fudo_tsuyoshi

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Fstudio主宰 Fstudio一級建築士事務所 https://www.f-studio.jp/ 兵庫県淡路島在住 https://www.instagram.com/f_studio_awaji/?hl=ja

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最近の記事

土地を継ぐ家 断熱

淡路市に建設中の住宅の断熱についてnoteしていく。 淡路島は気候の地域区分は6地域なので、比較的温暖な地域に割り当てられている。 6地域の場合の断熱等級はUA値でいくと 等級5:0.60、等級6:0.46、等級7:0.26 この家の断熱性能はUA値=0.31なので、等級6(HEAT20 G2)ということになります。 G2とG3の間くらいを狙いました。 断熱の構成としては 屋根:ネオマフォーム90mm+30mm 床:ネオマフォーム90mm 壁:グラスウール(高性能16K)10

    • 土地を継ぐ家 瓦屋根

      メインの屋根である瓦葺きが完成しました。 瓦は大栄窯業さんの「銀古美」で軒は一文字です。 瓦屋根を採用することは設計を始めたときから決めていた。https://note.com/fudo_tsuyoshi/n/nc7e7381b7cfd 自分が住んでいる集落の風景、自分の記憶、大切にしたいもの、屋根としての性能、など考えても瓦屋根しか思い浮かばなかった。 どんな瓦にするか、集落には昔からあるいぶし銀の瓦屋根で葺かれた建物がまだまだ残っていて、この風景を残したいという気持ちがあ

      • その先の風景

        「知らんがなラジオ」というポッドキャストのある回のタイトルです。 https://podcasts.apple.com/jp/podcast/知らんがなラジオ/id1521191796 内容の結論を先に言うと、ものを作ることを考えるときにそのものを作る・使うことの先にある風景を考えてものを作ろうという内容のものでした。とても興味深い内容だったので、この内容についてnoteします。 ちょっと難しいというか抽象的な話になりそうな予感です。 デザイン・機能・スタイル 冒頭はもの

        • スモールハウス

          「スモールハウス 3坪で手に入るシンプルで自由な生き方」 著者:高村友也 2018年4月初版 6つのスモールハウス 作中では6つのスモールハウスが紹介される。作者自身もスモールハウスでの生活を日本で行っていて、作者の物以外の海外の事例が本書では紹介されている。それぞれ特徴があるが、もちろんどれも小さい。そしてその大半はオフグリッドである。建築物とならないようにした結果がオフグリッドになったのかもしれないが、小さいからこそオフグリッドであることは自然に思えるから不思議だ。大

        土地を継ぐ家 断熱

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          BIM利用技術者試験

          BIM利用技術者試験というものを受けました。無事に一級に合格することができました。よかった。今回はこの試験について感がることをnoteしたいと思います。建築の専門的なことになるので、専門領域でない方はよんでも面白くないかもしれません笑 BIMについてどう考えているかについては、また改めて書きたいと思います。 BIM利用技術者試験について 以下はBIM利用技術者試験のホームページからの「試験の特徴」の抜粋です。 「BIM利用技術者試験」は、BIMを利用する建築・建設エンジニ

          BIM利用技術者試験

          瓦屋根の魅力

          お世話になっている瓦業者さんに案内していただき、瓦葺きの建物を見せてもらいました。 一つ目は「東林院弥勒堂」。とても美しい屋根であり、建物だった。古代いぶしのマットな質感の本葺きの屋根は、とても美しいスカイラインだった。なんとも言えない曲線の作り方をお聞きしたところ、とても大変な施工ということだった。見ただけでは分からないこだわりと苦労がこの魅力を作っているのだろう。瓦屋根の美しさはもちろんのこと、外観とのバランス、プロポーション、とても勉強になる。 もう1つは古民家を改修

          瓦屋根の魅力

          増改築プロジェクト 上棟

          生駒市で進んでいる住宅増改築が上棟しました。既存門屋の屋根の下に潜り込むように3方向に増築する形はグッと高さを押えています。既存屋根との接合部分を大工さんがとても丁寧に施工してくれました。3方向に複雑な平面形状で建物が回っているので、隅の部分はとても複雑な施工になります。それも大工さんがとても丁寧に仕事してくれています。本当に感謝します。 限られた敷地で小さな住宅を実現するために、平面形状が一見シンプルだけれど、架構は複雑になりました。絵で描くのは簡単かもしれないけれど、こ

          増改築プロジェクト 上棟

          時の納屋

          「時の納屋」に行ってきました。 https://sanuki-sa.jp/tokinonaya/ アプローチがすごくよかった。駐車場を遠くに配置して(近くの駐車場もあるけれど)、低い丘の上にある建物に近づいていく体験はとても気持ちいい。建物に近づくように丘の上に上ると海の眺望がワーッと広がる、とてもいい経験でした。一緒に行った娘もワクワクしていたように見えました。 建物の外観はとてもシンプルで切妻屋根の上に明り取りの屋根がかかっている。建物の入口のアプローチ部分に少し軒を

          土地を継ぐ家 上棟

          土地を継ぐ家、上棟しました。 山型の梁を架けるシンプルな構成で力強い木造でシンプルな架構を目指しました。新たに生まれた小屋のような建築は裏山の大きな風景に包まれるように馴染んでます。 「土地を受け継ぐ力強い小屋のように」のコンセプトがよく表れています。 この住宅の敷地は進入路が細いのですが、何とかクレーンを入れてもらい、山型の梁を吊り上げながら施工していただきました。大工さんの作業を見る子どもたちの目は尊敬の眼差しでした。 山型の梁は室内に見せるので、金物が見えないよう

          土地を継ぐ家 上棟

          土地を継ぐ家 基礎・土台工事

          以前の記事でこの家の基礎について触れています。 https://note.com/fudo_tsuyoshi/n/n7ac1040b071a この基礎と土台ができてきました。 基礎はこんな感じ、型枠ができた時点で「なんだか不思議な基礎ができてきたな」と思っていました。埋戻しが終わった光景をみて思ったことはべた基礎で作った部分はやはり土に対して痛々しく見えること。水回りも倉庫も独立基礎の考え方を徹底することはできたのかもしれない。これについては今後の課題として抱いておきたい。

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          増改築プロジェクト 申請どうする?②

          既存建物に増改築を行うプロジェクトでは既存建物を現行法規に適合させる必要があります。経緯についてはこちら。ではその現行法規適合をどのように申請したか、noteしていきます。 かなり専門的な話題になります。申請関係は一般的にこの手法がいつも使えるとは限らない(特定行政庁との協議による)ということもあり、広く公開すると誤解を生む可能性があるので、有料化してみます。

          ¥100

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          面白かったもの 出版区

          今回は仕事とは全然関係ないことについて。YouTubeでふと見つけた(リコメンドに上がったのだと思う)「出版区」というチャンネル。これについてnoteしてみる。軽くネタバレあるかもです。 https://www.youtube.com/c/shuppunk 誰がやっているの? このチャンネルを開設しているのは、株式会社トーハン、本の問屋さんである。YouTubeチャンネルの紹介文には以下のようにある。 「本屋さん巡り」「本の内容検証」「やってみた動画」などなど、 本や本屋

          面白かったもの 出版区

          地方にいることの捉え方

          淡路島という地域に住み、事業を起こし、働いていることをどう考えるか。地方とひとくくりにすることをあまり好まないし、地方自慢をするべきでないと思っている。ただ自分がいる場所をどう意識し、自分の暮らしや活動にいかしていくかは大切である。地方に起こる変化という点でnoteしてみる。 地方に起こる変化を肌で感じる 地方に起こる変化は色々と予測されているが、人口減少・少子高齢化というワードは真っ先に思い浮かぶ単語だろう。まさに今その変化が起こっているのだと思う、少子化により統廃合が

          地方にいることの捉え方

          設計ツールと協働

          建築設計においてやり方は本当に色々とある。設計の目的はいい建築を実現することであり、ツールはその手段でしかないと思う。だが、どんなツールと手法で設計するかによって結果が変わってくるのも事実だと思う。前回書いた地方建築士の協働においても設計ツールがとても重要な役割を果たしていたし、これから続けていくのならそれがとても大切になる。 建築設計はお客様との協働でもある、設計過程でいかに具体的にイメージしてもらい要望や意見を出してもらうかということが大切だと考えている。これは設計者によ

          設計ツールと協働

          最近読んだ本

          センスの哲学 センスとは何かについて、書かれている。リズム、意味のリズムといったキーワードで書かれている。この本でのセンスとは見る目であり、いわゆるセンスの有無とかではないというか、センスの有無にとらわれずに、意識の問題としてものを見る目や考え方をとらえようという試みであるように思える。 生きのびるための事務 この本で書かれている「事務」の意味というか取り扱いがとても面白い。目標を明確にして、それに必要なことをやっていく、世の中の社会常識のような「こうあるべき」ではなく

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          地方建築士の協働

          今年2024年の3月に設計・監理を行っていたオフィスが竣工した。敷地は長崎県諫早市である。兵庫県淡路島で設計事務所をしている私がなぜ長崎県で設計したのか。このことについて書いていく きっかけは大学の先輩に誘ってもらったことだった。私より何年か先に事務所をやめて地元長崎に戻っていた、同じように地方で独立した私を気にかけて連絡してくれたのがきっかけだった。その先輩のもとにこのオフィスのプロジェクトの依頼がきた。今回協働することになったのは下記の意図だった。これは設計を進めた結果と

          地方建築士の協働