昔愛した女たち
若人のハートはとても脆いもので、特にその脆さが顕著に出るのが恋愛だと思う。
大学時代に、なんであんなメンヘラな女の子と付き合ってたんだ?とか特定の人は、あるはず。
話は変わるが、私の音楽のお供はSONYのWALKMAN(MDカセット時代)→SONYのWALKMAN(mp3)→iPod nano→iPod classicと実に健全な歩みをしてきた。そして移ろいゆく現世は、戦国ストリーミング配信へ。
というわけで、ここ2年くらいはSpotifyにお世話になっている。速度制限を無視しながら、どんどんフォローを増やす。思いついたときに、聴きたかったあのバンドに辿り着けるのが嬉しい。CDを買え?懐古主義?レコード?知らん!という勢いで、家でも通勤途中でも、Spotifyさまさまで音楽を漁りまくっています。
そこで、ふと思い出してしまったのだ。
「oomph!ってまだ活動しとるんか...?」
oomph!というのはドイツのゴシックメタルバンドで、私が洋楽を聴くきっかけになったグループだ。
というのも、中学生の時ドイツ人のメル友(女)がいて、彼女はとにかく日本ギーク的な子だった。日本のV系バンドが好きで、私は特にV系は興味がなかったのだが、クラスメイトから仕入れた最新V系情報を渡した。そのお礼として彼女が教えてくれた【ドイツで唯一クール】なバンドがそれだ。
懐かしっ、と思い、Spotifyでoomph!を聴く。
ダサい・・・・・・・・
もう聞けば聞くほどダサい。電車で聴きながらつい顔を手で覆ってしまった。この恥ずかしさと言えば、スーパーでお母さんと間違えて知らないおばさんに「オカーサン!」と声をかけてしまった時の気まずさ・気恥ずかしさと同じくらいだ。
しかし。私は当時、このoomph!を筆頭に【ゴシックメタル】【インダストリアルメタル】に、どっぷりハマっていたのだ。
しかもなぜか、玄人からしたら、「いやこれはメタルじゃない」と怒られてしまう【微妙に各ジャンルのメインストリームにいない】人たちにめちゃハマっていた。
情報源は他人のブログと、ディスクユニオンメタル館のフリーペーパーのみ。日本版のCDはほぼ存在せず、さらには店舗で売っていないので、ネットで海外版を購入した。本国からの取り寄せだとなかなか届かない上、郵送料と合わせると8000〜10000円とかザラだった。(お年玉が消えた)
結局ライブは行かなかった(来日すら無かったのもあるけど)し、バンギャファッションもせずにいた。周りにメタラー仲間もいないので、ウォークマンで一人で聞いてたし、何よりも音量が小さい。人に迷惑を掛けない、人畜無害なメタラーだった。
今では代官山のライブハウスに平気で行くし、フジロックだって行けるし、最近流行りのジャパニーズ・シティポップだって聴いちゃう。無印の服だって着る。カレー粉からインドカレーも作る。
「なんであんな女の子と付き合っていたんだろうか」と、若人がかつての恋愛に”蓋をしたくなる過去”がるように、「なんでゴシックメタルなんて好きだったんだ?」と黒歴史を隠したくなる。そんな気持ちもわかる。が、メンヘラと付き合っていた時期だろうがなんだろうが、それらの過去の自分もまだ奥底にいるわけで、あの時自分の中で最高にクールだったのはゴシックメタル、インダストリアルメタルだったのだ。
さて、今日はここで、「昔愛した女たち」ならぬ、「昔愛したメタルたち」を紹介したい。
*MVが薄気味悪いものが多いので、閲覧注意です
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これが例のoomph!というバンド。今は知らないけど15年くらい前は本国ドイツでは結構人気だったらしく、とはいえ「rammsteinになりきれなかった人たち」と紹介されることも多い。そして、ゴシックメタルのMVにはありがちな、エログロなんでもござれ風。幾つかのMVは年齢制限があります。そこもrammsteinにかなり影響を受けてるよね・・。augen auf!は、確かaugen=eyes auf=openで、「目を開けろ!」というタイトル。途中で数字を数える歌詞があるんだけど、これだけで「ドイツ語カッケー」てなって少し勉強したけど一瞬で挫折しました。
evereveというバンド。ちょっと音色が北欧っぽい気がするけど、この人たちもドイツ人。House of the Rising Sunは各アーティストがカバーしている超有名曲。evereveで検索すると一番上にヒットするのがこのカバーだから、カバー曲が一番有名なんじゃないかな・・。私がこのバンドを知ったのは、ディスクユニオンメタル館のゴシックメタル特集。Stormbirdsという黒鳥のアルバムが本当に幻の神アルバムだと聞いて、探しても購入ができず。ちゃんと購入したのはこのregretっていうアルバムだけだったかな。この度10年越しに、spotifyでStormbirdsの配信を聞けました。うわーよかったね!
もう見た目がマリリンマンソンですね。スウェーデンのインダストリアルメタルバンドです。調べてみたらまだまだ活動しているみたいでよかった。これまたダーク界隈のテンションなのか、MVが色々と気持ち悪い。趣味が悪すぎる。でも、「デス・スターズ」なんてバンド名を掲げながら、2000年からずっと厨二病的世界観をしっかりと維持しているのも凄いと思うんです。
これはpainというバンドで、確かスウェーデンだったかな。ピーターなんちゃらさんという音楽プロデューサーの個人名義のバンド。ちなみにJKだった時、学園祭の課題研究でこの人のアルバムの考察をした。何をやっていたんだ。
これもスウェーデンのバンドでopeth。自分が聞いていた中で一番メジャーな人たちだと思う。肩書きが長くて、プログレッシブメロディアスゴシックデスメタルバンドとか言ってる人もいる。(スタバのオーダーみたい)Blackwater Parkは正直とても聞きました。アルバムによって気分がコロコロ変わる人たちなので、「え?YESに影響受けました?」みたいなプログレのアルバムもあれば、クラシック・カントリー調の曲もあるし、とか思ったら地獄の底から這い上がったような凄まじいデスボイスを聞かされることもある。
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とりあえず、現段階で思い出せるのは以上です。
誤解をしないでいただきたいのだが、ダサいダサいとか言いながらディスっているわけではなく、本当にかっこいいミュージシャンたちなのです。
もし、ゴシックメタル・インダストリアルメタル聴いてみようかな?なんて人が居たら参考にしてもらえると幸いです。
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