敗戦からの再出発〜「軍港の子」の予習〜
連合国軍の日本占領
・1945年8月末 日本は、アメリカ軍を主力とする連合国側に占領されることになった。
・日本の主権:本州・北海道・九州・四国とその周辺の島(アメリカ軍:沖縄・奄美諸島・小笠原諸島、ソ連軍:南樺太・千島列島等)
民主化政策
【連合国軍総司令部(GHQ)】日本政府にポツダム宣言に基づく指令を出して、軍国主義を取り除き、民主主義を推し進める政策を実行した。
①軍隊を解散し、戦争の責任者を極東国際軍事裁判にかけて処罰した。→戦争中に重要な地位になった人は、公職から追放。昭和天皇は、自分は神の子孫ではないとする「人間宣言」を出した。
②治安維持法を廃止して政治活動の自由を認め、満20歳以上の男女すべてに選挙権を認めた。→政党の活動も再開された。
③労働組合をつくり、ストライキを行う権利を守る労働組合法や、労働条件の最低基準を定めた労働基準法も制定された。
・全国水平社の伝統を引き継いで、部落解放運動が再建され、女性解放の運動も活発になった。
・北海道:アイヌの人たちの解放を目指す北海道アイヌ協会が再び組織された。
国民生活
・戦争で街は焼かれ、生産は底をつき、食料も乏しく、物価だけが急上昇していた。
・焼け跡の街→失業者+軍隊の招集を解かれた人+海外からの引き上げ者+戦災で親を亡くした孤児で溢れる。
・政府指定の公定価格によらないで品物の売り買いをする闇市が広がる。
・都市の人々が食料を得るため、農村に出かける。
⇔自由と平和になった開放感
・町には「リンゴの唄」などの明るい曲が流れた。=娯楽・文化の復興
・NHKラジオ「のど自慢素人演芸会」が始まる。
・マイクを持ち街の人の声を聞く「街頭録音」では自由な意見が語られた。