東京歌壇 掲載歌（2021年）

2021年に東京歌壇 東直子先生選で掲載いただいた歌は13首。投稿は粘り強く続けていたのですが、ふたたび掲載になったのは4月以降のこと。
いま見返しても、1首1首どれもわたしにとって思い入れのある大切な歌です。
しだいに、短歌のつながりのかたから「東京歌壇で見かける…」と言っていただけるようになりました。

2021.4.4 東京歌壇 東直子選

狂いゆくせかいの規則は守られて見知らぬひとが燃やすごみの日
 / 鈴木精良

2021.4.18 東京歌壇 東直子選

ひと知れず　くのじを組んで助けあうティッシュのような私とわたし
/ 鈴木精良

2021.5.2 東京歌壇 東直子選

きけんです　てをださないでと文字つよく、きみの部屋まで8階を押す
/ 鈴木精良

2021.5.30 東京歌壇 東直子選

一日のうちに幾度も緊張の運び屋になり泣きたいお釣り
/ 鈴木精良

2021.6.27 東京歌壇 東直子選　特選二席

のしかかる空の途方（とほう）にあのひとは傘を持たずに行ってしまった
/ 鈴木精良

2021.7.18 東京歌壇 東直子選

シーソーがわたしに沈みうごかない新月間近の公園にきて
/ 鈴木精良

2021.8.8 東京歌壇 東直子選

足もとのエスカレーター消えてゆく見ていたはずの幾筋の闇
/ 鈴木精良

2021.9.5 東京歌壇 東直子選

はじまりはまだらによごれゆく路地の昏い夕立、裏切るこころ
/ 鈴木精良

2021.9.19 東京歌壇 東直子選

生きものも死にものもこわいコンビニのコピー機横にころがる蜻蛉
/ 鈴木精良

2021.10.3 東京歌壇 東直子選

コンビニは灯る深夜の水族館　深海魚たちのゆるい回遊
/ 鈴木精良

2021.10.31 東京歌壇 東直子選

深夜とはふかく眠れる夜のこと　きみに深夜が足りますように
/ 鈴木精良

2021.12.5 東京歌壇 東直子選

仄暗（ほのやみ）の背中は砂丘つめたくて心のありかへ辿れなかった
/ 鈴木精良

2021.12.19 東京歌壇 東直子選

手づかみでゆるされていた頃があり、崩すピンクのバターケーキを
/ 鈴木精良

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