社会はあなたの成長によって形成されています。あなたはどのような成長を遂げますか?[思考編 #16]
われわれは、組織が一人ひとりの人間に対して位置と役割を与えることを当然のこととしなければならない。同時に、組織をもって自己実現と成長の機会とすることを当然のこととしなければならない。
『断絶の時代』第Ⅲ部 組織社会の時代 第11章 組織社会に生きる
p266より
わたしたちは、組織が多く存在する、組織社会に生きています。
組織社会とは、組織に支配されている社会ではありません。
より大きな成果をあげるために組織という道具に所属する人が多く、世の中のモノ・サービスの多くが組織によって提供されていることが多い社会です。
組織に所属することは個をなくすことではありません。
それぞれの個性を生かし、強みを高めあって、より良いモノ・サービスを提供できるように成長する必要があります。
それぞれの個人に対し、組織は社会における位置と役割を提供します。
〇〇会社で自社製品を提供することで、より良い日常を送れるサービスを提供しています。
〇〇部に所属し、地域のお祭りを盛り上げる役割を担っています。
〇〇学校PTAとして、地域において子育てがしやすい環境づくりに貢献しています。
組織に所属することは目的ではなく手段です。
その手段を使って、その組織が所属する地域・社会に対してどのような貢献をするかが、その人に与えられた役割です。
誰もがどこかの組織に所属することで位置を与えられ、その組織を使って貢献するために成長する必要があります。
組織は、メンバーに対し、その地域・社会における位置を提供し、組織としてより良い成果をあげてもらうために、自己実現を果たしてもらうことを目指して成長の機会を提供する必要があります。
そのメンバーの一員として、わたしたちは、組織という道具を使って、地域・社会に対してより大きな貢献を行えるようになるために成長する必要があります。
小中学生も、地域社会の中で位置と役割を持っています。
彼ら彼女らが周囲の人を巻き込んでくれたからこそ今があるのだろうな、と感じて『人が死なない防災』 (片田敏孝 著 集英社)をご紹介します。
片田先生のお話を伺う機会がありました。
優しい語り口で、柔らかい言葉で命について語られると、涙が止まりませんでした。
自分の命も守れなければ、他人を助けることはできない。
自分の命さえ守れれば、誰かを助けることもできるかもしれない。
そんなことを感じる本でもありました。
飛行機に搭乗した際の安全のしおりの説明の際も同じことを感じます。
酸素マスクは親御さんが確実に装着してからお子さんに装着させる、という順番になっています。
酸素不足で親御さんの意識がなくなってしまえば、お子さんの命も危ぶまれる、ということですよね。
人間には安全バイヤスがあり、どんなに危険な状況になっても自分は大丈夫だと感じてしまうそうです。
自分の安全バイヤスのせいで、誰かの命を危険にさらしてしまう可能性があることを知っておく必要があります。
だからこそ、防災については日常において、何度も訓練し反射で動けるくらいまでしみ込ませておかなければなりません。
災害が来てから思い出しても遅いのです。
せっかく生を受けたのですから、それぞれが幸せと思えて、人生を全うしたと思える最期を迎えられる世の中であってほしいと思うのです。
災害によって奪われる命が少しでも減り、その人にとっての位置と役割が全うされる世の中になってほしいと思うのです。
防災、という視点から、自らの位置と役割を考えていただければ、と思い、今回はこの本を選びました。
『断絶の時代』という本は、1968年に刊行された本で、社会で起きている文明や技術などについての変化や分断などについて書かれてた書籍です。
社会の変化、自分自身からは縁遠いものと読んでしまいがちですが、この引用文から佐藤先生は「道具としての組織の中で自らの位置づけや役割を考え、同時に、この組織で何をすべきか、何が足りないかを自問します。そこに成長の機会が現れるのです。」(本書 p47)とセルフマネジメント視点に落とし込んでくれています。
ドラッカー先生の言葉は、どこまでも個人に寄り添ってくれている気がして、読むたびに嬉しい気持ちが湧いてきます。
社会における大きな変化は必ず起こります。
どんな変化が起きたとしても、個人がその社会において幸せに生きることを目指し、それぞれの個人が考え決定し行動することで社会は必ず良い方向に向かう、そう背中を押されている気がするのです。
この先も社会は変化します。
社会に所属しているわたし達も変化します。
その変化をより良いものに変えるかどうかは、わたし達次第です。
社会における変化をより良い変化とするために、あなたはどのようなことを考えますか?
どのような意思決定が必要でしょうか?
社会をより良くするために、あなたはどのような行動を起こしますか?
『実践するドラッカー【思考編】』
chapter2 成長するために p46 #16
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サークル始めました♪
実践するドラッカーシリーズは、膨大な数のドラッカー先生の言葉を選りすぐり、5つのテーマ別にまとめられた書籍です。
編著者の佐藤等先生は、札幌を中心に全国各地でドラッカーの書籍を中心に読書会を開催されてきました。
ドラッカー先生の言葉と佐藤先生の解説が1セット、そこかしこに「今のあなた」に必要な言葉が散りばめられています。
佐藤先生の解説は、ぜひそれぞれの書籍で確認してください(*^ω^*)
ここではわたしが感じたことをお伝えしていきます。
自ら考え、決定し、行動するあなたのためのドラッカー、一緒に探してみませんか?
【思考編】は、あなたが成長し続けるためにはどのような思考が必要なのか、成果を出すための考え方がまとめられています。