【前編】「かみ的教育をかんがえる」は決して他人事じゃないと感じた
先月11月13日、上川町の「交流&コワーキングスペース PORTO」で行われた「かみ的教育を考える」というイベントに参加してきた。
PORTO
海のない、この町の港 というキャッチコピーがすごく好きです。
今回のイベントは教育に関するお話。教育分野は私の人生とはあまり縁がなく、話を聞くのが楽しみな反面、難しい話だったらどうしよう…と不安な側面もあった。
しかしそんな不安は始まってすぐに杞憂だと分かった。イベントで話を聞いてみるととても興味深い内容だったのだ。
今まで私は「教育とあまり関係がないし、畑違いが首を突っ込んでも…」と思っていたが、当イベントに参加し「あれ、全く無関係という訳ではないのかもしれない…むしろ、関係ないと思っている人ほど知るべき話ではないのかな」と感じた。
ここでのお話が色々なことを考えるきっかけになったので、せっかくなのでまとめてみることにした。
イベントアーカイブはこちらから。
イベントは
1. 「たけっちょから提案する”かみ的教育”構想」松井丈夫さん
2. 「想いを繋いで未来を作る教育の実践」古賀詠風さん
3. 交流会
という中身で構成されている。
「たけっちょから提案する”かみ的教育”構想」松井丈夫さん
そもそものイベント開催のきっかけは10月9日に行われたPORTOのオープニングイベント。その中の「上川町チャレンジ発表会」だったという。そこで松井丈夫さん(以下たけっちょさん)が「カミコーから東大生を」という発表を行った。すると嬉しい反響があったようで「ならば上川町での教育について考えている頭の中身を大公開しよう!」ということで今回のイベントが企画されたとのことだった。
チャレンジ発表会のアーカイブはこちらから。
発表から実際に次のチャレンジへと繋がっていて、まさに「チャレンジ発表会」だ…!
反響を受けて企画、実施までこの間1ヶ月。カミカワークの方々の実行力がすごい。
カミカワーク
▼現状と提案
まずたけっちょさんは教育現場の現状について話してくださった。教育初心者にも優しい構成。
学校教育現場の抱える大変さ、過労や負担のデカさなど闇の部分がかなりあるとのこと…課題や問題点は山積み。
教師を志望する人は多いが、実際に教師になった後待っている大変すぎる現実。
このギャップを少しでも減らすため、文科省が「#教師のバトン 」という現実をtwitter上で募集したところ、あまりに闇が深いと大炎上…。(今でもハッシュタグで検索すると教員の過酷な現状がリアルタイムで更新されています。)
それを解決するために必要なことがたけっちょさんのバイブル「学習する学校」という本に書かれているという。
必要なのは”学校教育、家庭、地域の三者が互いに連携する”こと。
たけっちょさんの提案は「学校教育にかかりすぎている負担、それらの全てを学校教育に任せるのではなく、地域や家庭と繋がることで解決できるのでは?」という中身だった。
学校側が街も親も巻き込むことで、学校教育の負担を減らすことができる。そして上川町ではそれが実現できる…!と考えているのだ。
まず上川高校、通称カミコーでは中高一貫教育を行なっているという。
公立校で中高一貫教育があるのをここで初めて知った…。1998年学校教育法が改正され、そこで認められたらしい。ちなみに私の地元の隣町、むかわ町も中高一貫教育を導入しているようだ。知らなかった。道内の公立学校では7つの町が導入しているとのこと。
中高一貫教育の利点は
・入試が面談と作文なので入試対策に縛られずゆとりある安定的な学校生活を行うことができる。(高校受験の対策の時間を大学入試対策に充てることができ、早い段階から集中できる)
・六年間の計画的かつ継続的な教育ができるため一貫的な教育を効果的に行える。
などがあるようで、これを活かす手はない…!
そして、挑戦したい子がいれば全力でサポートしたいと怒涛のたけっちょさんのプレゼンタイムが始まる…。
「六年間を使って学生生活を盛り上げたい、そんなお前が主役だ!」
▼たけっちょさんの考える挑戦に必要なもの
1. 本人のやる気
2. ICT教育
3. 上川町の魅力ある人との触れ合い
これらがあれば東大合格でさえ夢ではない、そしてやる気さえあれば他のものは上川に揃っているよ、と…!
ちなみにカミコーには入学準備助成金という制度があり、そこで必要な学習環境を揃えることもできるとか。バックアップ体制がすごい。
▼上川町で”学校教育、家庭、地域の三者連携”を実現できると思う理由
1. 上川町にはたくさんいいところがある
自然体験:感覚と想像を養うことができる、雄大な大自然に囲まれている。
テクノロジー教育:変化の激しい時代に備えたICT教育の環境が整っている。
これらの融合を実現できる。
2. 上川町の魅力ある人がたくさんいる
例えば一週間の間に起こった出来事…
事例1)〇〇したいな〜→紹介しましょうか!
事例2)○○したいんですよね〜→え、やりましょ〜!
事例3)あんなグッズいいな〜→つくりましょ!
→グッズ化 エゾハンブルバッグ
このように想いをカタチにする力がある。しかもこれらの事例は全て、一週間のうちに起きたことだとか!
地域を巻き込めば実現するなんて、めっちゃいい〜😭
いろんなことができる魅力的なひとたちがたくさんいる!!素敵!!!
▼実際に上川町が行なっている「かみ的」教育
1. 自然体験が素晴らしい!
春夏秋冬を楽しめ、アウトドアも充実している。
2. 大雪かみかわヌクモ
こちらはプログラミングができる未来の公民館。
ブロックを積み上げるプログラミングを小学生が体験できる(一般人もできるとのこと)
施設内にはカフェがあり、軽食やコーヒーが楽しめる。山嶺の四季さんのソーセージ、パウンドケーキ、ベーグル、コーヒーなどおいしいものがたくさん。
子どもたちを連れて行った先で作業もできる環境は親世代にも嬉しい。
3. こども園
令和7年に現在ある三つの園を一つにする計画が進んでいるのだとか。
・小学校と隣接、違年齢とも交流できる。
・地域と繋がる。
など"繋ぐ"がテーマなんだって〜!素敵。
4. 小学校の教育
・大雪山などの自然と触れ合うなどの自然を重視した「ふるさと学習」
・地域の人を巻き込んだ「外国語教育」
などが行われている。
5. 「かみってる」カミコー魅力化プロジェクト
地域住民と協力し学習支援を実施予定とのこと。
6. 上川町のICT教育
中学校:イーライブラリー
高校:スタディサプリ
を生徒が利用できる。(2021年12月現在)
しかし実際の利用率はあまり高くないようで、もっと有効活用させたいようす。環境が整ってるのはもちろん大事で、その先の活用がさらに重要になってくる。放課後学習にも活用してくれたら尚いいんだろうなぁ。
など。
す、すごい…。環境がめっちゃいい…。ていうか町が子どもたちにお金使ってるのが伝わる…👀
果たして私の地元はどうなんだろうかと気になってしまった。
▼たけっちょさんの頭の中を大公開タイム
そんなたけっちょさんが実際にやりたいことは本当にたくさん!
想像以上にあって驚きました。
熱量が溢れているのでぜひ見てほしいです。アツすぎる。
(動画33:40付近となります)
「夢をゼロから作って欲しい」
「やりたいことを否定する人はカミカワークにいない!」
「やってみたいことをまず言ってみよう!」
「地域住民に向けて上川町のやっていることを可視化して上川町の教育を一緒に盛り上げていきたい!」
たけっちょさんの熱い思いが溢れるプレゼン。とにかく怒涛の40分でした。
▼無関係と思っていた私が第一部を聞いて
外から見ていたらあまり知ることのできない上川町が行っている教育を知ることができてよかった。教育分野って中からしか、さらに子供がいる家庭からしか見えにくいところがあるよね、となんとなく思っていたのでこうやって詳しく聞ける機会って貴重でした。
そして想像以上に激アツな中身。めっちゃ色々やってる…ICT教育が導入されている道内の事例を初めてちゃんと知りました。
(補足:後で調べたらGIGAスクール構想という国の方針で、今はどこも導入しているらしいと知りました。しかし自治体により程度は異なるようす…。とりあえず導入したけど、・まだ調べ学習にしか活用できてない・家庭によって事情もあるので現段階では持ち帰りなしの学校のみで使用・他の学習アプリを入れられない最低限の安い端末…など形だけ導入のところもまだまだあるのだとか)
ちゃんとまちが子供達にお金を使っていて、町の未来を繋いでいくぞという意思がビシバシ伝わってきて。
その上でまだまだやれる余地がある、一緒にやってくれる人もいる、環境はあるからさあやろう!というたけっちょさんの訴えにすごくワクワクしました。こんなに心強い嬉しい提案、乗るしかない。
後日浦幌へ視察に行ったということで、1月29日にその報告会も行われるそう。👀
どんなお話が聞けるのか、今から楽しみ〜!
そしてたけっちょさんの頭の中にあるやりたいことがどのような形で実現していくのか、今後も”かみ的教育”を見逃せません…!
▼その後のかみ的教育
①イベントの中で「上川といえば…、と質問したときに教育!って言ってもらえるようになりたい。そのために教育に関する活動を行なっていきたい」と熱く話してくださっていた。
そんなたけっちょさんがこの度
公式”かみ的教育コンシェルジュ”就任
とのこと…!おめでとうございます!!
②イベントの第三部で行われた参加者と登壇者での交流会。そこで質問や意見交換の中で熱い思いを語って下さったまちおこし戦隊カミレンジャー・タツミさん。もっとこうなればいいと思うんですよね、と抱えている思いを吐露してくださいました。そして、タツミさんとたけっちょさんで打ち合わせが行われ、この度コラボが実現したのだとか…!☀️
素敵だ〜〜〜!
▼余談
何気なく町のホームページをのぞいたら公園マップがあってサイコーかよ…となりました。写真で公園の雰囲気と遊具の形がわかるのめっちゃいい。
私は(タコ)(ロケット)で遊びたい。
私が行ったのは南町公園でした。
ということで「かみ的教育」レポートの前半をおわります。
まとめるにあたり中身の確認等ご協力いただいたたけっちょさん、ありがとうございました。
1月29日の浦幌視察報告会でお会いしましょう。
後半へ続く。