溧阳南山竹海へ。
2013年10月。国慶節。 大きな思い出をもらった小さな旅の記録。
日本に帰省する予定もなく、特に中国国内での旅の予定も立てずに国慶節の連休に入るタイミングで常州で知り合った知人からのメッセージ。『 することないなら、” 溧阳 li yang リーヤン "の実家に帰省しているから、遊びにおいでよ』と声をかけてくれた。
“ 溧阳市 リーヤン(りつよう)市 "は県級市。
私の住んでいた江蘇省の常州市は、五つの区と一つの県級市から構成されていて、
”溧陽”はその県級市であり、日本人には分かりにくい区分だが一応 常州市に属している。常州市内からは南西へ約60km、長距離バスに乗って約1時間半ってとこだろうか。郊外の街に到着。
”南山竹海 nan shan zhu hai ナンシャンジュハイ "
溧陽のバスターミナルに着くと、知人が車で迎えに来てくれた。ターミナルから約20kmにある竹林公園に案内してくれると言う。
そこには広大な竹林が広がり、生い茂る青竹が秋の日差しを和らげる。竹の影を歩いているが景色は明るい。
サラサラと耳触りの良い音を立てて風が通り過ぎる。。。
公園の山を登り行くと国宝のパンダがいるらしいが、知人曰く『苦労して登って見るほど美しくない』と結構な言い草。パンダの毛並みのことを言ってるらしいがまぁ地元の者が言ってるからそれに従い、軽い散策に留める。
実家に泊めてくれると言うので、本来予定していなかったが招待を受けることにする。その夜、近所の庶民的なレストランで食事をご馳走になったが、それがもう、頗る美味しさ。
普通の飾らない肉料理、魚料理、街で食べるとややクセを感じる田鰻なども、身が甘く素直な旨さで溢れている。知人は自分たちにとっての普通だというが、明らかに美味しい。全ての食材が天然ものであることが、こんなにも美味しいと実感できる、感動の食事。 少し前に竹林で吸った空気がいっそうこの食事を美味しくしてくれたようにも思えた。
夜、8時過ぎくらいでもどこにも灯りが見当たらないような真っ暗な片田舎。静かに眠りにつく。。。
明け方4時だったか、5時だったか僅かな緊張もあり、まだ明るくない時間に目が醒める。
近所の鶏やアヒルやらが声を上げ、池の周りを散歩し始めたようだった。
暗い部屋で、目を閉じても無眠れそうにない。そっと外に出て散歩する。
鴨、アヒル、鶏、カエル、虫、人の声など聞こえない。鳴り響く自然の交響楽。
夜露に濡れた収穫の近い、稲穂のそばを歩く。次第に空が明るくなる。
時間が止まり、そこが中国であることもわからなくなるような錯覚に陥る。
玄関の脇には、養蜂箱、道端の綿花、栗の木、小屋があるのに自由な鶏たち。
何もない田舎ではなかった、そこは私には興味対象の情報が多すぎる空間。何気ない知人の誘いがこんなにも素晴らしい、非日常を与えてくれるとは。。。
もてなしてくれたご家族にも感謝。
その知人が、いつも明るく朗らかで前向きなこと、この故郷を見せてもらいすぐにその理由がわかった気がした。 環境が人を創り、モノを造る。
やはり、人も、食材も天然物が良い。
この時、お土産にいくらか食材をもらって帰った。常州に帰ってからその食材を調理してみたので別の記事にて紹介したい。。。
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