【レポート】コミケの歩き方〜初参加でも怖くない〜(C104)
おはようございます。筆折れば名無しです。
8月11・12日に第104回のコミックマーケット(コミケ)が開催されました。コロナ禍を乗り越えて数度目の開催。
「行ってみたい」とは思いながらも引き伸ばしにしていたコミケ。しかし私の大好きな『公務員、中田忍の悪徳』の著者がアフターストーリーをコミケで発売すると聞き、良い機会だと初めて参加してまいりました。
ちなみに私がどのように参加したかというと……
コミケ最終日(2日目)の午後に、
当日券をその場で購入して、
何の準備もせずに
参戦してきました。
つまり、コミケのことをまったく知らない人だったとしても
ぶらりと立ち寄ることができるということです。
神格化されすぎたコミケ
オタクカルチャー、サブカルチャーが世間にも受けいられるようになって久しくなりました。
いまだオタクへの差別意識が残っている世代や地方もあるかもしれませんが、オタクであることを隠さないといけない時代は終わりました。
それに伴ってオタク文化のメディアへの露出は拡大。またお昼のニュースにさえもコミックマーケットが取り上げられ、TVではコスプレイヤーが登板したり……
萌えやアニメが身近になりました。コミックマーケットもある側面ではその通りでしょう。何と言っても、一目で見ただけでは渋谷や新宿にいそうな若者やカップルも参加しているのですから。
一方で露出が増えるたびにコミケの神格化も進行したように思います。
TVが視聴者受けを狙って報道する
ゴテゴテに着飾ったコスプレイヤーとそれに群がるオタク
典型的なオタク像を喚起する人へのインタビュー
開幕ダッシュ
コミケ雲
アニメや漫画でも、コミケが取り上げられては
青春や夢という文脈の舞台装置としてのコミケ
コミケは遊びじゃない! を思わせる戯画化されたコミケ像
とコミケは誇張されてきました。
ラーメン二郎のミーム化やネタ化に近い感じですね。
ガラパゴス化された文化や、呪文のような注文(ヤサイマシマシカラメマシアブラスクナメニンニク)など。
メディア露出によりコミケへの関心は高まる一方で過度な神格化によって参加ハードルを上げてしまった側面は否めないでしょう。
しかし私も参加してみましたが、そこまで殺伐とした感じはありません。
各々がそれぞれの楽しみ方ができる、そうした場所でした。〇〇好きと〇〇好きが集まって交流する和やかな雰囲気に包まれています。
中にはコミケを体現したようなオタクもいましたが、それで他の参加者が被害を被ったり、不快感を覚えたりすることはありません。良い意味で個人主義的で、多様性と寛容さを併せ持っています(話は逸れますが、昨今うるさい《多様性》とはこうした空間なのではないでしょうか)。
コミケの歩き方
A:入場方法
ここではサークル出店やコスプレ参加ではない、一般的な参加方法について説明します。
入場料の支払い方法は
1️⃣チケット購入(事前抽選、事前販売)
2️⃣リストバンド購入(事前・事後)
と2つの手段があり、入場希望時間によって支払い方法が異なります。
1.アーリー入場 10:30~ チケット購入
2.午前入場 11:30~ リストバンド購入
店舗販売&通販
3.午後入場 12:30~ リストバンド購入
店舗販売&通販
現地販売
ややこしいことに、入場時間や購入場所によって金額が異なります。
たとえば、
午後入場×当日販売=1000円
午後入場×店舗販売=440円
そしておそらく一番難しいのが、「午後入場×当日現地販売」でしょう。私の採った参加方法です。ただし、基本的に大量に脇道に突っ立っている案内係の声を聞き逃さず、案内板に従えば問題ないでしょう。
1.ゆりかもめ『東京ビッグサイト駅』で下車
オタクの祭典ですから駅を出た瞬間に案内板と係員がいますので、「当日券購入はこちら」の指示に従いましょう。事前にチケット・リストバンドを購入した人とは道が異なるので、ボケーっと前の人に付いていくのはやめたほうが良さそう。
2.販売場所までの行列を進む
今年は西地区が販売場所でした。販売場所は公式WEBにある「当日案内・諸注意のC104版」を御覧ください。今年の冬はC105版が更新されることでしょう。
⚠係員の誘導と案内板の指示が矛盾しているところがあります。正しいのは係員ですから、イヤホンをしてると迷ってしまうかもしれません。迷ったときは係員に聞いてしまいましょう。不親切な案内が悪いのであって、あなたが悪いわけではありません。私も「ここで合っていますか?」と聞きました。
3.購入する
お釣りがないようにしましょう。お釣りが出る場合は、「お釣り出る人専用列」みたいなところに回されてしまいます。事前準備として並ぶ前に入場料を調べておくのが吉。今年の入場料は1000円でした。
当日券(リストバンド)だけでも相当の人数が並んでいました。あの人数をさばくことを考えると、今後も細かな小銭が出るような入場料にはしないはずです。
4.コミケに参加!
リストバンドを購入したら腕に巻き付けて参加します。1日で13万人来場する超大規模イベントです。入口と出口が分かれているので指示に従いましょう。リストバンドの確認方法ですがすごくザルです。入口付近でリストバンドの腕を掲げるだけ。それを遠くから係員が目視で確認。悪巧みしちゃだめですよ…?
ちなみにリストバンドは破りにくい素材になっています。帰り際にひとっ風呂浴びようだったり別の観光地に行く予定があるならば、携帯用ハサミを持っていくか、余裕を持って腕に巻くのがよいでしょう。
B:内覧
1.楽しみは最初に!
人気のサークルの商品はすぐに完売してしまいます。一番のお目当て・目的は一番最初に達成しましょう。まだ時間は十分にあります。サークル側もSNSで出店場所を告知しているはずです。
会場地図がなくても、東地区・西地区・南地区がどこにあるかわかれば迷うことはないでしょう。
例えば……
2.目的を決めよう!
コミケに参加するサークルは約2万店!!
サブカルチャーの坩堝であり、アニメ、鉄道、戦艦、画集、R18同人誌、コスプレイヤー同人誌、音楽、数多の同人グッズ etc……
大まかにでも目的を決めないと、何がなんだかわからないまま人の波に飲み込まれてしまいます。こういったフリーマーケットはどこも同じですが、エリアごとにある程度ジャンルが固まっています。ですから「〇〇を目当てに!」と優先順位をつけたら、効率性と楽しさを両立できますよ。
ちなみに私は「お気に入りのイラストレーターを見つける」を目的にしました。更に具体化すると「そのイラストレーターの名刺を貰う」ということに集中しました(これは職業柄的なところもありますが……)
そうすると必然的に、時間配分や「何を見て何を見ないのか」が定まり無駄の少ない動きになりました。
ちなみに名刺集めはすごくハマりますよ。
名刺は個々のクリエイターの個性が出ているんですよね。ラミネート加工していたり、裏側がイラストカードになっていたり。凹凸だけで文字を表現している名刺もありました。
推しのクリエイターがいない、初参加だから勝手が分からない方には「名刺集め」もおすすめします
例えば私が今回ステキだと思って購入したイラストレーターさんたちの作品
C:夏コミの持ち物
コミケ運営側が案内しているのでそちらが一番参考になりますが、
そこに書かれていないもの、個人的に必須と感じたものを挙げておきます。
✅️小銭と1000円札(基本現金対応。釣り銭が出るのは不親切)
✅️カバン(大きめで大丈夫)
✅️トートバック(カバンには必需品、戦果は他の袋にいれると便利)
✅️大量の飲料(屋内も屋外も高温多湿で、マジで危険です)あるいは塩分タブレット
✅️送風機(ハンディ扇風機、センス、団扇等)
✅️タオル
✅️携帯用ハサミ
✅️会場地図
✅️ファイル(ポストカードなど折り曲げたくないものを入れる)
✅️サインペン(サインは別料金、サインは受け付けない人もいますが、あわよくば貰うこともできます)
✅️警戒心
こういう事は言いたくないですが、参加者13万人全員が善人ということはないでしょう。スリや詐欺には注意が必要です。例えば、一人があなたに話しかけて意識をそらしている間に、もう一人が財布を抜き取って……。ということも可能に感じました。チケット購入に身分証が不要ということも頭に入れておきましょう。また、メールやツイッターアカウントを聞き出す勧誘も不可能ではないです。コミケに興奮して注意力が散漫にならないようにしたいです。
⚠夏はガチで暑いです。しっかりと暑さ対策しましょう。経口補水液が美味しく感じるレベルです。誰だってR18の同人誌を抱えたまま救急車に運ばれたくないですよね…?
雑記①匂いは仕方ない
コミケ雲だったりオタク臭だったりとマイナスイメージがあるコミックマーケット。私も夏コミに参加して、ほんのわずかに「匂い」を感じる場面もありました。
ですが、敢えて言います。
匂いは仕方ない。我慢しろ
まず夏コミの環境。屋内会場とはなっていますが空調はほとんど効いていません。ほとんど外と変わらない環境なのです。東京ビックサイトがサウナのようなものです。どれだけ制汗剤をしても滂沱の汗が流れますし、人の放出する熱が会場に籠もります。
加えて1日の来場者は13万人。
人口密度は410,108人/k㎡
東京都の64倍の人口が密集しているのです!
これで無臭であるほうがおかしいのです。しかもサウナのような環境下で、ですよ。ある程度我慢するしかないのも致し方ないでしょう。
かといって匂い対策をしなくていいということではないですからね。
正直、私も汗がダラッだらでした。体の穴という穴から汗が出ていきます。マジで危険です。その意味で「コミケは遊びじゃない」です。
ちなみに近辺には「泉天空の湯」(@有明ガーデン)があります。
また、下記のWEBサイトが示すように東京には大量の銭湯があります(下記マップの銭湯は本物の銭湯ですので入湯料は500円ちょっとです)。
夏には流れた汗を、冬には冷え切った体を、銭湯で癒やしましょう。
雑記②:西地区は眼福
会場の西地区は、C104において同人音楽だったり、コスプレイヤーさんの写真集が展開されているエリアでした。
注目すべきは各出店サークルで、ほぼ裸同然のコスプレ衣装で売り子さんをやっているんですよね。すごく可愛らしかったり綺麗な方が下着よりも布面積が小さいコスプレをしたり、背徳的な衣装をしていたり……
目の保養どころか視力がバキバキ上がりました笑。世の男性諸君はぜひ訪れてみてください(こういう冗談も今はセクハラとかになってしまうんですかね。ウソを嘘と見抜けない人がインターネットを使うのは難しい)
雑記③:企業ブースもある
企業ブースは比較的小規模ですね。そして小規模のままでいいです。コミケはまさにオタクたちが作り上げてきた文化ですから、あまり企業が目立つのもよくないと思います。
何より、そうした文脈ならAnimeJapanがありますからね。実際、コミケの企業ブースも楽しいですが、やっぱり同人サークルが主役であることには変わりませんでしたし、わざわざ企業ブースに行っても目玉となる発表とかイベントとかはなかったように感じます。
最近はすっかりビジネス化されてしまったアニメの「聖地巡礼」。
これも当初は企業がかかわらない形でオタクたちが自発的に生み出していったものです。
埼玉県久喜市は鷲宮の「土師祭」で披露される「らき☆すた神輿」も当初はオタクたちが作り上げてきた文化でした。
「おねがい☆ティーチャー」の聖地で行われていた募金活動もオタクたちが自発的に始めたことでしたし、環境整備もオタクたちがボランティアではじめて、地域とオタクの間の溝を埋める役割を果たしました。
聖地巡礼ビジネスをテーマにした書籍はいくつか出版されていますが、下記の新書はわかりやすいのでおすすめです。
では、また。冬のコミケでお会いしましょう。