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個人名義vs法人名義:不動産投資で最適な選択を見つけるガイド

不動産投資における大きな迷いの一つ、それは「個人名義で購入すべきか、それとも法人を設立して法人名義で購入すべきか?」という問いです。

記事執筆者である私、ニャルKも、この問題について何度も悩み、様々なセミナーに参加しました。その結果、私は最初に個人名義で収益不動産を購入し、その後法人を設立して法人名義で収益不動産を取得する道を選びました。

しかし、この問いの答えは一概には出せません。なぜなら、個人名義と法人名義、どちらを選ぶべきかは、みなさんが現在置かれている状況や、今後どこまで不動産賃貸業を拡大させていきたいかによるからです。

一般的に、法人の税率は個人よりも低いですが、個人の年収によっては法人税率の方が高いこともあります。また、法人を設立すると年間の法人住民税7万円が必要になり、その他の維持費も発生します。

そこで、この記事では、個人名義と法人名義、どちらが適しているのかを判断するための具体的なポイントを明確にし、この問題を解決するお手伝いをします。


大前提

そもそも、明らかに赤字になる不動産を購入するのであれば、わざわざ法人設立する必然性はなく個人所得の節税になるので、個人名義でOKでしょう。

このため、以降はあくまで黒字決算がだせる不動産を購入することが前提で、法人と個人の税率の違い、法人/個人のメリット・デメリット、結局どうしたらいいの!?といったところを詳しくみていきます!

法人と個人の税率の違いについて

まずは、個人所得がすでに高い人が、収益不動産を購入する場合、法人名義にしたほうが税金が安くなる傾向があります。この点について個人と法人の税率の違いの観点から詳しくみていきましょう。

個人の税金

個人の税金は課税所得金額(社会保険など控除後の金額)が900万円をこえた辺りから、一気に43%と高くなります。

課税所得金額ごとの税率

0.1万円   ~   194.9万円:15%(所得税5% 住民税10%の合計)
195万円  ~   329.9万円:20%(所得税10% 住民税10%の合計)
330万円  ~   694.9万円:30%(所得税20% 住民税10%の合計)
695万円  ~   899.9万円:33%(所得税23% 住民税10%の合計)
900万円  ~   1,799.9万円:43%(所得税33% 住民税10%の合計)
1800万円  ~  3,999.9万円:50%(所得税40% 住民税10%の合計)
4,000万円 以上                 :55%(所得税45% 10%の合計)

http://www.santanda.com/info/info_7.html

なお、税額は各水準をこえた分に対する税額です。
例えば、課税所得金額が1000万円なら、900万円から超えた100万円に対して、43%となります。(1000万円に対して43%の税金がかかるわけではないです)

また、個人の場合は、青色申告をすると、税金計算時に65万円控除を利用することができるというメリットがあります(法人にはないです

法人の税金

一方、法人税については、中小企業の場合、おおむね21~33%程度になります。

以下の表は東京都の中小企業の法人税の実効税率です。

所得金額合計税額

400万円まで21.4%
800万円まで23.2%
800万円以上33.6%

http://www.santanda.com/info/info_7.html

税率の比較シミュレーション

個人の課税所得金額が950万円の場合、購入する収益不動産の黒字が300万円の場合について、個人名義/法人名義での税率についてシミュレーションしてみます。

個人名義で不動産を購入すると、、、

不動産の利益300万円に対して、青色控除65万円適用後(235万円)の43%の税金101万円が課税されます。

法人設立して法人名義で不動産を購入すると、、、

不動産の利益300万円に対して21.4%の税金64万円が課税されます。

このような場合は、個人の青色控除65万円を加味しても、法人のほうが節税効果が高く、法人設立も検討してもよいでしょう。

法人のメリット・デメリット

税率の違い以外にも、その他の法人個人のメリット・デメリットもあるので、もう少し詳しくみていきましょう。

法人のメリット

・所得が高額な人は税率の関係で、法人のほうが税額がさがる

 (要は不動産を買い進めるを極めるなら法人名義が有利)

・黒字さえ出していれば、法人名義の残債が個人の住宅ローン審査に影響しにくい

・黒字法人決算書を3年程度、積み重ねると、信用力があがり、サラリーマンをやめても融資を受けやすい状態をつくることができる

・経費にできる範囲が広い

・不動産購入後5年以内の短期売却の税金が個人より安い

法人のデメリット

・赤字でも必ず固定費(法人住民税)が7万ほどかかる

・法人の確定申告が必要であり、一定の時間的・金銭的負担がかかる(個人の青色申告をできる知識があるなら、自分でもできるものの、労力がかかります。外注するなら税理士に10万程度は支払う必要ありますし、最低限領収書などの整理はする必要があります)

・個人の青色申告控除のような控除がない

個人のメリット・デメリット

個人のメリット

・個人所得が低い場合、法人税より税金が安い

・法人でかかる法人住民税のような固定費がない

・青色申告控除65万円が使える

個人のデメリット

・個人所得が高い場合、法人税より税金がかなり高くなる

・5年以内の不動産の短期売却の税率39.63%(2021年現在)がかなり高く、たまたま有利な売却先がみつかっても、かなりの税金をとられます

・融資を組む場合、この残債額が住宅ローン審査に影響します。数百万程度の不動産投資ローンなら、大きな影響はないと思いますが、個人でどんどん買い進めて残債が8000万とか超えてくると、住宅ローンは組みにくい傾向が強くなります。

結局どっちがよいの?

以上、メリット・デメリットがあることがわかったと思いますが、結局、法人名義、個人名義どちらで収益不動産を買うのがよいのでしょうか?

こちらは状況に応じて変わってくるので、状況ごとにみていきましょう。

①不動産の経験や知識がある程度あり、かつ年収が高い方

法人で購入したほうがベターです!

②それ以外の方

個人で小さめの物件1つ買ってみて、不動産に向き不向きを確認してみるとよいと思います。その上で、真剣に不動産投資を継続したいと感じて、2棟目を買うときに、法人設立するかを、改めて検討すればよいのではないでしょうか。

この記事の筆者ニャルKも、このパターンで、最初は個人名義で収益不動産を買っていました。その後、ある程度不動産になれて、不動産投資を続けていく自信がついてから、法人設立しました。現在では、法人名義で収益不動産を購入しており、法人決算も4期以上、行っています(^^/

※注意点:自宅購入と住宅ローンを使う予定がある場合

高額な収益不動産を個人名義でローンをくむと、その後、自宅を購入する際の一般的な金融機関での住宅ローンのハードルはあがる傾向があります。

なぜなら、一般的な銀行では、自宅購入時の返済比率(ローン返済額 / 収入額)計算時に、ローン返済額に収益不動産のローン返済額も含める場合が多いためです。

(フラット35など、2022/04時点では、収益アパートローンについては審査に影響しないケースもあり。なおフラット35でも、収益戸建てのローンについては審査に影響します。)

一方、高額な収益不動産を法人名義で購入した場合、基本的に住宅ローンの審査に悪影響はありません(なお、法人名義で購入して、決算が赤字になってしまった場合は、住宅ローン審査に影響する場合があります。)

まとめ

いかがだったでしょうか、なかなか、迷いがちな部分ではありますが、あなた自身のご状況にあわせて法人設立タイミングを決めていきましょう!

なお、法人設立費用を最安値で設立する方法(合同会社4万円、株式会社8.5万円)も紹介していますので、あわせて読ので頂けると嬉しいです!

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