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社会とつながる

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僕は学者でもコメンテーターでもないけれど、社会の中で生きるひとりだ。 それなら僕も、社会について思いを馳せることが必要だと思う。
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#LGBT

日本人は人権を知らない

アメリカの人種差別に反対するデモがすごいことになっている。 こうした状況に言及して「日本では差別というのは身近ではないかもしれないが……」というような発言をいくつか目にして、僕がふと思い出したのは「人権標語」のことだった。 日本全国のさまざまな自治体で「人権標語」を公募して、受賞作を看板にして街頭に立てたりしている。特に田舎で多いような気がする。名目は「人々の人権意識を啓発しよう」。 ところがこの「人権標語」の受賞作を眺めてみると、日本の社会に「差別から必死で目を背けようと

マイノリティは「あちら側」の人たち?

週末に我が家に恋人が遊びに来ていて、「わたしはポリアモリーです、って宣言したりするの、なんか違う気がするんだよね」という話をしたりした。 僕はかつて「僕はポリアモリー」っていうブログ記事を書いたけど、確かに今になってみると「これって宣言するようなものじゃないかもな」と思ったりもしている。 ポリアモリーは「性質」なのか「ライフスタイル」なのか、っていうのがたびたび話題になる。「性質」というと属人的で、「人」が(先天的であれ後天的であれ)そういう特徴をもっているということにな

恋愛・性別・関係性の多様性について

TRP(東京レインボープライド)が行われているので、タイムリーな話題を。 まず「LGBT」という言葉について。 この言葉がマスコミに取り上げられたおかげで、 「恋や性別の形に多様性がある」という認識が広まり、 これまでひそひそと語られていたそれらが「話題にしていいもの」になったという功績は大きい。 それは理解したうえでも、やっぱりこの言葉で「恋愛や関係性や性別の多様性」を説明するのはあまりよくないな、という気持ちはある。 聞きなれず覚えづらい「LGBT」という言葉を使うと