ります。湯に浸かりながら脚を揉んで、ゆっくり。
宿のお部屋は天守閣の中に有るそうなので、良い部屋は海も眺められるみたいですよ。

入浴料500円。

実は、湯浅のお目当て、もう一つあって、生しらす丼を出す食堂が幾つか有ると。まだ午後4時前だったので、湯浅の町へ下りてブラブラする事に。国道42号線沿いには大きな醤油屋さんも。お土産もいいなぁ。と思いつつ、紀勢本線の踏切を渡り、古い街並みが残るエリアへ。
街の一角にあるスタンプ台でスタンプを押しました。その向かいに渋い道標が。

江戸時代後期の物だそうです。「きみいでら」は読めましたw

湯浅の駅は建て替えられて、街の施設と一体化。2階は図書館ですが、行った日は休館日でした。一階の観光案内所で教えてもらったお店で醤油と金山寺味噌を購入。
時計を見たら午後5時になったので、目当ての食堂へ。生しらす丼を頂いて、一路大阪へ戻りました。
生しらす丼、初めてだったので美味しく頂きましたが、割高なので釜揚げでもいいかなぁ〜wとかね。

そうそう。今回のウォーキングで嬉しかったネタと言えばミカン。道端で売ってるアレ。
大阪市内のスーパーだと、ひと袋398円位で売ってる奴、買う気がしません。糖度高すぎるし大きいし。小ぶりで適度に酸味が有る奴が好き。正に希望通りの奴、道端に20個入り位で100円だもの。念願の理想の蜜柑、楽しんでおります。

かどや食堂

味の屋醸造 丸新

さて今回、スタートが8:15で湯浅到着が14:30だったので、6時間ちょっとの行程でした。
和歌山県の観光サイトのガイドマップでは、所要時間7時間とあったので、結構良いペースで三つの峠を越えられたのかなぁ?と。
熊野本宮までの中辺路を前に良いトレーニングになった一日でした。
大阪・天満橋からトータルで120キロちょっと。まだまだ先は長いですが。



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