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小林ひょうはく
2022年3月23日 22:23
数年前に書いたものです。1月微塵に散らばり、雪の形成を置き去りにし、形を得た空気が育ちのいい両の目を熱くした2月かつてのさざ波へ思考する塔は赤い毛糸を咥えて、私の証明を栞として持ち運んでいた3月古臭いタンバリンを鳴らす天秤はあいまいな輪郭線でとうとうと笑う4月風の中で どこへ行っても 虚構へ声がさまよい出でる 狭い浴槽で その律儀な骨格が 不甲斐なさを泣きながら咀嚼している