一万円選書
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8201217.html
面白かった。
本を介したコミュニケーションとしても、本屋というビジネスモデルの新しい形としても、単純に本の素晴らしさを楽しむというスタンスも、好きなことは大変でもやれるんだということも
この方のことをご存知の人も多いのかもしれなが、この本を読むまで知りませんでした恥ずかしながら
https://iwatasyoten.jimdosite.com/%E4%B8%80%E4%B8%87%E5%86%86%E9%81%B8%E6%9B%B8/
自分のことは自分で決める、自分で決めたことに邁進することに意味がある。そういうことが大切であるという価値観が強い時代のだと思う。インターネットによってコミュニケーションのスピードが爆上がりしていて、SNSなどを介して他人の意見や行動がすごいスピードで流れていく、そんな情報と自分の今を比べながら、もっともっと自分で何かをしなかければいけない、決めなければいけないという思いに駆られる。
そんな時代にあって人に何かを託すこと、自分が読む本を人に選んでもらうこと、それが顔も見たこともない他人だとするとどんな気分なんだろう。本を選んでくれる人は「選書カルテ」という限られた情報だけで、その人に会う本をじっくり探してくれている。届くのは本と手紙だけなので、その人がどんな気持ちでそれを選んだのかは、選ばれた本を読んで考えるしかない、たぶん選ばれた本を全部読まないと考えられないだろう。
選ばれた本だからこそ、手に取るたびに、ページをめくるたびに、自分で選んだのとは格段に違う価値が生まれると想像できる。
本を選ぶことに経済的な付加価値をつけるのではない、選ばれた本と自分で選んで買う本には経済的価値は変わらない、でも読書から生まれる価値は全く違うように思える。
売る本の経済的価値も変わらない、ただ岩田さんのやられていることはその行動に価値が付加されていく、結果としてそれは経済的価値を生むのかもしれないけれど、先行するのは本を読んでもらいたいという気持ちが生む価値であると思う。行動の意味に価値があり、結果として経済的価値がついてくる。それが理想だなんてことは、ただの理想を求める言葉でしかないのだけれど、そんな世界がちょっとずつでも広がれば、と思う。