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無料から使えるオンラインホワイトボードSaaS miro(米)

今日は、コラボレーションホワイトボードプラットフォームの「miro」を紹介します。チームのブレストやプランニングが、いつでもどこでもできてとても便利なので、日本語対応する前から使用していた方もいるかと思います。2021年には日本法人も設立されました。
ミーティング、ワークショップ、ブレインストーミング、アイデアセッション、アジャイルワークフローなど、さまざまなシーンで使われています。

miroについて

miroは、2011年に設立され、直近2022年1月のシリーズCラウンドで$400Mの資金調達を実施して、時価総額は$17.5Bのユニコーンになっています。2021年の営業収益は$57Mです。


miroの特徴

miroは、オフィスやミーティングルームにある「ホワイトボード」を使って行う仕事をオンライン上でできるツールです。
例えば、図形を使った説明、ふせんでアイデアを貼ってグルーピング、デザイン素材の投票する、簡単なメモ書き、マッピングを使った整理など。
しかも、miroは無料から使用できます。

miroのマーケティング

miroのマーケティングについて説明する前に、PLG型とSLG型について触れておきます。

・PLG型
Product-Led-Growthの略です。「プロダクトがプロダクトを売る」と表現され、セールスが自社にプロダクトを売り込みに行かなくても、勝手にプロダクトの利用が広がっていくようにして事業が成長します。
分かりやすい事例だとZoomが挙げられます。Zoomを導入した方の多くは、Zoom社の営業担当からZoomの売り込みを受けたわけではないと思います。恐らく、誰かとのオンラインミーティングの際にURLが送られてきたことなどをきっかけにZoomを認知し、無料アカウントで使ってみて便利だと感じたので、もう少しがっつり使いたいと思って有料アカウントに切替する。そして、また誰かとのオンラインミーティングの際にZoomのURLを発行して相手に送る。
という感じでプロダクトがバイラルで広がっていくのがPLG型の特徴です。

・SLG型
Sales-Led-Growthの略です。こちらは、「セールスがプロダクトを売る」です。一例として、Salesforceが提唱している営業プロセスのThe Modelを例に紹介します。

マーケティングがデジタルマーケティング等でリード獲得とリード育成を行い、商談にできそうなリードにインサイドセールスが電話をかけてプロダクトのデモをセットします。デモをセットしたら、フィールドセールスに振り分けられ、各担当者がクロージング(成約・失注)までを担います。成約したら顧客としてカスタマーサクセス(CS)に移行し、CSがプロダクトを使いこなせるようオンボーディング(導入時のガイダンス)を行い、その後も継続的に不明点の解消、解約の予防、プランアップグレード等のアップセルを行います。

プロダクトにとって、どちらがより相性が良いのかを考えながらプロダクト及びマーケティングを考えることが非常に重要です。
miroは前者のPLGを選択しました。
(後でも触れますが、PLGとSLGは完全にどちらかに振り切らないといけないわけではないです。上手く使い分けながらマーケティングを考えていくことも大切です。)

セルフサーブ型とフリーミアム

PLGの場合、プロダクトの内容はもちろんですが、売り方や料金形態にも大きく影響します。売り方は、セルフサーブ型で、料金形態はフリーミアムになることがほとんどです。

・セルフサーブ型
セルフサーブ型とは、プロダクトをユーザーに提供する場合に自社の社員が手取り足取りガイダンスをするのではなく、ユーザー自身で使い方を理解し、使いこなしてもらうことを指します。
PLGの場合、とにかく多くの方にプロダクトを体験してもらい、拡散してもらう必要があるため、すべてのユーザーにきめ細やかなオンボーディングを行うことは現実的ではありません。Zoomの例でも、Zoomの使い方をZoom社の方からレクチャーされたことがある方はあまりいないかと思います。そのため、プロダクトも説明不要で直感的に扱える使いやすさが求められます。

・フリーミアム
フリー(無料)でもある程度利用ができて、より高機能な使用をしたい場合は有料プランにアップグレードするという料金形態がフリーミアムです。スマホゲームで、基本無料でプレイできるが強くなるためには課金アイテムが必要なのもフリーミアムモデルです。
PLGの場合、自然とプロダクトが拡散される流れをつくる必要があるため、有料プランではないユーザーは使えない、参加できないということでは、広がりが生まれません。Zoomの例でも、Zoomでオンラインミーティングをすることは誰でも無料でできますが、40分以上のミーティングをしたい場合はミーティングホストが有料プランでなければならないかと思います。

マーケティングにおける3つのポイント

miroのマーケティングにおける3つのポイントは、「シンプルなユーザー体験」「バイラルする仕掛け」「課金するロジック」です。

・シンプルなユーザー体験
miroは、日本語対応していなかったにも関わらず、多くの日本人が使っていました。これは、言葉による説明を読まなくても使い方がわかるくらいシンプルかつすぐに価値を実感できるということを示しているかと思います。
miroにおいては、特に豊富なテンプレートが重要な役割を果たしています。実際にホワイトボード上で行われるであろう用途に合わせてマインドマップやカスタマージャーニーマップなど具体的なテンプレートをたくさん用意し、毎回線を引いたり図形を書いたりしなくてもよいのは煩わしさの解消にもなります。

・バイラルする仕掛け
miroがPLGに向いている要素として、コラボレーションツール(複数人で共同作業するツール)であるということが挙げられます。miroを使えば使うほど、これまでmiroを知らなかった方にもmiroを認知し、体験してもらう機会が生まれます。ZoomやSlack、Dropboxなども当てはまりますし、日本だと調整さんもですね。また、体験はしてもらえなくても無料プランの際にはプロダクトのロゴなどを掲載して認知してもらうパターンもあります。

・課金するロジック
無料プランと有料プランとの機能の違い、有料プランの価格設定などはマネタイズにおいて非常に重要です。また、有料プランにした後も機能のアップデート状況や価格改定などで解約、ダウングレードが続出するなどもあり得ます。また、基本的にB向けのプロダクトでもユーザー単位での課金となるため、価格設定もC向けのプロダクトに近い料金体系となり、高くても月額数千円〜数万円/人ということが多いかと思います。

PLGは、プロダクトの磨き込みと顧客満足度が優先で、マネタイズは二の次になることからマーケティングにおいて顧客獲得コストをかけることが難しいです。
SmartApproachは、顧客アプローチを最適化することを目的としたマーケティングSaaSのため、SLG型だけではなく、PLG型向けのマーケティング施策(シナリオ)提案も豊富です。マーケティングの対象もリード獲得だけでなく、リード育成や顧客満足度向上など中長期的な目線で顧客に支持されるプロダクトになるようマーケティングを最適化します。また、近年SLGからPLGへマーケティングアプローチが移行しつつあることもあり、従来はSLG型でアプローチするようなプロダクトでもところどころPLG寄りなアプローチを加えるケースも増えてきています。無料から試せますので、まずは使ってみてください。

SmartApproachとは?

よいサービス、製品が、きちんと世に広まる社会の実現を目指して、これからサービス、製品を広めていくスタートアップ(挑戦者)のマーケティングとその資金をサポートするSaaSプロダクトです。


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片山 幹健 |Social Bank
SmartApproachのテスト利用に付き合ってもいいよ(無料です)という企業さんや、事業立ち上げ手伝ってもいいよ(今6人ですが、ほぼ副業メンバーです)という方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただけますと嬉しいです。よろしくお願いいたします。