和食人、餃子を語る。 (其の参) バルサミコ酢。
日本人の私がそれまでの仕事のつながりから、中国の常州という街に
小さな会社と1軒の居酒屋を作って暮らしていたという昔話。
ここでは、その外伝。
私の中国での餃子に対する学びと、”餃子愛”をお伝えしたい。
近く、遠い国、中国に関わった20年。
私の風変わりな経歴などは、プロフィール記事(長篇)をご覧ください
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(其の参) もっちり厚みのある皮で餃子。 ー 2015.11 ー
この回は、スタンダードな具材を、自分で作った皮で包んでいる様子。
自分は皮の作り置きはした事がない。
おそらく酒抜けやらぬ寝起き。テンションに乗じて勢いよく皮伸ばししたに違いない。アリと書いたからにはアリだと思う。
この時の餃子は具材に、特徴無いし、皮作りの写真も撮っていなかった事やし、
テーマを ” 餃子を食べるお酢 " ということで書いてみよう。
餃子を食べるお酢
日本で餃子を食べるなら、酢と醤油を合わせた” 酢醤油 "が王道 (酢 2 : 醤油 1 くらいが標準的か)。
ところが中国では、圧倒的に” 醋 cu ツゥ”=(酢)をそのまま小皿に注いでつけて食べる。
私のいた、華東地区上海、江蘇省一帯から南に向かっては確実に " 香醋 xiang cu シャンツゥ”=黒酢である。
地域差があるようだが、東北地方大連、あたりなど寒い地区では” 白醋 bai cu バイツゥ”に粗潰しのニンニクを加えて食していた。
黒酢には独特のコク、風味があり、シンプルな白酢もニンニクの旨みを追加してバランスをとっているというとこだろうか。
では、なぜ醤油を加えないか?であるが、それは具材の味付けによるものと考える。いろんな具材がある、中国水餃子だが、スタンダードな肉メインのタイプはどれも醤油で色付き、甘い。小籠包や肉まんの餡はどちらも甘いと言えば理解してもらえるだろうか。
すでに、醤油味を含んだ餡、醤油を差さない理由。そして口の中の甘さを、スッと切ってくれる酢だけの使用。多分そういうことかと思っている。
”香酢”は、もち米由来の酢で、籾殻(もみがら)を加える効果で黒く仕上がり、寝かせて角が取れたお酢。 最初は香酢が苦手で、つけるものが何やら理解し難い風味を帯びるのが好きでは無かった。
短い旅で “鎮江 zhen jiang” という街を訪れた事がある。
常州の隣町。中国の”四大酢”の” 鎮江黒酢”の産地。そこを訪れてからは、口にする時、その地の風景を思い出すように味わった。近くに住んでいながら土地のものを愉しまない手はない、と積極的に食すようになった。
中国で暮らして、だいぶ経ってからの話。
今では、日本的な餃子でも酢の割合多め、或いは酢だけでも食せる人間になっている。。。
でもポン酢もいいし、また酢を切らしたらバルサミコ….
以上、餃子の酢の話。
酢に特化した旅では無かったが、鎮江の風景写真 旅記事で上げる予定です。では