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ピンク色の毒

心の中に小さなギャルとヤンキーを飼っている。
飼うようになったきっかけは、就活の時にお世話になった就活ナビゲーターの人だった。

普段はとっっっても穏やかなその人が、
ある時「僕もね、そういうことあると、ふざけんじゃねえよって思うんですよねえ」って全然怒ってるように聞こえない、だけどちゃんとした毒を吐いてて、「あ、この穏やかな人の中にちっさいヤンキー住んでる!」となんかすごい嬉しくなったのだ。それからは私もピンク色の毒を吐く小さなギャルとヤンキーを自分の中に住まわせるようになった。嫌なことがあると、オラオラ言っていて可愛い。

時は変わって社会人の今。

これまた今の私のいるチームに、大海原のように大らかな上司の方がいらっしゃるのだが、この前席まで質問しに行ったら、クリームチーズを調べていて、微笑ましすぎて七福神の顔になった。「これか大海原の源!」と感激した。

趣味はなんですかと別の機会にお伺いしたところ、「趣味、と言えるものはないですけど、強いて言うなら近所の猫に餌をあげることですかねぇ」と言っていてまたもや大海原の源を発見した。とてもお仕事のできる方である。

本当は、みんなに「あのとっても穏やかな大海原上司ね、この前ね、パソコンでクリームチーズ調べてたんだ、超可愛くない?👀」とギャルみたいに話したくてしょうがないんだけど、これは貴重な発見だから自分の中だけにとどめることにしている。

愚痴とか文句とかは、私の体感、口に出した分だけ自分にのしかかってくる感じがしてどうも苦手だ。かと言って、溜まったものを全く体外に吐き出さないのは吐き出さないでよくない気がするから、いつもギャルとかヤンキーの力を借りて、可愛く放出させていただいている。

「は、なにその言い方めっちゃむかつくんだけどなめんじゃねーぞ!いいもん私帰ったらプリン食べるもん!プリン冷蔵庫にあるもん!超かしこくね自分?」みたいな感じで、同じ毒でも吐き出す時に可愛くなってりゃいいだろ思考で、毒をエスカレートさせない、自分の中で昇華する、みたいなことをいっつもやってます。相変わらず嫌なこと言ってくる人はいますが、私は10秒以上気にならなくなりました。

おとなな大人って、不機嫌を自分の中で処理できる人のことだと思うから、これからも心に住むリトルギャル&ヤンキーと仲良くやっていきたい。

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