由眞 2020年11月2日 02:24 森に広がるこの白い靄は、今の僕の頭の中のようだ。馴染んだ温もりと愛していた誰かが居たことは確かなのに、大事な部分だけ綺麗に切り抜かれていて、手を伸ばせば痛みが走る。光を当てても先は見えない闇。この靄が晴れる頃には、いつかのきみと、失くした左の聴力の理由にも辿り着けるのだろうか。 #140字小説 #広がれ文縁の輪 #雨だけの街 #冬靄の街 13 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート